中南米

令和8年8月7日

1 総括

 中南米・カリブ地域訪問の全ての日程を終えるにあたり、今回の訪問の成果に関する総括は以下のとおり。

  1. 総論

     各国要人と意見交換を行い、歴史的な信頼関係と、自由、民主主義や法の支配など各国と共有する基本的価値を基盤として、経済・経済安全保障分野を中心に戦略的なパートナーシップを構築・強化していくことを確認した。特に、各国共通の要素として、以下が重要な成果である。

  2. 戦略的連携の確認

     現下の厳しさを増す中東情勢やインド太平洋情勢を念頭に、FOIPの理念に基づく国際秩序の維持・強化に向けた連携を確認できた。特に、我が国が関心を有するインド太平洋の情勢について、我が国の考え、厳しい情勢認識を各国要人に直接インプットするとともに、中南米・カリブ情勢についても意見交換を行った。また、厳しい国際情勢の下、価値や原則を共有する同志国である日本と中南米・カリブ諸国との連携を強化することが極めて重要であるとの認識を共有した。距離は遠くても、日本、そして日本との貿易投資の拡大への期待感が極めて高いことを実感した。

  3. 経済安全保障面での連携

     エネルギー・資源を豊富に有する各国との間で、原油や重要鉱物を含むサプライチェーン強靱化に向けた具体的な協力について意見交換を行い、これまでに構築された緊密な経済関係等を基盤として、今回のハイレベルの対話において、今後のさらなる協力、取組の強化につなげることで一致した。

  4. 経済関係強化

     エネルギー、鉱物資源はじめ、大きな潜在力を有する各国とさらなる貿易投資促進といった経済関係深化や現地に進出する日系企業のビジネス環境整備の方途について具体的に議論できた。また、防災や環境問題などこの地域の課題解決における日本企業の技術や知見の活用を含め、日本企業の活動を一層後押しし、経済面での日本のプレゼンスの更なる強化に向けた重要な足がかりを築くことができた。

 その上で、各国毎の個別の特筆すべき成果は以下のとおり。

2 メキシコ

 サプライチェーンの強靱化等の経済安全保障を含む幅広い分野で戦略的な対話を強化すべく、「日・メキシコ・ハイレベル経済対話」の今年度内の開催を目指すことで一致した。また、大臣から、4月に実施された首脳電話会談において確認された、メキシコからの原油100万バレルの輸入や、日本の省エネ支援にも言及しつつ、エネルギー分野における双方向の協力の継続・強化で一致した。

 クロマグロの漁獲枠に関し、速やかな最終合意に向け協力していくことをベラスコ外務大臣との間で確認した。

3 パナマ

 パナマ運河を巡る状況について意見交換を行い、航行の安全・自由を含む海洋秩序の維持、進化したFOIPが重視する「自律性」及び「強靱性」に裏打ちされた主権の尊重の重要性を確認した。

 マルティネス=アチャ外相から進化したFOIPへの支持が表明され、その下で、パナマ運河をはじめとした重要インフラの機能強化、廃棄物処理等の緊急性の高い様々な分野の課題解決において、日本企業の技術や知見を活用しつつ、官民一体となって具体的な協力を推進していくことで一致した。

4 エクアドル

 エクアドル側からEPAの早期締結について改めて強い期待が示されたことも踏まえ、本年6月に立ち上げた経済貿易委員会の下で、貿易・投資を含む幅広い分野における二国間経済関係の深化の方途について議論を行い、その成果を年内を目途に両外相に報告させ、それを踏まえて、共同研究を立ち上げることを検討する方針を確認した。

 また、日本への原油供給をはじめとするエネルギーや鉱物資源のサプライチェーンの強靱化を含む経済安全保障の分野で一層の協力を進めていくことで一致した。

5 トリニダード・トバゴ

 進化したFOIPの考え方や取組について説明し、その下で、防災や環境、水インフラ整備等の課題解決に加え、同国が産出する天然ガス等のエネルギー分野における協力を具体的に推進していくことを確認した。

 また、2027年から国連安保理非常任理事国を務めるトリニダード・トバゴとの間で、安保理改革を含めた国際場裡における協力を一層強化していくことで一致した。

6 結語

 現在の厳しく複雑な国際情勢において、価値や原則を共有し、グローバル・サウスの一角を占める中南米・カリブ地域の重要性はますます高まっている。同地域との揺るぎない信頼関係を土台に、今回確認した取組を着実に具体化し、戦略的パートナーシップを更に発展させていく。


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