外務副大臣・外務大臣政務官
岸外務副大臣のモロッコ、アルジェリア、チュニジア訪問(概要)
1 モロッコ訪問
(1)7日,岸副大臣は,モロッコを訪問し,ムバルカ・ブーアイダ外務・協力大臣付特命大臣(Ms. Mbarka BOUAIDA, Minister Delegate to the Minister of Foreign Affairs and Cooperation)とともに,第3回日モロッコ合同委員会を開催しました。
(2)合同委員会では,国際情勢や二国間関係について幅広く意見交換を行い,岸副大臣より,東アジア情勢や安保理改革について我が国の立場を説明したのに対し,ブーアイダ特命大臣より,地域の安定へのモロッコの貢献が述べられました。
(3)8日,岸副大臣は,カサブランカ近郊にある我が国の無償資金協力により設立された道路保守建設機械訓練センター(IFEER)及び住友電工グループの自動車用ワイヤーハーネス工場を視察しました。同訓練センターは,現在三角協力の拠点として,主に仏語圏アフリカにおける技術者育成の拠点として活用されています。また,ワイヤーハーネス産業はモロッコを代表する産業の一つであり,現地の産業育成と雇用創出に貢献しています。
2 アルジェリア訪問
(1)9日及び10日,岸副大臣は,アルジェリアを訪問し,以下の要人と会談しました。
- アブデルカデル・ベンサラ国民評議会議長(Mr. Abdelkader BENSALAH, President of the Council of the Nation)
- ユーセフ・ユースフィー・エネルギー鉱業大臣(Dr. Youcef YOUSFI, Minister of Energy and Mines)
- ファル-ク・シアリ公共事業大臣(Dr.Farouk CHIALI, Minister of Public Works)
- アブデルマジド・ブゲラ・マグレブ担当特命大臣(Mr. Abdelmadjid BOUGUERRA, Minister Delegate in charge of Maghrebine and African Affairs)
(2)それぞれの会談において,岸副大臣は,昨年1月に発生した在アルジェリア邦人に対するテロ事件について,捜査情報の提供,在留邦人・日系企業の安全確保等を強く要請しました。また,岸副大臣より,北アフリカ・サヘル地域におけるテロとの闘いについて,同国と協力していく姿勢を示すとともに,二国間政治・経済関係の強化についても議論しました。これに対しアルジェリア側は,改めて同テロ事件での犠牲者への弔意を述べ,右テロ事件以降,アルジェリア当局による治安・安全確保対策は強化されている旨説明しました。
3 チュニジア訪問
(1)10日及び11日,岸副大臣は,チュニジアを訪問し,以下の要人と会談しました。
- モンセフ・マルズーキ大統領(Dr. Moncef MARZOUKI, President)
- メヘディ・ジョマア首相(Mr. Mehdi JOMAA, Prime Minister)
- ムスタファ・ベン・ジャアファル制憲国民議会議長(Mr. Mustapha BEN JAAFAR, Speaker of the National Constituent Assembly)
- ファイサル・グイア外務国務長官(Mr. Faysal GOUIA, Secretary of State for Foreign Affairs)
(2)それぞれの会談において,岸副大臣は,1月末の新憲法制定への祝意と民主化プロセスの成功に向けた我が国の期待を述べました。また,岸副大臣は,2013年6月のTICADVにおいてマルズーキ大統領より安倍総理に要請のあったメジェルダ川洪水対策及びラデス火力発電所施設建設に関して,総額約480億円の円借款供与を決定した旨伝えました。これに対しチュニジア側は,革命以降,一貫して我が国が同国の民主化移行を支援していることについて重ねて謝意を示すとともに,民主化移行プロセスの完了に向けた強い決意を述べました。更に,東日本大震災からちょうど3年が経つことを受け,チュニジア側は,改めて被災者への弔意を示し,また,復興に向けた我が国の決意に敬意を表しました。