クウェート国

令和4年8月5日

 7月31日から8月3日まで、本田太郎外務大臣政務官は、クウェート及びパキスタンを訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。

I クウェート(7月31日~8月1日)

1 政府要人との会談

(1)アフマド外務大臣への表敬

 8月1日、本田政務官はアフマド外務大臣(H.E. Sheikh Dr. Ahmad Nasser Al-Mohammed Al-Sabah, Minister of Foreign Affairs)を表敬し、二国間関係及び地域・国際場裡での協力について意見交換を行いました。
 本田政務官からは、クウェートは日本にとって強固なパートナーであり、両国が湾岸戦争及び東日本大震災という歴史的困難に直面した際にお互いに助け合ってきた友人であることに言及し、両国のエネルギー分野をはじめとする幅広い分野で連携したい旨述べました。また、クウェートが中東地域の融和のための外交を展開し、人道支援等を通じて中東地域の安定化に貢献していることを評価している旨述べました。これに対し、アフマド外務大臣からは、二国間関係の強化及び中東地域の安定化に向けて連携していきたい旨述べました。
 また、双方は、国際原油市場の安定に向けて緊密に連携してくことで一致しました。

アフマド外務大臣と握手をしながら記念撮影を行っている本田政務官
アフマド外務大臣への表敬の様子

(2)ファーリス副首相兼石油大臣への表敬

 8月1日、本田政務官はファーリス副首相兼石油大臣(H.E. Dr. Mohammad Abudullatif Al-Faris, Deputy Prime Minister and Minister of Oil)を表敬し、エネルギー分野を中心とする二国間関係の強化について意見交換を行いました。
 本田政務官からは、クウェートから日本への原油の安定供給に謝意を表明すると共に、昨今の情勢を受けた原油・ガス価格や物価高騰による経済危機につき言及し、国際原油市場の安定にむけたクウェートの主導的な役割を期待する旨述べました。
 ファ―リス石油大臣からは、エネルギー分野に関し、クウェートは OPECプラスの一員として石油市場の安定化に責任を有しており、然るべく対応していきたいとの発言がありました。
 また、双方は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた多様かつ現実的なエネルギートランジションについても意見交換を行い、両国で連携していくことで一致しました。

表敬を前に、ファーリス副首相兼石油大臣と握手をしている本田政務官
ファーリス副首相兼石油大臣への表敬の様子

(3)ザフィーリー外務副大臣との会談

 8月1日、本田政務官は、ザフィーリー外務副大臣(H.E. Ambassador Majdi Ahmad Ebrahim Al-Dhafiri, Deputy Minister of Foreign Affairs)と二国間関係及び地域・国際場裡での協力について意見交換を行いました。
 双方は、自由で開かれたインド太平洋の実現、イラン情勢をはじめとする中東地域情勢、ウクライナ情勢等についても、両国における連携を確認しました。

ザフィーリー外務副大臣と握手を行っている本田政務官
ザフィーリー外務副大臣との会談の様子

2 アル・サーイル・アル・サーイル・グループCEOとの意見交換

 7月31日、本田政務官は、アル・サーイル・アル・サーイル・グループCEO(Mr. Mubarak Naser Al-Sayer, CEO of Al-Sayer Group)と意見交換を行いました。アル・サーイル・グループはクウェート建国以前の1954年からトヨタ自動車の代理店を創業し、不動産、建設、保険業等の事業を行っている企業です。
 双方は、両国のビジネス・経済状況や課題について意見交換を行うとともに、両国間のビジネス・経済を一層推進するための方策について意見交換を行いました。

アル・サーイル・アル・サーイル・グループCEOと記念撮影を行っている本田政務官

3 日本企業関係者との意見交換

 7月31日、本田政務官は、クウェートに進出する日本企業関係者と懇談を行い、日本企業のニーズや経済交流を一層促進するための課題について聴取するとともに、二国間経済関係の更なる発展のための方途につき意見交換を行いました。

II パキスタン(8月2日~8月3日)

1 政府要人との会談

(1)シャリフ首相への表敬

シャリフ首相と会談する本田政務官の様子

 8月3日、本田政務官は、シャリフ首相(H.E. Mr. Mian Muhammad Shehbaz Sharif, Prime Minister)を表敬しました。
 本田政務官から、首相への就任につき祝意を伝達するとともに、安倍元総理の逝去に際するシャリフ首相からの弔意に謝意を述べました。また、日系企業が抱える課題の解決につき支援を要請の上、パキスタンの投資環境改善等を通じ、二国間の経済関係を更に強化していきたい旨述べました。
 これに対し、シャリフ首相から、これまでの日本からパキスタンへの投資及び日本によるパキスタンの社会基盤強化のための経済協力につき謝意が示されるとともに、日系企業が抱える課題の解決に向け積極的に取り組んでいきたい旨述べました。
 また双方は、外交関係樹立70周年を迎える本年に経済関係のほか、文化交流や要人往来等の活発化により、二国間関係を一層強化していくことで一致しました。

(2)カル外務担当国務大臣との会談

カル外務担当国務大臣と会談を行う本田政務官
カル外務担当国務大臣と話しながら歩いている本田政務官

 8月2日、本田政務官は、カル外務担当国務大臣(H.E. Ms. Hina Rabbani Khar, State Minister for Foreign Affairs)と会談を行いました。
 本田政務官から、外交関係樹立70周年を迎える本年に経済、防衛、人的交流といった分野を含め幅広く二国間関係を一層強化していきたい旨述べるとともに、パキスタンはアジアと中東を結ぶ要衝にあり、地域の安定のみならず、国際テロ対策における最重要国の一つであることから、引き続き協力していきたい旨述べました。
 これに対し、カル国務大臣から、現在両国間で様々な分野での協力が進んでおり、二国間関係のモメンタムを更に高めていきたい旨述べるとともに、日本企業によるパキスタンへの更なる投資への希望が示されました。
 さらに両者は、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)やアフガニスタン、ウクライナ等の地域情勢について意見交換を行いました。

(3)マフムード外務次官との面談

会談を前に、マフムード外務次官を記念撮影を行う本田政務官
マフムード外務次官との会談を行っている本田政務官の様子

 8月3日、本田政務官は、マフムード外務次官(Mr. Sohail Mahmood, Foreign Secretary)と会談を行いました。
 本田政務官から、外交関係樹立70周年という節目に、事務レベルの協議から防衛交流まで、幅広い分野において二国間関係を強化するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の実現に向けても緊密に連携していきたい旨述べました。
 これに対し、マフムード外務次官から、パキスタンは日本との関係を大変重視しており、これまでの日本からの投資や経済協力に改めて感謝するとともに、投資環境改善に取り組みつつ、文化交流や要人往来の活発化を通じて、二国間関係を一層強化していきたい旨述べました。
 さらに両者は、アフガニスタンやウクライナ等の地域情勢について意見交換を行いました。

(4)サーディク経済大臣との懇談

サーディク経済大臣と握手している本田政務官
サーディク経済大臣との会談の様子

 8月3日、本田政務官は、無償資金協力案件の署名式への立会い(下記3(2))に先立ち、サーディク経済大臣(H.E. Sardar Ayaz Sadiq, Minister for Economic Affairs)と懇談しました。
 サーディク大臣から、パキスタンに対する日本のこれまでの経済協力に係る取組に謝意を示しつつ、パキスタンの経済発展とともに日・パキスタン間の友好関係の一層の強化に取り組んでいきたい旨述べました。また、パキスタンでは現在も豪雨被害により多くの人々が被害に遭っており、救援活動が続いている中、防災分野における支援は非常に重要と考えている旨述べました。
 これに対し、本田政務官から、日本は災害大国であり水害に見舞われることが多いことに言及した上で、今般の豪雨被害及び救援活動に従事していたヘリの墜落により軍関係者6名が亡くなったことにつき、お見舞いを伝達しました。また、日本はパキスタンへの主要ドナーとして、今後もパキスタンの人々の生活を身近で支える医療・保健、教育、水・衛生、防災などの社会セクターを重視していく旨述べました。

2 企業関係者との意見交換

パキスタン日本ビジネス・フォーラム(PJBF)関係者と懇談を行う本田政務官の様子
パキスタン日本ビジネス・フォーラム(PJBF)関係者と記念撮影を行う本田政務官の様子

 8月2日、本田政務官は、カラチにおいて、パキスタン日本ビジネス・フォーラム(PJBF)関係者と懇談を行い、パキスタンに進出している日本企業が抱える問題について説明を受けるとともに、二国間の経済関係の更なる発展に向けた方途について意見交換を行いました。

3 視察等

(1)ジンナー廟献花

ジンナー廟を訪問する本田政務官の様子
ジンナー廟にて黙祷を行う本田政務官の様子

 8月2日、本田政務官は、カラチにおいて、パキスタン建国の父であり、初代パキスタン総督であるムハンマド・アリー・ジンナーの廟を訪問し、献花を行いました。

(2)無償資金協力「ムルタンにおける下水・排水サービス改善計画」署名式への立会い

署名式に立ち会い、見守る本田政務官の様子
署名式の席に座っている本田政務官の様子

 8月3日、本田政務官は、イスラマバードにおいて、サーディク経済大臣(H.E. Sardar Ayaz Sadiq, Minister for Economic Affairs)とともに、和田駐パキスタン大使とハヤウッディン経済省次官(H.E. Mr. Mian Asad Hayaud Din, Secretary, Ministry of Economic Affairs)との間で行われた無償資金協力「ムルタンにおける下水・排水サービス改善計画」の署名式に立ち会いました。

(3)気象レーダー視察

気象レーダー関係者と記念撮影を行う本田政務官の様子

 8月3日、本田政務官は、イスラマバードにおいて、日本が無償資金協力により整備支援を行っている気象レーダーを視察しました。

気象レーダーを視察する本田政務官の様子
気象レーダーを視察する本田政務官の様子

(4)在留邦人との意見交換

 8月3日、本田政務官は、イスラマバードにおいて、現地に在住する日本人関係者と懇談し、二国間の人的交流を更に活発に行っていくための方途や今後二国間関係の強化を目指すべき分野等について意見交換を行いました。


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