外交史料館

「批准書の世界」
「明治時代の条約締結プロセス 日布渡航条約を事例に」

令和2年6月2日
(画像1)外務省外交史料館 企画展示 批准書の世界ポスター

 批准書は,条約の内容について議会や元首の同意や承認がなされた際に作成される公文書です。国ごとに異なったデザインで作成されており,元首等の署名や国璽(国家の印章)を見ることもできます。
 本展示を通して,各国の多種多様な批准書の世界をお楽しみください。

 また,平成28年度に開催し,ご好評をいただいた「明治時代の条約締結プロセス」を再展示いたします(その際は「明治憲法下の条約締結プロセス」というタイトルで開催)。
 「批准書の世界」と併せてご覧いただくことで,条約についての理解が一層深まることを期待しております。

  • 場所:外務省外交史料館別館展示室(地図
  • 開催期間:令和2年2月12日(水曜日)~令和2年8月31日(月曜日)
  • 開館時間:午前10時~午後17時30分(土曜日・日曜日・祝日を除く)
    (注)臨時開館あり。詳細は当館HPをご確認ください
  • 入場無料

主な展示史料

(写真2)日本加奈陀間ノ通商ニ関スル条約 英領カナダ側批准書

日本加奈陀間ノ通商ニ関スル条約 英領カナダ側批准書
1906(明治39)年1月31日調印,同年7月12日批准書交換

 日本とカナダ(当時はイギリス自治領)との貿易量が増大したため,日英通商航海条約(1894年締結)のカナダへの適用を決定し,1906年に本条約が結ばれました。本批准書にはイギリス国王エドワード7世の署名が見られ,国璽が収められた蝋缶が附属しています。

(写真3)日清講和条約 清国側批准書

日清講和条約 清国側批准書
1895(明治28)年4月17日調印,同年5月8日批准書交換

 日清戦争の講和条約です。清国側批准書に押された国璽には「皇帝之宝」という漢字が見られます。表紙は,清朝皇帝の象徴である龍の図柄が入った黄色の布地で装丁されています。

(画像4)大日本国西班牙国条約書(修好通商航海条約) 日本側批准書

大日本国西班牙国条約書(修好通商航海条約) 日本側批准書
1868年11月2日(明治元年9月28日)調印
1870年4月8日(明治3年3月8日)批准書交換

 本条約により,日本とスペインは国交を樹立しました。日本側批准書には,明治天皇の御名「睦仁」と国璽,三条実美右大臣の副署が見られます。

(画像5)大日本国西班牙国条約書(修好通商航海条約) スペイン側批准書

大日本国西班牙国条約書(修好通商航海条約) スペイン側批准書
1868年11月2日(明治元年9月28日)調印
1870年4月8日(明治3年3月8日)批准書交換

 スペイン側批准書には,国璽が収められた蝋缶が附属しています。また,摂政であったフランシスコ・セラーノの署名が見られます。

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