寄稿・インタビュー
岩屋外務大臣のクウェート国営通信(KUNA)への寄稿
日本外務大臣 日・GCC関係強化におけるクウェートの指導的役割を賞賛
クウェート、9月1日(クナ)― 1日、月曜日、岩屋毅外務大臣は、クウェートは、地域・国際的な課題が継続する中、日・GCC関係強化において主導的役割を果たしていると述べた。
第2回日・GCC外相会合に際し、KUNAに対して大臣は次のように語った。
「今般、クウェートに第2回日・GCC外相会合をホストいただくことに深く感謝申します。この貴重な機会に、地域・国際情勢における困難な諸課題の解決に向けた方途について、GCC諸国と真摯かつ率直に意見交換を行い、共に考えていく決意です。」
大臣はさらに、GCCとの協力・連携を拡大する意向について次のように述べた。
「また、日・GCC経済連携協定(EPA)交渉も、早期妥結に向けて着実に進めてまいります。」
「本年、クウェートが湾岸協力理事会(GCC)議長国として精力的にリーダーシップを発揮し、GCCの活発な活動を支えていることに敬意を表します。」と、彼は述べた。
「日・クウェート両国の長年の友好の歴史の中で、今回の訪問を通じ、クウェート国の象徴たるダウ船のごとく大きな帆を張り、二国間関係のみならず、GCCとの協力関係を全体として大きく邁進させる機会にしていく決意です。」と彼は述べた。
クウェートと日本の関係については、「クウェート国政府及び国民の皆様の温かい歓待に感謝します。」と表明し、「『友は困難の時にこそ真の友である』。このアラビアのことわざは、日本とクウェートの関係をよく表しています。」と述べた。
「このような激動する国際情勢の中で、価値を共有する日本とクウェートが法の支配や多国間主義、紛争の平和的解決といった諸原則を擁護していくことが、一層重要になっています。」と大臣は述べた。
「また、ともに海洋国家である日本とクウェートにとり、海洋安全保障は極めて重要です。我々をつなぐ海が自由で開かれていることこそ、地域、さらには世界の平和と安定、そして繁栄のために重要です。このような考えから、我が国は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を一貫して提唱しています。」
「誰もが抑圧されることなく、安心して海の恩恵を得るためには、法の支配が極めて重要です。世界のサプライチェーンを支える航行の自由と安全を維持するために、クウェートとの連携を一層強化していきます。」と、彼は改めて強調した。
中東情勢について、外務大臣は「緊迫した状況が続いている」と述べ、「日本も特にガザにおける危機的な人道状況を深刻に懸念しています。」と付け加えた。
そして、「我が国は現地の人々の苦難を一日も早く和らげるべく、人道支援を含め様々な努力を展開してきています。また、全ての当事者に対し、全ての人質の解放と持続可能な停戦の実現に向けて着実に取り組むよう強く求めています。」と大臣は述べた。
「パレスチナ問題の解決なしに、地域に真の平和は訪れません。」と岩屋大臣は述べ、「二国家解決」を支持する日本の立場は揺るがないと強調した。
「和平プロセスの基盤となる、信頼醸成やパレスチナの経済的自立、パレスチナ自治政府の改革を、今後も支援していきます。」と大臣は述べた。
「我が国はパレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)の枠組みを通じ、東アジア地域の仲間たちの力も得ながら、積極的に取り組んでいます。」と大臣は述べた。
彼は、日本とクウェートは、「公正で永続的かつ包括的な中東地域の平和」に向けて対話を重視している点や、「ガザをめぐる情勢について、全ての当事者に対して国際法の遵守や人道支援の確保を求めている」点において、立場が共通していると述べた。
クウェートと日本の関係に戻り、岩屋大臣は次のように述べた。
「クウェートと日本は、湾岸戦争や東日本大震災といった歴史的困難に直面した際に、お互いに助け合ってきた友人です。」
「2011年の東日本大震災後、クウェートの財政支援により新車両を購入した三陸鉄道では、2021年の震災発生10周年に際し、クウェート国の復興支援に感謝する特別な列車を運行しました。」
「本年5月には、サバーハ・ハーリド・クウェート皇太子が「歴史的な訪問」として訪日し、石破総理大臣との間で、日・クウェート関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」へ格上げすることを発表しました。」
「今後、二国間関係及び国際場裡での連携を、更に強化していきます。」と、外務大臣は述べた。
「現在、日本では、大阪・関西万博が開催されています。進歩や寛容性を象徴する翼を模したクウェートのパビリオンは、大きな人気を博しています。連日多くの日本人が訪れ、クウェートから実際に持ち込まれた砂の展示などを通じ、クウェートを感じ、魅了されています。」と大臣は述べ、「6月19日には、クウェートのナショナルデーイベントも盛大に行われました。」と続けた。
さらに、「万博は、国際的な文化交流を活発化する機会です。」と彼は述べた。
「1970年の大阪万博において会場全体のマスタープランを手掛けた建築家・丹下健三氏は、その後も、在京クウェート大使館やクウェート国際空港の設計を手がけ、日・クウェートの友好関係に大きく寄与しました。」
「今回の万博を通じても、両国民間の交流と相互理解が更に促進され、両国の歴史が新たな章へとつながっていくことを期待しています。同時に、日本政府としても、この機運を活かし、脱炭素やエネルギー、文化交流といった分野における具体的な協力プロジェクト を進めていきたいと考えています。」
「クウェートは、日本にとって世界第三位の原油供給国であり、エネルギー安全保障上の重要なパートナーです。クウェートが、引き続き世界のエネルギー市場においても重要な役割を果たしていくことを期待しています。クウェートのエネルギー資源の安定供給 や、クリーンエネルギーへの移行といった取組を、我が国としても支援していきます。」