外務省を知るためのイベント
「国際問題プレゼンテーション・コンテスト」
開催の概要報告
平成26年10月9日


1.はじめに
外務省は、9月27日(土曜日)、東京都美術館講堂にて「国際問題プレゼンテーション・コンテスト」を開催しました。本年度のテーマは「私の提言~これからの日本のODA~」でした。全国各地から応募があった47名の事前審査論文の選考を経て、本選出場権を得た5名による様々な観点からのプレゼンテーションが披露されました。当日は100名を超える傍聴者が参加し、質の高いプレゼンテーションが競われた結果,西山友梨(聖心女子大学)さんが外務大臣賞を受賞しました。表彰式において4名の審査委員からそれぞれ講評をいただいた後、審査委員と出場者との間で和やかな雰囲気の中で有意義な意見交換会も行われました。
今回、本事業の広報活動にご協力頂きました各大学、大学院等教育機関の教職員の皆様、全国国際協力学生団体連盟等の皆様には厚く御礼申し上げます。
今回、本事業の広報活動にご協力頂きました各大学、大学院等教育機関の教職員の皆様、全国国際協力学生団体連盟等の皆様には厚く御礼申し上げます。
2.受賞者の皆さん(お名前は順不同です。)

青山学院大学 国際政治経済学部

中央大学 法学部
- 外務大臣賞:西山 友梨さん
聖心女子大学 文学部 - 優秀賞:相川 雄哉さん
北海道大学 経済学部 - 優秀賞:森嶌 亜耶さん
京都外国語大学 外国語学部
3.審査委員による講評
(1)富野岳士審査委員(国際協力NGOセンター事務局次長)

本日発表された皆様のプレゼンテーションは,内容はもちろんですが,それぞれに工夫がなされ,また堂々と発表されるなど大変に感銘を受けました。審査は大変に難しく,総合的に判断させていただきました。
私自身,25年以上前の学生時代を振り返りますと,本日発表された5名の方々には遠く及ばない学生時代だったと思います。学生時代にこのような問題意識を持ってしっかり考え,考えるだけでなく学生ならではのアクションも取られているという点が,本日のプレゼンテーションの中にしっかり反映されていたと思います。
皆さんは,大学で学ばれた内容,あるいは指導教授から教わったこと,TVやメディアを通じて感じたこと,また実際に現地を訪れ,生活して感じたことなどを原点に,皆さんならではの視点でこれからのODAのあり方を提案されました。本年,ODA大綱が見直されるとのことでNGOとしても様々な提言をしています。本日のプレゼンテーションの中にも,NGOの提言にぜひ採用したい若者ならではの発想もありました。私自身,これからはそのような観点も取り入れながらODAのあるべき姿を考えていきたいと思います。
さて、私は国際協力NGOセンターというNGOに身を置いていますので,常に援助の現場を中心に物事を考えます。現場に身を置いている立場から皆様に一つだけアドバイスをして総評といたします。皆様が提言された内容はどれも素晴らしかったと思います。ただ,実際に現場を見てリアリティを感じることが非常に大事だと思いますので,皆さんがこうあるべきだと描かれた仮説を,ぜひ実際の現場で試行し,あるいは見直し,さらには新たな視点を加えるなど、現場に出て実際に体感していただきたいと思います。それをこれからの人生の中で,直接国際協力に携わる道もあれば,企業で働きながら国際協力に関わる道もあるかと思いますので,皆さんそれぞれのやり方で今回の提案を現実的なものにしていってもらいたいと思います。ありがとうございました。
私自身,25年以上前の学生時代を振り返りますと,本日発表された5名の方々には遠く及ばない学生時代だったと思います。学生時代にこのような問題意識を持ってしっかり考え,考えるだけでなく学生ならではのアクションも取られているという点が,本日のプレゼンテーションの中にしっかり反映されていたと思います。
皆さんは,大学で学ばれた内容,あるいは指導教授から教わったこと,TVやメディアを通じて感じたこと,また実際に現地を訪れ,生活して感じたことなどを原点に,皆さんならではの視点でこれからのODAのあり方を提案されました。本年,ODA大綱が見直されるとのことでNGOとしても様々な提言をしています。本日のプレゼンテーションの中にも,NGOの提言にぜひ採用したい若者ならではの発想もありました。私自身,これからはそのような観点も取り入れながらODAのあるべき姿を考えていきたいと思います。
さて、私は国際協力NGOセンターというNGOに身を置いていますので,常に援助の現場を中心に物事を考えます。現場に身を置いている立場から皆様に一つだけアドバイスをして総評といたします。皆様が提言された内容はどれも素晴らしかったと思います。ただ,実際に現場を見てリアリティを感じることが非常に大事だと思いますので,皆さんがこうあるべきだと描かれた仮説を,ぜひ実際の現場で試行し,あるいは見直し,さらには新たな視点を加えるなど、現場に出て実際に体感していただきたいと思います。それをこれからの人生の中で,直接国際協力に携わる道もあれば,企業で働きながら国際協力に関わる道もあるかと思いますので,皆さんそれぞれのやり方で今回の提案を現実的なものにしていってもらいたいと思います。ありがとうございました。
(2)弓削昭子審査委員(法政大学法学部教授)

皆様お疲れ様でした。優勝の西山さんはじめ入賞された皆様,おめでとうございます。
今回の応募者47名の中のトップ5に選ばれた皆様は,さすがに素晴らしいプレゼンテーションでした。内容もしっかりしており,優れたプレゼンテーションの技術,そしてそれぞれの個性が十分に発揮されていて,感動させられました。皆様の新鮮な発想と熱いパッションが強く伝わってきましたし、さらに質疑応答での皆様のお答えも,今後についての夢と実際的な可能性溢れる素敵な内容でした。
今日のテーマ、これからの日本のODAということを考えますと,ODAには政府・政府機関,市民社会・NGO,民間企業,大学・研究機関,メディアなど様々なアクターが関わっておりますが,それらの中でも若者の役割は重要だと思います。若い世代の方々のアイデアをフルに使い、チェンジ エージェントとして次の世代に変化をもたらすという発想と行動力で,これからの活動を進めてください。皆様はこれからもさらに能力アップ,パワーアップしていきます。自分に限界はないと思って様々な経験を積み,常に挑戦する姿勢で新しい世界を切り開いていただきたいと思います。
グローバル化が進み続ける世界で日本からの発信を強めるのは今後、益々重要になると思います。今日のような素晴らしいプレゼンテーションを国内だけでなく、今後は英語を使って国際社会に向けて発信できたら素晴らしいと思います。そうすれば、国際舞台で世界の人々と交流,意見交換をし,議論を深めることを通じて、世界の人々とのネットワークを広げることができて,とてもエキサイティングだと思います。皆様のますますのご活躍を期待いたします。本日はおめでとうございました。
今回の応募者47名の中のトップ5に選ばれた皆様は,さすがに素晴らしいプレゼンテーションでした。内容もしっかりしており,優れたプレゼンテーションの技術,そしてそれぞれの個性が十分に発揮されていて,感動させられました。皆様の新鮮な発想と熱いパッションが強く伝わってきましたし、さらに質疑応答での皆様のお答えも,今後についての夢と実際的な可能性溢れる素敵な内容でした。
今日のテーマ、これからの日本のODAということを考えますと,ODAには政府・政府機関,市民社会・NGO,民間企業,大学・研究機関,メディアなど様々なアクターが関わっておりますが,それらの中でも若者の役割は重要だと思います。若い世代の方々のアイデアをフルに使い、チェンジ エージェントとして次の世代に変化をもたらすという発想と行動力で,これからの活動を進めてください。皆様はこれからもさらに能力アップ,パワーアップしていきます。自分に限界はないと思って様々な経験を積み,常に挑戦する姿勢で新しい世界を切り開いていただきたいと思います。
グローバル化が進み続ける世界で日本からの発信を強めるのは今後、益々重要になると思います。今日のような素晴らしいプレゼンテーションを国内だけでなく、今後は英語を使って国際社会に向けて発信できたら素晴らしいと思います。そうすれば、国際舞台で世界の人々と交流,意見交換をし,議論を深めることを通じて、世界の人々とのネットワークを広げることができて,とてもエキサイティングだと思います。皆様のますますのご活躍を期待いたします。本日はおめでとうございました。
(3)園部哲史審査委員(政策研究大学院大学副学長)

受賞者の皆様おめでとうございます。ご来場の皆様お疲れ様でした。本日は素晴らしいプレゼンテーションで,非常に感銘を受けました。
私の調査研究地域にエチオピアという国がありますが,先ほどの西山さんのプレゼンの中で話された日本の「カイゼン」を普及させようと,エチオピアではすごい勢いで運動が起きていまして,首相の提案で9月を毎年「カイゼン月間」にすることとなった次第です。私は「カイゼン」を提案してきた1人としてエチオピア政府から招待を受けていましたが,本日のイベントがあるから出席できないとお断りしましたところ,本日の皆様のプレゼンを伺い,こちらに参加して本当に良かったと思いました。大変に素晴らしかったです。
皆様のプレゼン内容について一言触れさせていただきます。最初の亀田さんですが,6つの提案をされましたが,6つは多すぎたと思います。ODA基本法,紛争予防というのは力のある提言だったと思いますが,その2つと最後のジャパンODAモデルでまとめられたらもっとインパクトがあったと思います。次の熊澤さんの補完型という提案は素晴らしい発想です。そのポイントはキューバにしてもアンゴラにしても,彼らがマネージメントしていく管理組織を強調されておりますが,その着眼点が素晴らしい。「カイゼン」を普及させるというのもまさにその点にあるわけですが,その辺りでもう少し突っ込んだ考察があればさらに迫力があったと思います。西山さんの国際開発協力会議,ASEANの支援,留学生の受け入れの3点はいずれも素晴らしい内容ですが,強いて難を挙げれば,ASEAN地域内格差の是正のために,日本の中小企業をASEAN後進国に進出を促進させるとの提案ですが,中小企業の海外進出は同時に日本国内,特に地方の衰退を懸念する声がありますので,それに対する説明がなされるともっと説得力があったと思います。相川さんの途上国に留学生を派遣させるのは大変にいいアイデアですが,私の勤務する大学院大学では400人ほどの学生のうち約300人は80数カ国から来日されている留学生ですが,日本人は社会人を経験している30代が多いので,日本人学生に留学を勧めても積極的に留学しないのです。どのようにして留学させるか大きな問題ですが,何かアイデアがあったら教えて下さい。森嶌さんの提案は,素晴らしく具体的で,現在,あのような日本的な素晴らしいアイデアは次々と出されているところでありますので,大変に面白いと思います。またそうした支援をしたいという方もおります。関心があれば紹介します。
皆さんのいろいろな良いところと,まだまだ知識の段階で,現場を体験していないこともあり,さらに良くなる余地はあると思いますが,先ほど申し上げた点を工夫すればパーフェクトだと思います。質疑応答でもあれほど短い時間で答えをまとめ,話せるのはすごい,と思いました。このような若い人たちがいれば日本は大丈夫だと大変心強く思いました。どうもありがとうございました。
私の調査研究地域にエチオピアという国がありますが,先ほどの西山さんのプレゼンの中で話された日本の「カイゼン」を普及させようと,エチオピアではすごい勢いで運動が起きていまして,首相の提案で9月を毎年「カイゼン月間」にすることとなった次第です。私は「カイゼン」を提案してきた1人としてエチオピア政府から招待を受けていましたが,本日のイベントがあるから出席できないとお断りしましたところ,本日の皆様のプレゼンを伺い,こちらに参加して本当に良かったと思いました。大変に素晴らしかったです。
皆様のプレゼン内容について一言触れさせていただきます。最初の亀田さんですが,6つの提案をされましたが,6つは多すぎたと思います。ODA基本法,紛争予防というのは力のある提言だったと思いますが,その2つと最後のジャパンODAモデルでまとめられたらもっとインパクトがあったと思います。次の熊澤さんの補完型という提案は素晴らしい発想です。そのポイントはキューバにしてもアンゴラにしても,彼らがマネージメントしていく管理組織を強調されておりますが,その着眼点が素晴らしい。「カイゼン」を普及させるというのもまさにその点にあるわけですが,その辺りでもう少し突っ込んだ考察があればさらに迫力があったと思います。西山さんの国際開発協力会議,ASEANの支援,留学生の受け入れの3点はいずれも素晴らしい内容ですが,強いて難を挙げれば,ASEAN地域内格差の是正のために,日本の中小企業をASEAN後進国に進出を促進させるとの提案ですが,中小企業の海外進出は同時に日本国内,特に地方の衰退を懸念する声がありますので,それに対する説明がなされるともっと説得力があったと思います。相川さんの途上国に留学生を派遣させるのは大変にいいアイデアですが,私の勤務する大学院大学では400人ほどの学生のうち約300人は80数カ国から来日されている留学生ですが,日本人は社会人を経験している30代が多いので,日本人学生に留学を勧めても積極的に留学しないのです。どのようにして留学させるか大きな問題ですが,何かアイデアがあったら教えて下さい。森嶌さんの提案は,素晴らしく具体的で,現在,あのような日本的な素晴らしいアイデアは次々と出されているところでありますので,大変に面白いと思います。またそうした支援をしたいという方もおります。関心があれば紹介します。
皆さんのいろいろな良いところと,まだまだ知識の段階で,現場を体験していないこともあり,さらに良くなる余地はあると思いますが,先ほど申し上げた点を工夫すればパーフェクトだと思います。質疑応答でもあれほど短い時間で答えをまとめ,話せるのはすごい,と思いました。このような若い人たちがいれば日本は大丈夫だと大変心強く思いました。どうもありがとうございました。
(4)荒木光弥審査委員長(株式会社国際開発ジャーナル社代表取締役・主幹)

簡潔に申し上げます。皆さんの提案はすごくアイデアに満ちていて,どれも甲乙つけ難く,審査は大変に迷いました。支援の現場から提案する方,あるいは政策から提案する方などいろいろな形での発表ですが,このようなコンテストはあまり経験したことがなく,非常に感動いたしました。参議院には「政府開発援助等に関する特別委員会」があり,政治家の皆さんがODA等を議論される場ですが,今日の若い皆さんの考え方を披露すれば参考になるのではないかと思いました。それほど新鮮かつ純粋で,国を想う心が感じられますので,多くの人に聞かせてあげたいと思います。本当に今日は良い刺激を与えていただき,ありがとうございました。
4.意見交換会
表彰式終了後、会場内にて審査委員と出場者の意見交換会を行いました。プレゼン内容についての質疑をはじめ、出場者同士での交歓など、終始和やかに有意義な意見交換ができました。