採用情報等

令和4年8月2日
(写真1)在ウルグアイ日本国大使館所属 渡部 勝巳さん
プロフィール:これまでの所属先
平成20年 入省 大臣官房会計課福利厚生室
平成22年 総合外交政策局安全保障政策課国際テロ対策協力室
平成23年 総合外交政策局安全保障政策課
平成24年 在メキシコ日本国大使館(語学研修)
平成25年 在エルサルバドル日本国大使館
平成28年 在パラグアイ日本国大使館 (在エンカルナシオン領事事務所)
令和3年 在ウルグアイ日本国大使館

Q1 出身地を教えてください。出身地のアピールもお願いします!

 私の出身地は、福島県大沼郡会津美里町(旧会津高田町)です。会津美里町は会津地方の中核都市である会津若松市の隣の街で、高田梅や会津身不知柿(みしらずがき)などの農産物や東北地方最古の窯場といわれる会津本郷焼、「会津」発祥の起源に由来する伊佐須美神社がある歴史と豊かな自然に恵まれた町です。

Q2 現在の所属公館(国名)と担当業務を教えてください。

 南米の在ウルグアイ日本国大使館で主に会計業務や現地職員の労務管理、国有財産である大使館や大使公邸の建物の維持・管理をする営繕業務を担当しています。また、通信や領事、警備といった業務を担当することもあります。

Q3 今までに担当した仕事で印象に残っていることや大変だったこと、やりがいを感じたことを教えてください。

(写真2)ショッピングモールで和太鼓の演奏をしている様子 ショッピングモールにおける和太鼓公演

 印象に残っているのは、最初の在外勤務地である中米の在エルサルバドル日本国大使館で広報文化を担当して、大小様々な文化事業の実施・開催に携わったことでしょうか。特に2015年は日本とエルサルバドルの外交関係樹立80周年、そして日本と中米の交流年であり、在エルサルバドル大使館においても文化事業を数多く開催しました。例えば、書道・折り紙・けん玉などの体験型イベント、バラエティーに富んだ日本の作品を取り揃え上映した日本映画祭、国際交流基金と共催した「キャラクター大国ニッポン」展や「新・現代日本のデザイン100選」展といった展示会です。
 また、日本武道(剣道、居合道及び杖道)のレク・デモ、琵琶(びわ)・箏(こと)・ジャズ・ピアノの音楽公演、そして日・中米交流年の一環で中米の数か国を巡る大型公演として石見神楽(いわみかぐら)や影絵の劇団公演、和太鼓グループの公演も開催しました。どのイベントも会場が満員となる盛況ぶりで、これら文化行事を通じて日本への興味・関心の拡大や日本文化の理解促進・深化に繋げることができたと思っています。
 とりわけ、エルサルバドルのような在住する日本人が少なく、日本文化に触れるのも難しい国においては、在外公館が開催するイベントは日本や日本文化を効果的に紹介する優良かつ貴重な手段ですが、その反面、準備から実施までの労力も桁外れで、今思い返すと朝から晩まで広報文化という業務に勤しんでいた気がします。
 正直なところ、最初の在外勤務地で広報文化を担当したのは苦労も多かったですが、無事イベントが終わりほっとした時に現地の方々や関係者からかけて頂いた感謝の言葉一つ一つが、自然と仕事の励みや活力に繋がっていたのだろうなと今更ながら思い返されます。このように、大変だけどやってよかったと実感できる機会が多い広報文化業務を担当していたエルサルバドルでの勤務が、やりがいを感じたという点ではとても印象に残っています。

 そのほか、日本の要人の任地訪問や諸外国の要人が訪日される際の受入れ業務に携わったことも強く印象に残っています。
海外においては、当時の眞子内親王殿下のエルサルバドル及びパラグアイ御訪問、安倍元総理大臣及び茂木元外務大臣のパラグアイ訪問の受け入れ業務に携わりました。また、日本で開催されたG7広島外相会合/G7伊勢志摩サミットや即位の礼では、海外から一時帰国して業務に携わり、特に天皇陛下の御即位を国内外に正式に示す「即位の礼」にて各国の賓客らを接遇する業務に携われたことは一生に1度あるかないかの貴重な経験であり、私の外務省人生にとっても忘れられない出来事として大変印象に残っています。

Q4 現在(もしくは今までに)赴任した国で生活習慣やその他驚いたことを教えてください。

 これまでメキシコでの語学研修を含め中南米4か国に赴任しているので、それら4か国の生活習慣や驚いたことをそれぞれ書いてみます。

  • (メキシコ)
    • 町中至る所に路上屋台が連なる屋台文化の国です。日本でもお馴染みのメキシコを代表する料理「タコス(Tacos)」は、繁盛している屋台で食べると味も格別ですが、路上屋台ということもあり、たまに食あたりになることも。。。
    • 道に迷った時に通りすがりのメキシコ人に道を尋ねると、嫌な顔せず愛想良く道を教えてくれますが、メキシコ人はわからなくても「わからない」とはあまり言わないため、適当な道を教えられることがあります。私も一度道に迷った時に3人くらいのメキシコ人に道を尋ねたことがありますが、それぞれ別の道を教えられつつも、何とか無事目的地にたどり着くことが出来ました。これも今となっては面白おかしく思い出される経験です。
  • (エルサルバドル)
    • エルサルバドルは、日本ではまだ知名度がそれほど高くありませんが、世界有数の良質なコーヒーの産地です。そしてエルサルバドルの名物料理は何と言っても「ププサ(Pupusa)」。とうもろこし粉や米粉の生地で豆のペーストや肉、チーズなどを生地に包んでから平たく伸ばして鉄板で焼いた料理です。食べる時はクルティード(Curtido)と呼ばれるキャベツやニンジン、玉ねぎなどを細かく切った漬物とトマトソースを合わせて手で食べるのが伝統的です。日本人の味覚にマッチする米粉のププサが個人的にはオススメです!!
    • グアテマラが発祥のフライドチキンのチェーン店「ポジョ・カンペーロ(Pollo Campero)」がエルサルバドル人にとってのソウルフードです。基本的に飛行機に乗る際は飲食物の機内持ち込みは禁止ですが、エルサルバドル人の乗客はポジョ・カンペーロのフライドチキンが入った袋を片手にチェックイン、荷物検査、出国審査を難無く通過し、堂々と荷物と一緒に機内へ持ち込みます。なぜか注意されることも没収されることもありません。そのためエルサルバドルを出発する飛行機の中は、フライドチキン独特の香りでいっぱいになります(笑)。
  • (パラグアイ)
    • 冬はマテ茶、夏はテレレ(冷たいマテ茶)を飲む文化です。テレレ(Tereré)は冷水でいれるマテ茶(Yerba mate)の飲み方で、パラグアイの先住民グアラニー族伝統の飲み物です。このパラグアイ人には欠かせないテレレ文化は2020年にユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
    • 2016年に日本人移住80周年を迎えた日本人・日系人が非常に多い国で、日本食材や日本の調味料・日用品も割高ですが普通に手に入ります。日系人が多い中南米の中でもパラグアイの日系人は非常に高い日本語力(レベル)を維持していると言われます。
  • (ウルグアイ)
    • 一年を通じてマテ茶が嗜まれ、マテ茶を抱えて道を行き来する人も多く見られますが、パラグアイとは違い、ウルグアイの人々は夏でも冬でも熱いマテ茶を飲んでいます。
    • 物価が想像以上に高いです。付加価値税も日本の倍以上の22%です。

Q5 休日の主な過ごし方を教えてください。

(写真3)巨大のワインの樽の前での記念写真 巨大ワイン樽(容量12,000リットル)

 毎週土曜日の午前中は、近所の公園で青空市場が開かれるので、妻と一緒に新鮮な野菜や果物を買いに行ったり、大型スーパーに1週間分の食材を買い出しに行ったりしています。
 また、日本ではあまり知られていませんが、ウルグアイはワインの名産国です。そのため、ウルグアイ各地にワイナリーも沢山あるので、休日は時間があればワイナリー巡りも楽しんでいます。ちなみにウルグアイではフランスのピレネー地方原産のブドウ品種「タナ(Tannat)種」が有名で、現在ではウルグアイが世界最大のタナ種ワインの産地となっています。
 そしてウルグアイで忘れてならないのが牛肉です。年間1人当たりの牛肉消費量が世界トップクラスの牛肉大国で、牛の数が人口よりも多いことでも有名です(人口約350万人に対し、牛の数約1150万頭)。そんなウルグアイの代表料理と言えばウルグアイ式のBBQ「アサード」です。網(Parrilla)の上に乗せた牛肉などを薪火でじっくりと焼き上げるため、肉に木の香りが移るのも特徴です。そこまで肉食ではなかった私ですが、牛肉の値段が比較的安いウルグアイに赴任してからは、週末になるとよく妻と一緒にアサード専門店やレストランへ行って美味しいウルグアイ流の薪火焼ステーキを堪能しています。

Q6 外務省を目指している後輩にむけて外務省の魅力を語ってください!

 外務省の魅力と言えば日本だけではなく海外で仕事ができることではないでしょうか。外務省に入省すると最初の数年間は日本勤務、その後は各国の在外公館勤務と日本勤務を交互に繰り返すことになります。
 海外生活や語学が心配、異国の文化に順応できるのかと不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あまり心配する必要はないと思います。外務省職員の中には日本での生活や勤務よりも海外の方が良いと言う方が沢山います。
 「住めば都」と言われるように海外で暮らせば自ずと仕事にも現地での生活にも慣れてきます。そして慣れてくると、もっと知りたい・やってみたいといった意欲や向上心も生まれてきます。
 海外から見る日本や日本人はどうなのか、文化や習慣、仕事のやり方、時間に対する価値観の違いも国によって様々です。旅行ではその国の一端にしか触れることができませんが、海外で生活すると「多様性」を肌で感じる機会が多くあり、それらを体験し、そして理解することで、今まで不思議に思っていたその国の文化や習慣も尊重できるようにもなります。
 また逆に、海外で生活することによって、これまで見えていなかった日本の素晴らしさ、というものに気づくことも出来るようになります。
 たった一度の人生、貴重な知識や経験が得られる海外という環境で自ら新しいことにチャレンジして自分の可能性を広げられる、そして何より、海外で勤務しながらも日本国そして日本国民のために仕事ができる、それが外務省の一番の魅力だと思います。


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