中東

令和7年9月1日
GCC外相との集合写真を撮影する岩屋外務大臣
日・GCC外相会合で発言する岩屋外務大臣
日・GCC外相会合の会場全体の様子

 現地時間9月1日午後1時45分(日本時間同日午後7時45分)から約1時間、クウェート国にて第2回日・湾岸協力理事会(GCC)外相会合が開催され、岩屋毅外務大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭発言

  1. 冒頭、本年のGCC議長国を務めるアブドゥッラー・アリー・アル・ヤフヤ外務大臣(H.E. Abdullah Ali Al-Yahya, Minister of Foreign Affairs of the State of Kuwait)から、GCCを代表して、本会合への岩屋大臣の出席を歓迎する旨、またGCCは日本との協力をあらゆる分野で強化していく用意があり、そのための意見交換を行いたい旨発言がありました。  
  2. これに続き、岩屋大臣から、GCCは地域の安定に益々重要な役割を果たすようになっており、我が国とGCCが人道・開発分野を含めて連携していくことは一層重要になっている旨述べました。また、岩屋大臣から、クリーンエネルギー・素材、先端技術、学術・文化、農業等の分野でもGCCと協力していきたい旨述べつつ、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のビジョンの下で石破内閣総理大臣がTICAD9で提唱した「インド洋・アフリカ経済圏イニシアティブ」の具体化に向けてGCC各国との協力を呼びかけました。  
  3. ブダイウィGCC事務総長(H.E. Mr. Jasem Mohamed Al-Budaiwi, Secretary General, Gulf Cooperation Council)から、近年、日・GCC関係が着実に強化されている旨説明があり、共に人間の尊厳や海洋安全保障を重んじる日本とGCCは更なる協力が可能であり、現在実施中の日・GCC経済連携協定(EPA)交渉の促進とともに、デジタル経済、AI、金融、農業といった分野でも協力を強化していきたい旨述べました。

2 地域・国際情勢

  1. 各国代表は、地域・国際情勢について率直な意見交換を行いました。  
  2. GCC各国代表から、中東情勢の現状認識及び諸懸案の解決に向けて各国が進める取組等が紹介され、日本の対パレスチナ支援や対シリア支援等の貢献及び「二国家解決」への一貫した支持に対する謝意及び評価が示されました。また、中東地域の安定化に向けて日本が一層積極的な役割を果たすことへの期待に加え、日本との連携を強化していく意思が示されました。  
  3. 岩屋大臣からは、イラン核問題の対話を通じた解決、ガザにおける深刻な人道状況の改善及びイエメンのホーシー派による攻撃の完全停止等に向けて、GCC諸国との連携を一層強化していく必要性を強調しました。また、「二国家解決」の実現に向けてGCC各国を含む関係国とも連携したい旨述べました。さらに、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想に基づき、世界のサプライチェーンを支える重要な航路における航行の自由と安全を維持するため、GCC諸国と引き続き協力していくことへの希望を表明しました。

3 閉会

 岩屋大臣から、クウェートをはじめとするGCC各国の代表及びGCC事務総長の温かい歓迎に改めて謝意を述べました。さらに、激動する国際情勢下での法の支配や多国間主義擁護の重要性を強調しつつ、日・GCC経済連携協定(EPA)交渉の早期妥結及び相互理解を深めるための交流強化への期待を表明しました。その後、クウェートのヤフヤ大臣から、日本をはじめとする本外相会合に参加した各国及び関係者への謝意が述べられました。

4 日・GCCランチ

 日・GCC外相会合に続き、岩屋大臣は、GCC各国とのランチに出席しました。


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