サウジアラビア王国
日・サウジアラビア外相会談及び茂木外務大臣とアブドルアジーズ・サウジアラビア・エネルギー大臣との会談
令和2年10月3日


1 日・サウジアラビア外相会談
現地時間10月3日午後1時(日本時間同日午後7時)から約75分間、サウジアラビア王国のリヤドを訪問中の茂木敏充外務大臣は、ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア王国外務大臣(H.H. Prince Faisal bin Farhan AL-SAUD, Minister of Foreign Affairs, the Kingdom of Saudi Arabia)と外相会談及びワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。
- (1)冒頭、茂木大臣から、サウジアラビアが9月23日に建国90周年を迎えたことへの祝意を述べるとともに、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため厳しい措置をとっている中、また休日にもかかわらず訪問を受け入れたことに感謝する旨を述べました。これに対し、ファイサル大臣から、茂木大臣を特別にお迎えできて嬉しい、これはサウジが日本を重視している証左であるとの発言がありました。
- (2)茂木大臣から、油価下落や新型コロナウィルス感染症の拡大を受け、サウジアラビアが進める脱石油、産業多角化に向けた改革の重要性は増しており、「日・サウジ・ビジョン2030」の枠組みの下、日本が官民挙げて改革努力を後押しする姿勢は揺るがない旨を述べました。これに対し、ファイサル大臣から、サウジアラビアとして改革を力強く進めていく、日本との協力は重要であるとの発言があり、両大臣は、引き続き幅広い分野で両国の戦略的パートナーシップを一層強化していくことで一致しました。
- (3)茂木大臣から、日本はサウジアラビアのG20議長国としての取組を高く評価しており、トロイカとしてリヤド・サミットの成功に向けて協力を惜しまない旨述べました。これに対し、ファイサル大臣から、日本からはG20プロセスでも多大な協力をいただいており感謝する旨の発言があり、両大臣は11月のG20リヤド・サミットの成功に向けた協力を確認しました。
- (4)茂木大臣から、菅内閣においても、中東地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けて積極的に外交努力を行っていく姿勢は揺るがないと述べ、ファイサル大臣から日本の外交努力を評価するとの発言がありました。両大臣は、イラン、中東和平始め中東情勢について意見交換を行い、日本とサウジアラビアが、中東地域の平和と安定に向け、引き続き連携していくことで一致しました。
また、両大臣は東シナ海、南シナ海、北朝鮮情勢など東アジア情勢についても意見交換を行い、その中で茂木大臣から拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、ファイサル大臣の支持を得ました。
2 茂木外務大臣とアブドルアジーズ・エネルギー大臣との会談
茂木大臣は、日・サウジアラビア外相会談に先立ち、現地時間10月3日午前11時40分(日本時間同日午後5時40分)から約60分間、アブドルアジーズ・ビン・サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード・サウジアラビア王国エネルギー大臣(H.R.H. Prince Abdulaziz bin Salman bin Abdulaziz AL-SAUD, Minister of Energy, the Kingdom of Saudi Arabia)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- (1)茂木大臣から、サウジアラビアから日本への原油の安定供給に改めて感謝する、新型コロナウィルス感染症の拡大等を受け、サウジアラビアが進める脱石油、産業多角化に向けた改革の重要性は増しており、「日・サウジ・ビジョン2030」の枠組みの下、エネルギー分野を含め、日本が官民挙げて改革努力を後押しする姿勢は揺るがない旨を述べました。また、先般のG20エネルギー大臣会合において、議長を務めたアブドルアジーズ大臣のリーダーシップにより、循環炭素経済への支持やエネルギーシステム強靱化で一致できたことを高く評価する旨述べました。
- (2)これに対し、アブドルアジーズ大臣から、エネルギー分野を基礎とした日本との協力は重要であるとの発言があり、原油の安定供給に向けたコミットメントが改めて示されました。また、日本からのG20プロセスにおける協力に感謝する旨の発言があり、双方は11月のG20リヤド・サミットの成功のため、及びエネルギー分野における二国間関係の更なる強化のため、引き続き協力していくことを確認しました。