クウェート国
石破内閣総理大臣とサバーハ・ハーリド・クウェート国皇太子殿下との会談及びワーキング・ランチ
令和7年5月29日



5月29日、0時25分頃から約45分間、石破茂内閣総理大臣は、訪日中のサバーハ・ハーリド・クウェート国皇太子殿下(H.H. Sheikh Sabah Khalid Al-Hamad Al-Sabah, Crown Prince of the State of Kuwait)と会談を行うとともに、両者の立ち会いの下で協力覚書署名式を行った上で、その後、午後1時15分から約40分間、ワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。
協力覚書署名式においては、両国政府間の電力・水・再生可能エネルギー分野及び外交官研修分野の2件の協力覚書への署名を行ったほか、双方は、今回の訪日の機会に別途両国関連機関の間で直接投資分野、外交官研修及び国際協力分野の3件の協力覚書への署名が行われることを歓迎しました。
- 冒頭
- 冒頭、石破総理大臣から、両国は湾岸戦争と東日本大震災という歴史的な困難に直面した際にお互いに助け合ってきた友人であること、更には、石破総理大臣が防衛庁長官時代にイラクに自衛隊を派遣した際、クウェートから自衛隊に活動拠点の提供があったことにも触れつつ、両国は共に法の支配、多国間主義、人道支援等を重視しており、今般、両国関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」へと格上げし、二国間関係を強化していきたい旨述べました。
- これに対し、サバーハ・ハーリド皇太子は、両国間の歴史的な関係及び湾岸戦争に際する日本からの支援に言及し、今般、両国関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」へと格上げすることに両国間で一致したことは喜ばしく、両国関係を一層強化していきたい旨述べました。
- 二国間関係
- 双方は、大阪・関西万博におけるクウェートのパビリオンについて言及し、今回の万博の機会における両国間の人的交流の更なる活発化への期待を表明しました。
- 石破総理大臣から、クウェートから日本への長年に亘る原油の安定供給に謝意を表明するとともに、クウェートが世界の原油市場の安定化を引き続き主導することへの期待を表明しました。これに対し、サバーハ・ハーリド皇太子は、クウェートは日本に対する原油の安定的な供給及び国際的な原油市場の安定化にコミットしている旨述べました。
- 双方は、日本企業が従来から貢献している電力・造水分野に加え、クリーン・エネルギー及び脱炭素分野においても協力していくことを確認しました。
- 双方は、国連安保理改革に関する政府間交渉(IGN)において、協力していくことを確認しました。
- 双方は、クウェートが本年の湾岸協力理事会(GCC)議長国を務めていることを踏まえ、現在進められている日・GCC・EPA交渉の加速化を始め、日・GCC間で一層協力していくことを確認しました。
- 地域情勢
- 双方は、中東地域情勢について意見交換を行いました。
- 石破総理大臣から、クウェートのガザへの積極的な人道支援やGCC議長国としての役割を通じ、地域の平和と安定において重要な役割を果たしていることに敬意を表明し、双方は「二国間解決」及び長期的な地域の平和と安定に向けて協力していくことを確認しました。
(参考)サバーハ・ハーリド皇太子殿下の訪日中に署名された協力覚書
- 日本外務省とクウェート外務省の間の外交官研修に関する協力覚書
- 日本経済産業省とクウェート電力・水・再生可能エネルギー省との間の電力・水・再生可能エネルギー分野の協力覚書
- 日本貿易振興機構(JETRO)とクウェート直接投資庁の間の直接投資に関する協力覚書
- 日本国際協力機構(JICA)とクウェート・アラブ経済開発基金の間の国際協力に関する協力覚書
- 日本国際協力センター(JICE)とクウェート外務省研修所の間の外交官研修に関する協力覚書