グローカル外交ネット

令和4年4月25日

富山県商工労働部地域産業支援課地域産業活性化班

1 はじめに

 富山県には、現在、国の指定を受けた伝統的工芸品として「高岡銅器」、「井波彫刻」、「高岡漆器」、「庄川挽物木地」、「越中和紙」、「越中福岡の菅笠」の6品目があります。
 それ以外にも、歴史と風土に培われ、県民の生活の中で育まれ、受け継がれてきた工芸品が多く存在することから、国の製造規模要件を満たさない工芸品の中から「越中瀬戸焼」、「高岡鉄器」、「高岡仏壇」、「とやま土人形」、「富山木象嵌」の5品目を富山県伝統工芸品として指定しています。
 県では、時代を超えて受け継がれてきたこれらの工芸品の魅力を国内外に発信し、販路開拓を支援しています。

2 中国における伝統工芸品の海外展開支援

 県ではこれまで、優れた伝統工芸品の海外販路開拓を支援するため、2018年度から毎年、中国各地にて展示会を開催し、着実にファンを増やしてきました。
 2021年2月には、北京の中心街に位置する「MUJIホテル北京」と連携した展示会を初めて開催し、その内容は人民網にも取り上げられるなど、大きな注目を浴びたところです。
 その反響も踏まえ、2021年12月からの展示会では、引き続きMUJIホテル北京を開催地としました。併せてウィズコロナに対応し、販路開拓の成果をより高めるため、新たに「とやま伝統工芸REAL&EC展示販売事業in China」として、実地開催(REAL)とオンライン(EC)を組み合わせたPR方法(”REAL&EC“)を行いました。Inagora株式会社が運営する越境ECサイト「ワンドウ」にオンライン上の富山県の工芸品の特設店舗「とやま館」を設置することで、展示を見て商品を気に入った人が、そのまま越境ECサイトで購入できる仕組みとしました。

3 とやま伝統工芸REAL&EC事業の成果

 2021年度のREAL&EC事業では、10の事業者が現地展示会とオンライン上の越境EC内特設店舗「とやま館」の双方に参加し、うち「とやま館」では、期間中、全体で約132点の販売実績がありました。
 MUJIホテル北京でのREAL展示会では、開催期間中の来場者数は累計61,793人となり、展示を見た現地バイヤーとの商談が成立するなど大きな成果がありました。
 今回、実際に展示品を生で見ることは、購買に直結するということを改めて認識するとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、EC市場の存在感が増々大きくなっていること、併せて動画配信やインフルエンサーによるプロモーションの効果が大きいことが明らかになりました。

  • (写真1)展示品(写真2)展示品を見る人々
    MUJIホテル北京でのREAL展示会の様子

4 今後の施策について

 2022年度はREAL&ECの仕組みを継続し、工芸品だけでなく食品やお酒などの商品も加え、例えば、伝統工芸の酒器と地酒を合わせてPRするなど、より効果的に工芸品や富山の魅力を伝えていきたいと考えています。
 REALとECを組み合わせながらより効果的なプロモーションを展開し、富山の伝統工芸の振興に取り組んでいきたいと思います。

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