国・地域
第1回日アラブ政治対話
平成29年9月11日



9月11日(月曜日),午後6時半(現地時間,以下同)から約3時間半,エジプトの首都カイロにて,第1回日アラブ政治対話(注)が開催されたところ,概要は以下のとおりです。今回の政治対話は,アブルゲイト・アラブ連盟事務総長がホストし,日本政府を代表して河野太郎外務大臣が出席し,メサヘル・アルジェリア外務大臣と共同議長を務め,共同声明を採択して終了しました。
1 出席者・日程
2 会議の概要
(1)開会セッション
河野外務大臣は,日本の中東政策に関するスピーチを行い,その中で,日本にとって中東は,平和と繁栄の土台であると位置づけ,日本が中東において良き友人として信頼を得てきたことを踏まえ,より一層中東の平和と安定の実現に役割を果たしていくとの意志を表明しました。その上で,(ア)知的・人的貢献,(イ)「人」への投資,(ウ)息の長い取組,(エ)政治的取組の強化,という「河野四箇条」の下,(A)平和と繁栄の回廊」構想のグレードアップ,(B)シナイ半島駐留国籍軍監視団(MFO)への更なる貢献,(C)教育・人材育成分野での協力拡大,(D)政治的取組の強化,(E)難民,人道・安定化に関する新たな支援,の5つの新たなイニシアティブを表明しました。また,その中で,シリア,イラク周辺国の人道危機に対し,新たに約2,500万ドル規模の支援を発表しました(イラク,シリア及び周辺国の人道危機に対する支援(PDF)

(2)ワーキング・セッション
河野大臣から東アジア情勢に言及し,北朝鮮による核実験強行は国際社会に対する正面からの挑戦であり,我が国や国際社会の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であると述べ,国際社会全体で最大限の圧力をかける必要性を強調しました。これに対し,参加者からは,先般の北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射を非難し,核開発は東アジア地域のみならず国際社会の安全を脅かすもので反対する,日本の立場を理解するといった発言がありました。(3)閉会セッション
共同声明が採択され(日アラブ政治対話共同声明(骨子(PDF)

3 会議の評価
(1)今回の政治対話は,中東を日本外交5柱の一つに掲げた河野大臣が中東において政治的役割を強化することを具体的に示す良い機会となりました。
(2)東アジアや中東地域が様々な困難な課題に直面する中,このタイミングで日本とアラブ諸国の外相らが直接対話をし,政治的な文書を発出したことは有意義です。
(3)特に,重大かつ差し迫った脅威となっている北朝鮮情勢に関し,アラブ諸国に直接我が国の考えを説明し,国際社会が一致して圧力を高めていく必要性について理解と支持を得たことは大きな意義があります。
(注)第1回日アラブ政治対話
(2)東アジアや中東地域が様々な困難な課題に直面する中,このタイミングで日本とアラブ諸国の外相らが直接対話をし,政治的な文書を発出したことは有意義です。
(3)特に,重大かつ差し迫った脅威となっている北朝鮮情勢に関し,アラブ諸国に直接我が国の考えを説明し,国際社会が一致して圧力を高めていく必要性について理解と支持を得たことは大きな意義があります。
(注)第1回日アラブ政治対話
- 2013年9月,ニューヨークにおいて,岸田外務大臣(当時)とエルアラビー・アラブ連盟事務総長(当時)が日アラブ協力に関する覚書に署名。日本にとり初となる全アラブ諸国を含む包括的な協力枠組を設立。
- 日アラブ政治対話は,当該覚書上の日アラブ協力の三本柱((1)日アラブ経済フォーラム,(2)日アラブ政治対話及び(3)日アラブ文化教育協力)のうちの一つ。今回が史上初の開催(日アラブ経済フォーラムはこれまで4回開催。)。
- 日アラブ間,地域及び国際の共通の関心事項に関する政治協議の枠組。共通利益に向けて一層の政治協力の機会を見出すことが目的。