寄稿・インタビュー

令和8年1月12日

 日本の茂木敏充外務大臣は、日カタールの協力関係は極めて強固であり、多角的かつ強靭な絆で結ばれていると強調した。その上で、長年の友好関係を礎として、両国が「戦略的パートナー」として一層連携を強化していくことが重要であると述べた。

 カタール国営通信(QNA)のインタビューに応じ、同大臣は、近く予定されているドーハ訪問に際し、日カタールの協力は1972年の外交関係樹立に遡るとし、以来、半世紀以上の歳月をかけて、政治、経済、文化・スポーツなど幅広い分野で両国関係は著しい発展を遂げてきたと述べた。また、今回の訪問は外務大臣として2度目であり、今回の訪問は、二国間の協力と調整の視野を更に広げ、地域情勢や国際情勢の進展を踏まえつつ、地域の平和実現に向けた諸課題を含む重要な経済・政治案件について協議する重要な機会になると述べた。

 さらに、両国の協力関係は極めて強固であり、多角的かつ強靭な絆で結ばれていると改めて表明した上で、長きにわたる友好関係を基盤として「戦略的パートナー」としての協力を一層強化していくことが肝要であると述べた。

 茂木外務大臣は、東京とドーハの長年にわたる伝統的友好関係は1972年の外交関係樹立に遡り、半世紀以上の間に政治、経済、文化・スポーツなど幅広い分野で関係が著しく発展してきたと再確認した。

 さらに、「困難な時にこそ真の友がわかる」という言葉は、まさに両国関係を象徴していると述べ、例えば、日本企業が世界に先駆けてノースフィールドガス田からのLNG受け入れを開始し、カタールの目覚ましい経済発展と繁栄の礎となったことに言及。2011年の東日本大震災の際には、カタールから400万トンのLNG追加供給と1億ドルの支援金を含む多大な支援が寄せられたと述べた。加えて、国際情勢が不安定化した局面では、在留邦人の退避に協力をいただくなど、カタールは常に日本を助け、支えてくれる真の友であり続けてきたとし、日本国民はカタールの友情と連帯の精神を決して忘れないと述べた。

 経済面では、日カタールの二国間協力の中核をなす分野として、両国は相互に発展に寄与してきたとし、日本は天然ガス・プラント開発等を通じて、カタールは日本へのエネルギーの安定供給を通じて、それぞれ貢献してきたと述べた。近年は、エネルギー協力を超えて、インフラ開発など幅広い分野へと経済活動の裾野が広がっていると付言した。

 また、文化面でも、地方間交流、スポーツ交流、学術交流が活発であり、2025年の大阪・関西万博では、カタール館が豊かな文化を示す印象的な展示・パフォーマンスで多くの来場者を魅了したと述べた。さらに、カタールが本年のFIFAワールドカップへの出場を果たしたことに祝意を表し、両国チームの健闘を祈念する旨を述べた。

 同大臣は、日カタールの経済関係は、LNG分野における長年の協力を基盤として発展してきたと指摘。日本は初期段階からカタールのLNGプロジェクトの形成・運営に深く関与するとともに、安定的な引取りを行ってきたと述べた上で、こうした協力は単なる資源取引にとどまらず、信頼に基づく二国間経済関係の基盤を形づくってきたと認識しているとし、今後は、この基盤の上に、LNG関連分野を含む、より付加価値の高い協力が広がっていくことを期待すると述べた。

 エネルギー転換を巡る国際的議論が進む中、安定供給、実装可能性、予見可能性の重要性が改めて認識されつつあると述べ、こうした状況を踏まえ、日本は長期契約、インフラ整備、運営面の知見を活用しつつ、LNGが引き続き果たす役割を重視してアジアにおけるLNG市場の発展に関与してきたと説明。こうした経験を基盤として、重要なパートナーであるカタールと、実務的かつ建設的な対話を一層深めていきたいと述べた。

 さらに、日本は、都市交通、空港、発電・造水といった基幹インフラの分野でも、ドーハ・メトロやハマド国際空港の建設等を含め、カタールの経済発展に貢献してきたとし、最近のカタールから日本への長期投資の動きも踏まえ、今後、エネルギー分野のみならず、より幅広い分野で両国の経済協力がさらに深化していくことを期待すると述べた。

 将来の経済協力の在り方について、同大臣は、産業の高度化や人材育成を重視する「カタール国家ビジョン2030」が示す長期的方向性に日本として強い関心を有していると述べた。日本は、産業構造の変化、人材育成、技術の社会実装に関して豊富な経験を蓄積しており、両国の強みを活かすことで、二国間の経済パートナーシップがより強固で実体的なものになることを期待できると述べた。

 二国間では、既に、閣僚級の戦略対話の下、ビジネス環境整備や投資促進をテーマとする作業部会が設けられているとし、こうした枠組みを通じた実務的な議論は、両国の経済協力関係を具体化するための重要な基盤であり、今後その役割は一層高まっていくと述べた。

 また、カタール投資庁と日本企業との間では、対日直接投資を目的とした長期的な投資協力が生まれてきているとし、日本は海外からの長期的な対日直接投資を重要な成長の要素と位置付けていることから、ビジネス環境・投資環境の整備を通じて、カタールからの対日直接投資が今後も増加し、二国間の経済関係がより強固になっていくことを期待すると述べた。

 さらに、両国間の経済関係を基軸としつつ、協力の地理的範囲がより広く展開していく可能性にも関心を有しているとし、近年、カタールが積極的に進めているアフリカ等第三国における投資や事業展開についても、日本の民間企業が協力できる余地があると述べた。その上で、今後も日カタールの経済関係が、幅広い範囲・分野において進展していくことを期待すると述べた。

 同大臣は、今回の訪問は外務大臣として2度目であり、初訪問は2021年で、日カタール外交関係樹立50周年に際し、外相間の「戦略対話」を初めて実施したと説明した。

 今般の訪問においては、戦略対話において、更なる経済協力を含めた二国間関係について率直な議論を行うほか、直前のイスラエル・パレスチナ訪問を踏まえ、地域の平和と安定に建設的な役割を果たしているカタールと、ガザ情勢を含む様々な国際情勢について協議し、地域及び世界の平和と繁栄に向けていかに連携していくかについて意見交換を行う所存であると述べた。

 また、ムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・ビン・ジャシム・アール=サーニー首相兼外務大臣との間で、忌憚のない意見交換を実施し、今後の更なる協力につなげていきたいと述べた。

 この文脈で、同大臣は、カタールが地域及び国際社会において果たしている重要な役割に言及し、イスラエル・ハマス間の停戦・人質解放をめぐる交渉、米・タリバーン間の和平交渉、米・イラン間の被拘束者交換の交渉などを継続して仲介し、地域の安定に大きく貢献してきたと述べた。日本は、カタールが果たしてきた建設的な役割に対して深い敬意を表し、その外交努力を高く評価するとともに、中東の緊張激化に伴い昨年6月及び9月に攻撃の標的となったカタールに対し連帯の意を表明すると述べた。

 ガザ情勢に関しては、日本として、二国家解決の実現、ひいては中東地域の平和と安定に貢献すべく、ガザの早期の復旧・復興に積極的な役割を果たしていく考えであるとし、この観点から、保健、食料等の分野での人道支援や、がれき処理等の復旧・復興支援を含む、約1.7億ドル規模の新たな支援パッケージを決定したと述べた。

 さらに、日本は「平和を支える取組」3本柱、すなわち(1)ガザの統治メカニズムへの継続的な関与、(2)パレスチナの「国づくり」に向けた包括的な支援、(3)日本独自のイニシアティブである「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」等を通じた支援の輪の拡大を通じて、積極的な役割を果たしていく考えであり、この点において更にカタールとの連携を強化していきたいと述べた。日本として、引き続き、カタールを始めとする関係国と緊密に連携しながら、中東全体の平和と安定に向けて、積極的な役割を果たしていくと表明した。


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