中南米

令和7年1月24日

 1月17日から23日まで、生稲晃子外務大臣政務官は、ブラジル連邦共和国及びチリ共和国を訪問したところ、概要は次のとおりです。

I ブラジル訪問

1 日系社会関連行事出席

開拓先没者慰霊碑における献花

献花のための黙祷を捧げる生稲外務大臣政務官
献花を行う生稲政務官

 18日、生稲政務官は、ブラジル・サンパウロ市内のイビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑を訪問し、ブラジル日本都道府県人会連合会幹部の案内の下、献花を行いました。

日本館視察

日本館幹部らとともに集合写真の撮影に応じる生稲外務大臣政務官

 18日、生稲政務官は、同じくイビラプエラ公園内の純和風の日本館を訪問し、ブラジル日本文化福祉協会(文協)幹部の案内の下、日伯修好百周年記念碑や、我が国が平成18年に草の根文化無償資金協力にて供与した展示ケースや照明機材が整備・使用されている展示室等を視察しました。

ブラジル日本移民史料館視察

視察する生稲政務官

 18日、生稲政務官は、ブラジル日本文化福祉協会(文協)によって運営されているブラジル日本移民史料館を訪問し、文協幹部から、日本人によるブラジル移住の歴史、移住者の生活の様子、日本人移住者がブラジル農業の発展に果たした役割等について説明を受けつつ、展示を視察しました。

日系団体主催歓迎式典・昼食会出席

挨拶を行う生稲政務官

 18日、生稲政務官は、日系団体(ブラジル日本文化福祉協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、サンパウロ日伯援護協会・日伯福祉援護協会、日伯文化連盟)主催の歓迎式典・昼食会に出席し、挨拶を行いました。
 生稲政務官は、スピーチを行う中で、ブラジルの発展に大きな貢献を果たし、ブラジル社会において確固たる地位を築いている日系社会の方々の存在は、今日の両国の信頼・友好関係の礎となっている旨述べ、日系社会の方々の今までの活躍とブラジルへの貢献に心からの敬意を表しました。また、生稲政務官は、日・ブラジル外交関係樹立130周年を契機とした「日本ブラジル友好交流年」である本年、文化、観光、スポーツなど様々な分野における人的交流を促進していくにあたり、日系社会の方々は重要なパートナーであるとして、共に交流年を盛り上げていきたいと呼びかけました。

2 ジャパン・ハウス サンパウロ(JHSP)訪問

JHSP館内視察

館内視察を行う生稲政務官

 18日、生稲政務官は、ジャパン・ハウス サンパウロ(JHSP)を訪問し、同施設で実施されている展覧会「JAPANESE PRINCIPLES: DESIGN AND RESOURCES」及び「Life that unfolds」のほか、ショップ、レストラン、日本政府観光局(JNTO)ブース等の館内主要エリアを視察しました。

[参考]JHSP現地展覧会「Life that unfolds
 「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024」のメインプログラムとして好評を博した日本を代表する2名の写真家、川内倫子氏及び潮田登久子氏による対話的な写真展がベースとなっており、家庭の何気ない日常的な風景を捉えた4つのシリーズ作品で構成されている。

[参考]JHSP現地展覧会「JAPANESE PRINCIPLES: DESIGN AND RESOURCES
 日本のもったいない精神からインスピレーションを受けた展示会であり、資源の無駄をなくし、最大限に活用する日本の技術と文化を紹介している。稲藁、寒天、漆などの自然素材を使った革新的な製品や紙管を用いた家具、リサイクル素材を活用したサッカーボールやヘルメットなどが展示されている。

JHSP館長等との戦略的協議の実施

館長らとの協議を行う生稲政務官

 18日、生稲政務官は、JHSPにおいて、1月13日に新しく就任したカルロス・ローザ館長(Mr. Carlos Rosa, President, Japan House São Paulo)をはじめとする幹部職員と共に、我が国がJHSPを通じてより効果的な対外発信を行うための方策に関する戦略的協議を行いました。
 生稲政務官は、JHSPで展示された作品がブラジルの8年生向け数学の教科書に掲載されたほか、定期的にJHSPでポルトガル語に翻訳された日本文学について話し合う読書会が開かれている等、JHSPが社会的・教育的インパクトを与えている点、また、「健康寿命」や「森林浴」という日本で注目を浴びている概念を普及させていくために、JHSPを起点としてサンパウロ社会におけるエンゲージメントやムーブメントを広げるための活動が行われている点を高く評価し、日本の多様な魅力を伝えていくべく、更なる取組が進められることを強く期待する旨述べました。
 さらに、生稲政務官は、JHSPを通じて日本のおもてなしの心を伝えるための創意工夫や、JHSP訪問リピート率の向上のための施策等について意見交換を行いました。

[参考]森林浴展示
 JHSPにおいて、擬似的な森林を作り展示の上、「森林浴」の概念について講演会を実施し、QOLを高めるヒントを紹介した。

JHSP認知度向上のためのレセプション出席

レセプション参加者とともに写真撮影に応じる生稲政務官

 18日、生稲政務官は、JHSPの認知度向上のためのレセプションに出席し、挨拶を行いました。
 生稲政務官は、JHSP創設以来7年間で400万人超の訪問者を数えるJHSPは、サンパウロのランドマーク施設として定着しており、ゲストとして出席していたインフルエンサー等の助けを得てより多くの方々がJHSPを訪問するようになってほしい旨述べました。また、生稲政務官は、ローザ新館長のリーダーシップにより、JHSPが日本へのゲートウェイとしてより一層重要な役割を果たすことを強く期待する旨述べました。さらに、生稲政務官は、JHSPのスポンサーとして多くの日本企業、さらに近年は世界的企業からの協賛も得て、同館の活動に対する支援を得ている点にも触れ、謝意を表明するとともに、世界的企業からの注目も高まり協賛企業が増加傾向にある点に言及しました。
 レセプションには、ブラジルで活躍するインフルエンサー、現地メディア関係者、日系団体代表者等に加え、第18回日本国際漫画賞最優秀賞受賞者が出席しました。また、レセプションでは、石川県及び福島県産の日本酒が招待客へ提供されました。

3 国際交流基金サンパウロ日本文化センター訪問

日本文化センターの視察を行う生稲政務官

 18日、生稲政務官は、国際交流基金サンパウロ日本文化センター訪問し、国際交流基金の日本語専門家とブラジルにおける日本語教育の現状と課題について意見交換を行ったほか、同センターに設置されている図書館等を視察しました。

4  日系企業関係者とのワーキングディナーへの出席

日系企業関係者とともに集合写真におさまる生稲政務官

 18日、生稲政務官は、日系企業関係者とのワーキングディナーに出席し、JHSPの活用に関する意見交換を行いました。
 生稲政務官は、JHSPの活動に対する日系企業の協力・支援に対する謝意を表明し、JHSPを通じた対外発信の強化のために日系企業と更に連携を深めていきたい旨述べるとともに、現地の日系企業にもより積極的にJHSPを活用してほしい旨呼びかけました。

II チリ訪問

1 ビニャ・デル・マル国立植物園における記念植樹式典出席

植樹を行う生稲政務官

 19日、生稲政務官は、ビニャ・デル・マル国立植物園を訪問しました。同植物園は、広島の原爆を生き延びたイチョウの種から育てられた木や、桜の木が植えられ、日本との関係が深く、多くのチリ国民にとって憩いの場として親しまれてきましたが、昨年2月に大規模火災により大きな被害を受けました。生稲政務官は、チャウアン・チリ日上院友好議員連盟会長、バルディニ国有林業公社長官、ペイラノ植物園園長、サルバドール農業省バルパライソ事務所長、バルパライソ日系人協会等の同植物園の復興に尽力する方々の同席の下、同植物園の復興の歩みを更に進める思いを込めてこれら出席者と共に、記念植樹を行いました。
 生稲政務官は、記念植樹に際して挨拶を行い、今回植樹した木が日チリ両国の友好の架け橋として、両国関係の更なる発展と共にすくすくと育ち、ビニャ・デル・マル国立植物園が、チリの方々にとり憩いの場であり続けることを期待する旨述べました。

2 チリ政府要人・国会議員との会談

外務大臣代行への表敬

デ・ラ・フエンテ・チリ共和国外務大臣代行と生稲外務大臣政務官

 20日、生稲政務官は、デ・ラ・フエンテ・チリ共和国外務大臣代行(Ms. Gloria DE LA FUENTE González, Acting Minister of Foreign Affairs of the Republic of Chile)への表敬を行いました。
 生稲政務官は、チリは日本と価値や原則を共有する重要な「戦略的パートナー」であり、活発な要人往来と意見交換を通して両国関係は着実に進展している旨述べるとともに、両国の信頼・友好関係を更に強固なものとするため、文化交流を促進するとともに、本年開催が予定されている大阪・関西万博等の機会を捉え、要人往来を含む人的交流を活発化させていくことを確認しました。また、両者は、鉱業、防衛、防災、科学技術等多岐にわたる二国間関係を一層深め、国際場裏でも協力していくことで一致しました。

文化・芸術・遺産大臣への表敬

アレドンド・チリ共和国文化・芸術・遺産大臣と生稲政務官

 20日、生稲政務官は、アレドンド・チリ共和国文化・芸術・遺産大臣(Ms. Carolina Paz Libertad ARREDONDO Marzán, Minister of Cultures, Arts, and Heritage of the Republic of Chile)への表敬を行いました。
 生稲政務官は、第18回日本国際漫画賞において、チリの作品が優秀賞を受賞したことへの祝意を伝えるとともに、チリにおいて、書道や武道といった伝統文化から、漫画・アニメなどのJポップカルチャー、日本食など、幅広い日本文化が多くのチリ人に親しまれていることを大変嬉しく思うとともに、日本文化事業に対するアレドンド文化・芸術・遺産大臣の日頃からの協力に感謝の意を述べました。これに対し、アレドンド文化・芸術・遺産大臣から、両国の関係強化に向けて、引き続き文化事業を始め、多くの分野で協力していきたい旨述べました。

チリ日本友好議員連盟とのワーキングランチへの出席

チリ日本友好議員連盟所属議員らと写真撮影に応じる生稲政務官

 20日、生稲政務官は、チリ共和国上下両院のチリ日本友好議員連盟所属議員らとのワーキングランチに出席しました。
 生稲政務官は、多岐にわたる二国間関係の更なる深化や法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持、強化のために協力していきたい旨述べました。これに対し、チリ日本友好議員連盟所属議員は、チリにおける日本の協力に感謝するとともに、協力関係を一層強化していきたい旨述べました。また、生稲政務官は、両国の友好関係発展への長年の貢献によって、チャウアン・チリ日上院友好議員連盟会長が令和6年秋の外国人叙勲で旭日中授章を受けられることに対し、祝意を述べました。

3 日本語教育関係者、元国費留学生との意見交換

日本語教育関係者とともに集合写真撮影に応じる生稲政務官
帰国留学生会メンバーとの集合写真撮影に応じる生稲政務官

 20日、生稲政務官は、チリの日本語教育関係者からチリにおける日本語教育の現状と課題について説明を受けるとともに、日本語教育環境の更なる改善に向けた意見交換を行いました。その後、生稲政務官は、チリの元国費留学生の会「Monbu Chile(モンブ チレ)」のメンバーと意見交換を行い、日本での留学経験やチリ帰国後の活躍の様子について説明を受け、「Monbu Chile」が継続して日本とチリの友好関係強化に尽力していることに対し謝意を表明しました。


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