外交史料館
外交史料館 特別展示「外交史料館50年」
V 法令の整備とデジタル化の推進
概説と主な展示史料
昭和61(1986)年5月
チャールズ英国皇太子同妃両殿下訪日記念アルバム

平成21(2009)年には、公文書管理法が成立(同23年施行)し、外交史料館は、国立公文書館に類する機能と役割を担う外交の公文書館となりました。また、外務省は平成22(2010)年、「外交記録公開に関する規則」を制定し、作成・取得から30年が経過した行政文書は公開するという原則を明記しました。これにより、外交史料館の法的な位置づけや活動が明確化され、戦後外交記録の公開も大幅に進展しました。
本アルバムは、昭和61(1986)年にチャールズ英国皇太子同妃両殿下が訪日された際に作成された記念アルバムで、平成29(2017)年に公開されました。当館が所蔵する史料の中で最も新しいものの一つです。
- (注)本アルバムの全ページの画像は、平成29(2017)年12月20日の外交記録公開のページ(PDF)
でご覧いただくことができます。
NO.13が本アルバムに該当します。
昭和27(1952)年3月19日調印
フィリピン国と占領下日本との間の貿易のための金融取極によって設定されたオープン勘定における権利及び利益の移譲及び引受に関する連合国最高司令官と日本政府及びフィリピン共和国政府間協定(調印書)

史料画像

近年、外交史料館の史料は様々な形でデジタル化が進められています。
平成13(2001)年11月、国の機関が所蔵する歴史資料をインターネットで公開するデジタルアーカイブ「アジア歴史資料センター(アジ歴)」が開設されました。外交史料館はこれまでに、戦前期の史料約3万5千件の電子画像をアジ歴に提供しています。また、現在は戦後記録の画像提供を進めており、本史料もアジ歴で閲覧することができます。
本史料は、占領期にフィリピンとの間に結ばれた協定です。二国間条約の調印書は通常、当事者である二か国の全権の署名・押印がなされますが、本条約書では、日本、フィリピンの全権に加え、連合国最高司令官(SCAP)経済科学局長マーカット少将(W. F. Marquat)の署名、押印(シール)がなされています。
明治43(1910)年6月22日
清国皇帝宣統帝(溥儀)より明治天皇宛国書

史料画像

平成30(2018)年12月には、「所蔵史料検索システム」が公開され、所蔵史料の目録や詳細情報がオンラインで全て確認できるようになりました。また、本システムを通じて、明治・大正期の国書・親書の画像を閲覧することもできます。このように、近年のデジタル技術の進歩により、史料利用の利便性が向上し、外交史料館に来館しなくても文書の検索や一部史料の画像閲覧が可能になりました。
本史料は、映画「ラストエンペラー」でおなじみの清国皇帝の宣統帝(溥儀)から明治天皇に宛てて送られた国書で、駐日公使の解任を伝えたものです。
全長221センチメートルに及ぶ本史料の表紙に刺繍されている龍は、送り主である清朝皇帝を象徴しています。また、清朝は満州族の王朝であったため、文字と国璽(国の印章)は漢字と満州文字の両方が使用されています。