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平成31年3月27日
(写真1)会津磐梯山を背景に 会津磐梯山を背景に

 平成31年3月25日,阿部俊子外務副大臣が女性駐日大使の福島県視察を実施し,女性駐日大使11名が参加しました。
 この視察は,第5回国際女性会議WAW!(3月23日から24日)において,地方創生と女性の役割が主要議題の一つであることを受けて実施され,女性駐日大使は,阿部外務副大臣同行のもと,災害復興における女性の役割をテーマに,東日本大震災からの復興に向けた取組や食の安全への取組を視察するため福島県を訪問しました。

1 阿部外務副大臣主催昼食会(郡山市)

  • (写真2)昼食会の様子1
    昼食会で福島の食材と会津の郷土料理を堪能

 阿部外務副大臣主催の昼食会が開催され,阿部副大臣は,福島の安心・安全な現状を是非目で見て食べて体感してほしいと挨拶しました。福島県の郷土料理や県産品を用いた料理が振る舞われ,女性駐日大使は料理を堪能しました。

  • (写真3)昼食会の様子2
    昼食会で福島の食材と会津の郷土料理を堪能
  • (写真4)昼食会の様子3
    昼食会で福島の食材と会津の郷土料理を堪能

【昼食会メニュー】

先付 よもぎとうふ(福島産牛乳使用)
     うるい(古殿町産),しらす(相馬産)
前菜 奥会津沼沢湖産ヒメマスの雑穀(会津産)寿司
     会津郷土料理(鰊山椒漬(会津産),烏賊人参(会津産),田楽(会津産餅,里芋及び三春産厚揚げ使用))
御椀 こづゆ(会津郷土料理)
造里 メイプルサーモン(阿武隈川産)昆布じめ
    相馬平目(相馬漁港水揚げ)昆布じめ
煮物 長芋の煎り出し
     相馬鮑と蟹(相馬漁港水揚げ),芽の子ニンニク(郡山産),そばの実(会津産)餡
焼物 ランプステーキ(福島牛)
     花山葵(伊達産)
食事 竹の子御飯(会津氏郷米),香の物,味噌汁
水物 あんぽ柿(郡山産)ゼリー

2 福島県庁による復興状況の説明

 郡山市から会津若松市に移動するバスの中で,女性駐日大使は,福島県国際課の國分課長から,福島県の復興状況や,食の安全に関する説明を受けました。東日本大震災は,地震,津波,原子力発電事故及び事故に伴う風評被害という希に見る複合災害であること,原子力発電事故が起こった一部の地域を除き,現在の福島の放射線量は,世界各地と変わらないレベルであること,放射線のモニタリングを行うことなどにより,福島県産の食の安心・安全が守られており,福島県産の農産物の輸出が震災前に比べ大幅に増加していることなどが説明されました。女性駐日大使は熱心に説明を聞いていました。

3 鶴乃江酒造(会津若松市)

  • (写真5)鶴乃江酒造見学の様子1
    鶴乃江酒造見学
  • (写真6)鶴乃江酒造見学の様子2
    鶴乃江酒造見学

 福島県の日本酒は,国内外の各鑑評会での受賞蔵も多く,2012年から6年連続で全国新酒鑑評会の金賞受賞数日本一となっているなど,高い評価を得ています。女性駐日大使が訪問した鶴乃江酒造別ウィンドウで開くは,寛政年間から酒造りを行っている酒造で,女性の杜氏である林ゆりさんが熱心に酒造りを行っています。女性駐日大使は,女性の杜氏であることのやりがいや大変さなどについての林さんの説明を興味深く聞いていました。

  • (写真7)鶴乃江酒造見学の様子3
    鶴乃江酒造見学
  • (写真8)鶴乃江酒造見学の様子4
    鶴乃江酒造見学

4 会津若松城(鶴ヶ城)(会津若松市)

  • (写真9)会津若松城見学の様子1
    会津若松城見学
  • (写真10)会津若松城見学の様子2
    会津若松城見学

 会津若松城別ウィンドウで開くは,難攻不落の名城とうたわれ,戊辰戦争で新政府軍の猛攻の前に籠城1か月間落城しなかったことでも有名です。女性駐日大使は,会津若松城の天守閣を中心に散策し,日本の城が持つ独特の美しさに感銘を受けていました。

5 阿部外務副大臣と女性駐日大使による意見交換会

 会津若松市から郡山市に移動するバスの中で,阿部外務副大臣と女性駐日大使により,災害復興や地域創生と女性の役割について意見交換を行いました。阿部外務副大臣からは,特に貧困層の女性に有益とされているマイクロファイナンスの活用などについて発言がありました。女性駐日大使からは,自国の女性が置かれている現状や,日本との比較,今後とりうるべき方針などについて,積極的な発言があり,活発な意見交換会となりました。

6 福島県農業総合センター(郡山市)

  • (写真11)福島県農業総合センター
    福島県農業総合センター
  • (写真12)実際にモニタリング検査をしている現場を熱心に視察する大使たち1
    実際にモニタリング検査をしている現場を熱心に視察する大使たち

 福島県農業総合センター別ウィンドウで開くは,農業に関する技術開発機能を核に,安全・安心な農業を推進する機能,農業教育機能を兼ね備えた福島県農業振興の拠点です。同センターでは,農林水産物の安全性を確認するとともに,消費者に正確な情報を提供することを目的としています。我が国は,米国やEUと比べ,食品に存在する放射線量が格段に厳しく,同センターでもこの基準に基づき,厳正な検査が行われています。農業総合センター天野所長及び草野部長から説明を受け,実際に放射線量のモニタリング検査を視察した女性駐日大使からは,福島県産の食の安全についての理解が深まったとの声も聞かれるなど,関心の高さが伺えました。

  • (写真13)実際にモニタリング検査をしている現場を熱心に視察する大使たち2
    実際にモニタリング検査をしている現場を熱心に視察する大使たち
  • (写真14)実際にモニタリング検査をしている現場を熱心に視察する大使たち3
    実際にモニタリング検査をしている現場を熱心に視察する大使たち

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