外交史料館
特別展示「日本とブラジルの120年」
IV ブラジル独立百年祭
概説と主な展示史料
平成27年10月14日
1922(大正11)年9月、ブラジルでは、ポルトガルからの独立百年を記念した祭典が催されました。当時、南米隣接諸国間では大統領就任式などの祝賀には互いに軍艦・特派使節を派遣するのが慣例となっており、同祭典にも米州諸国が特使の派遣を予定しているとの情報が日本政府に伝えられました。ブラジル側からも特使派遣の要請があったため、日本政府は、この式典に海軍練習艦三隻(「浅間」・「磐手」・「出雲」)を派遣するとともに、当時の駐伯公使堀口九萬一(ほりぐち・くまいち)を特派大使に任命して参列させました。
練習艦三隻は9月3日にリオデジャネイロに入港しました。同6日に特派大使の国書奉呈式、独立記念日の7日には独立記念万国博覧会(日本も出品)開会式があり、その後も観艦式及び晩餐会、舞踏会など9月16日まで連日公式の催しが続きました。
また、独立百年の記念として、在留邦人の寄附によりリオデジャネイロ市の大通りAvenida Rio Brancoに島田佳矣(しまだ・よしなり)帝国美術学校教授のデザインした豪奢な金灯籠の建立が計画されましたが、資金繰りの目途がつかなかったため実現しませんでした。