バーレーン王国
石破内閣総理大臣とサルマン・バーレーン王国皇太子兼首相殿下との会談及びワーキング・ディナー
令和7年9月19日



9月19日、午後6時15分頃から約25分間、石破茂内閣総理大臣は、訪日中のサルマン・バーレーン王国皇太子兼首相殿下(H.R.H. Prince Salman bin Hamad Al Khalifa, Crown Prince and Prime Minister of the Kingdom of Bahrain)と会談を行うとともに、双方の立ち会いの下で協力覚書署名式を行った上で、その後、午後6時45分から約60分間、ワーキング・ディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。
双方は、今回の訪日の機会に、両国関連機関の間の特許分野、宇宙分野、公的部門における人材育成分野及びデジタル分野の4件の協力覚書への署名を行ったほか、航空協定に基づく航空当局間枠組みの改定が行われたことを歓迎しました。
1 冒頭
- 冒頭、石破総理大臣から、1934年にバーレーンからの初の石油輸出が日本向けに行われて以来、両国の間には、100年近い友好の歴史があると述べ、サルマン皇太子殿兼首相下を歓迎しました。また、両国は共に法の支配や国連を始めとする多国間主義を支持しており、紛争の平和的解決や人道支援も重視していることに触れつつ、今般、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げしたことは意義深く、今後、二国間関係を一層強化していきたい旨述べました。
- これに対し、サルマン皇太子兼首相殿下は、今般、両国関係を「戦略的パートナーシップ」へと格上げすることに両国間で一致したことは喜ばしく、両国間の多様な分野で協力を拡大していきたい旨述べました。
2 二国間関係
- 双方は、大阪・関西万博におけるバーレーンのパビリオンについて言及し、今回の万博の機会における両国間の人的交流の更なる活発化への期待を表明しました。
- 石破総理大臣から、今月、岩屋外務大臣とザヤーニ外務大臣との間で外相戦略対話を立ち上げ、第1回会合を実施したことに触れつつ、両国の協力関係は、伝統的なエネルギー分野を越えて、政治・安全保障、環境、情報通信、宇宙、文化を含む幅広い分野へと拡大しており、更に二国間関係を進展させたいと述べました。
- 石破総理大臣から、クリーン・エネルギーや交通の分野でも両国の協力が進むことを期待すると述べつつ、日本のスタートアップ企業がバーレーンでの投資事業を拡大させる動きを見せていることを踏まえ、こうした動きを両国政府で後押しし、具体的な協力事業に繋げていきたいと表明しました。
- 双方は、今月初旬にクウェートで開催された日・湾岸協力理事会(GCC)外相会合等の機会を通じて、日・GCC間の協力を強化していくことを確認しました。
- 双方は、現在交渉中の日・GCC経済連携協定(EPA)の早期妥結に向けて協力していくことを確認しました。
3 地域情勢
- 双方は、中東、欧州及びインド太平洋をはじめとする国際情勢について意見交換を行いました。
- 石破総理大臣から、ガザにおけるイスラエルの軍事作戦拡大に深い懸念を表明するとともに、パレスチナが持続可能な形で存在し、イスラエルと共存することが重要であると述べ、双方は「二国家解決」及び長期的な地域の平和と安定に向けて協力していくことを確認しました。
(参考)サルマン皇太子兼首相殿下の訪日中に署名された協力覚書等
- 日本特許庁とバーレーン工業商業省の間の二国間特許審査ハイウェイ(PPH)合意
- 日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)とバーレーン宇宙庁(BSA)との間の宇宙分野に関する協力覚書
- 日本国際協力センター(JICE)とバーレーン人事局(CSB)の間の公的部門における人材育成に関する協力覚書
- 日本国土交通省とバーレーン運輸通信省の間の航空協定に基づく航空当局間枠組みの改正
- 日本デジタル庁とバーレーン情報・電子政府局(iGA)の間のデジタル分野に関する覚書