中東

令和7年7月11日
(写真)パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)閣僚会合の会場
CEAPAD閣僚会合で発言する岩屋外務大臣
(集合写真)CEAPAD閣僚会合参加者

 現地時間7月11日(日本時間同日)、マレーシアの首都クアラルンプールにおいて、「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD:Conference on the Cooperation among East Asian countries for Palestinian Development)」の第四回閣僚級会合が開催されたところ、概要と成果は以下のとおりです。
 同会合は、日本、マレーシア及びパレスチナの三者共催の下、岩屋毅外務大臣、モハマド・ハサン・マレーシア外務大臣(H.E. Dato' Seri Utama Haji Mohamad bin Haji Hasan, Minister of Foreign Affairs, Malaysia)及びエステファン・アントン・サラーメ・パレスチナ計画・国際協力庁長官(H.E. Dr. Estephan Anton Salameh, Minister of Planning and International Cooperation of Palestine)が共同議長を務め、成果文書として共同議長声明及び行動計画を発表しました。

1 会合概要

  1. 日時:7月11日(金曜日)現地時間午後6時10分から約75分
  2. 場所:クアラルンプール・コンベンションセンター
  3. 参加国・地域及び機関:13か国・地域、2機関が参加(閣僚の出席は10名)。
    日本、マレーシア、パレスチナ、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、韓国、ラオス、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、東ティモール、国連パレスチナ難民救済事務所(UNRWA)、イスラム開発銀行

2 議論の概要

  1. ハサン外相から、マレーシアのパレスチナ問題に関する取組と立場について説明があった上で、日本が立ち上げたCEAPADの長年の取組に対する評価が述べられました。その上で、今般の閣僚級会合の開催の重要性が強調されました。
  2. 岩屋大臣から、ガザ情勢を含めパレスチナがかつてない困難に直面し、喫緊の人道ニーズと膨大な早期復旧・復興ニーズが生起する中、日本が2013年に立ち上げたCEAPADの枠組みを通じた連携を活性化し、パレスチナ支援の拡大と手段の多様化を図ることの意義を強調しました。その上で、多様な経験を有する東アジア諸国が、それぞれの強みを活かして、人道支援のみならず、パレスチナの復興や発展の各段階で協力していくことがCEAPADの強みであるとの考えを述べました。また、2023年10月以降の2億3千万ドルに及ぶ日本の対パレスチナ支援の取組に加え、「平和と繁栄の回廊」構想の下、日本が西岸地区で実施する「ジェリコ農産加工団地(JAIP)」の取組の現状を紹介し、「二国家解決」を一貫して支持する立場から、引き続きCEAPADパートナーを含む関係国・機関と連携し、人道支援、早期復旧及び復興支援、パレスチナ自治政府(PA)改革支援において、積極的な役割を果たしていく考えを強調しました。また、ガザにおける停戦の一刻も早い実現を求める旨述べました。
  3. サラーメ長官から、CEAPADの取組を始めとする日本のリーダーシップと長年にわたるパレスチナ支援に対する謝意が述べられ、また、東アジア諸国の多様な支援がパレスチナの国づくりに大きく寄与しているとして、CEAPADを通じた今後の一層の協力に対する期待が示されました。また、ビデオメッセージで参加したムスタファ首相から、ガザ及び西岸でパレスチナが直面する種々の困難についての説明があり、これらは国際社会全体の取組を要する課題であるとした上で、「二国家解決」の重要性が強調されました。
  4. 続いて、参加国・機関から以下の点について言及があったほか、それぞれの強みに基づく今後の対パレスチナ支援の意向が表明されました。
    1. 2023年10月以降のガザ情勢を受けて、日本のリーダーシップによるCEAPAD再活性化の取組と時宜を得た閣僚級会合の開催を高く評価。ホスト国マレーシアの尽力に謝意を表明。
    2. 西岸及びガザにおける情勢の悪化を懸念。特に、ガザにおける人道状況を懸念し、人道支援の全面的な再開を許可し、国連及び人道支援機関が独立して公平に活動できるようにすることを要請。
    3. 停戦の必要性を強調。「二国家解決」を支持。
    4. パレスチナが必要とする人道支援、復旧・復興支援、パレスチナ自治政府(PA)改革支援において、CEAPADを通じた連携を強化し、協力を促進していく。
    5. パレスチナ難民支援において必要不可欠な役割を果たしているUNRWAの活動を支持。

3 成果

 会合の成果として、日本、マレーシア及びパレスチナ三者による共同議長声明が発表されるとともに、パレスチナのニーズと各参加者が強みを活かす支援分野を示すCEAPADIVクアラルンプール行動計画が採択されました。

(参考1)別添

  1. 共同議長声明(英文(PDF)別ウィンドウで開く和文概要(PDF)別ウィンドウで開く
  2. 行動計画(英文(PDF)別ウィンドウで開く和文概要(PDF)別ウィンドウで開く
  3. 岩屋外務大臣による発言(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く

(参考2)パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)

 東アジア諸国のリソースや経済発展の知見を活かしてパレスチナの国づくりを支援すべく、2013年(平成25年)に日本が立ち上げた地域協力枠組。


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