パナマ共和国

令和6年2月23日
コルティソ大統領と握手する上川外務大臣
両国国旗の前で並んで贈呈品を掲げるコルティソ大統領と上川大臣
コルティソ大統領と会談する上川大臣

 現地時間2月23日午前10時00分(日本時間24日午前00時00分)から約45分間、パナマを訪問中の上川陽子外務大臣は、ラウレンティーノ・コルティソ・コーエン・パナマ共和国大統領(H.E. Mr. Laurentino Cortizo Cohen, President of the Republic of Panama)を表敬したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、日・パナマ外交関係樹立120周年の節目にパナマを訪問でき光栄であると述べた上で、価値や原則を共有する伝統的な二国間関係の強化に加え、海洋や女性といった両国が共に力を注ぐ分野での連携を強化したい旨述べました。コルティソ大統領からは、2019年の即位の礼への出席のための訪日の際の思い出を共有し、同訪問は特別であった旨述べるとともに、上川大臣のパナマ訪問を歓迎し、幅広い分野の協力関係を強化したいと述べました。加えて、本23日が天皇誕生日であることへの祝意を述べました。
  2. 上川大臣から、首脳間のメッセージ交換を含め、本年の日・パナマ外交関係樹立120周年が盛大に開幕したことや、日本のパナマの一般旅券所持者に対する短期滞在査証免除措置導入の決定、パナマ首都圏都市交通3号線事業の進展に言及しつつ、本周年を契機として将来に向けて二国間関係を一層強化したい旨述べました。コルティソ大統領から、査証免除に係る日本の決定やパナマ首都圏都市交通3号線事業を含めたJICA(国際協力機構)等によるこれまでの様々な日本の協力に感謝を述べつつ、二国間関係の一層の強化を望む旨述べました。
  3. 上川大臣から、日本はパナマ運河の主要利用国であり、海洋における法の支配や国際公共財としての運河の安全かつ安定的な利用環境の確保等につき、海洋国家同士、「自由で開かれた海洋」の維持・発展のため協力をしていきたいと述べました。これに対しコルティソ大統領から、その点については是非とも共に協力していきたいと思っており、安心していただきたいと述べました。
  4. また、上川大臣から、WPS(Women, Peace and Security)の考え方や意義につき述べた上で、パナマの女性省創設等の取組やジェンダー主流化政策及びビジネスを通じた女性のエンパワメントをテーマとしたJICAの課題別研修へのパナマ旧女性庁行政官の参加等の二国間の協力につき述べました。また、上川大臣から先方に対し、WPSの一貫として、UN Womenを通じた中米移民女性の保護及び紛争防止による社会結束化を図るためのパナマを含む中米3か国を対象とした拠出の決定を伝達しました。これに対しコルティソ大統領は、WPSの意義につき認識を共有するとして、日本の協力への感謝と、一層の連携への期待を述べました。また、両者は女性の活動や登用についての双方の具体的取組につき意見交換を行い、一層の協力を確認しました。加えて、コルティソ大統領は、中米移民の人道的ケアの重要性を指摘し、上川大臣からは、日本が国際機関やメキシコと協力し、これまでも中米移民対策において具体的プロジェクトを通じて取り組んできたことを紹介しました。
  5. コルティソ大統領から、年始の能登半島地震へのパナマ政府及び国民からの哀悼と連帯の意が表され、上川大臣から謝意を述べた上で、被災地の復興を願い、上川大臣から輪島塗の漆のボールペンを贈呈しました。また、コルティソ大統領からも、パナマ運河の通行量の14.5%を日本が占める旨述べつつ、贈呈用の万国両大洋間パナマ運河会社の債権が手交されました。
  6. なお、同表敬には、ジル・デル・カルメン・オテロ・ゲバラ・パナマ共和国外務省多国間事項・国際協力担当次官/外相代行(H.E. Ms. Yill del Carmen Otero Guevara, Viceminister of Multilateral Affairs and Internacional Cooperation of Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Panama / Acting Minister of Foreign Affairs of the Republic of Panama)、ウラジミール・アドルフォ・フランコ・ソウサ・パナマ共和国筆頭外務次官(H.E. Mr. Vladimir Adolfo Franco Sousa, Viceminister of Foreign Affairs of the Republic of Panama)、カルロス・ペレ駐日パナマ共和国特命全権大使(H. E. Mr. Carlos Pere, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the Republic of Panama to Japan)が同席しました。
(参考)国連女性機関(UN Women)を通じた中米における移民危機対応(ジェンダー関連保護ニーズ対応及び社会結束強化)
 中南米地域における難民及び非正規移民の緊急人道ニーズへの対応のため、パナマ、コスタリカ、ホンジュラスにおける20,000人の移民女性に対するジェンダーに配慮した保護サービスを提供し(GBVケア等)、ホスト・コミュニティ及び移民の3500人(男女)が参加するプログラムを通じ、紛争防止を目的とする社会的結束の強化においてジェンダー対応の強化等を実施する事業。

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