中南米

薗浦外務副大臣のトリニダード・トバゴ,セントルシア,スリナム及び ジャマイカ訪問 (結果)

平成29年7月31日

薗浦外務副大臣は,7月24日から27日の日程でカリブ諸国(トリニダード・トバゴ、セントルシア、スリナム及びジャマイカ)を訪問しました。同訪問の概要及び評価は以下のとおりです。

1 トリニダード・トバゴ(7月24日)

(1) トリニダード・トバゴ政府要人との会談

ア モーゼス外務大臣との会談

モーゼス

(ア)薗浦副大臣は,現ローリー政権下での初の政務訪問としてデニス・モーゼス外務 大臣(Senator The Hon Dennis Moses,Minister of Foreign Affairs)と会談しました。
(イ)薗浦副大臣は、防災・環境分野における開発協力や進出日本企業の支援をはじめとする二国間関係,国連安保理改革,北朝鮮のミサイル問題を含むアジア情勢等について我が国の立場を説明し協力を求めました。
(ウ)これに対してモーゼス大臣からは,薗浦副大臣の来訪を歓迎し,日本とは二国間及び国際場裏で引き続き交流・協力を深化させていきたい旨の前向きな発言がありました。

イ スーマーACS事務局長との会談

ACS

(ア)薗浦副大臣は,国連安保理改革や気候変動等の国際場裏での協力にあたり,国連加盟国の13%に当たる25か国の加盟国を抱えるACSを重視している旨述べました。
(イ)ジューン・スーマーACS事務局長(H.E. Ambassador Dr. June Soomer, Secretary General of ACS)からは,日本のカリブ地域に対する協力に謝意を表明するとともに,カリブ諸国の抱える脆弱性)の克服に向けて,引き続き,日本との協力(防災分野等を深化させていきたい旨の発言がありました。
(ウ)なお,今回のスーマー事務局長との会談は,3月のキューバでのACS会議の機会に行われた会談に続き2回目となります。
 
[参考]カリブ諸国連合(ACS)
地域協力及び統合プロセスの強化,カリブ海の環境保護,持続可能な開発の推進を目的とした地域機関。加盟国は中米,カリブ共同体,南米の25か国。

(2)日本企業関係者との懇談

薗浦副大臣は,現地に進出している邦人企業関係者数人を招いて,現地での日常生活,社会状況,企業活動等について懇談を行いました。

2 セントルシア(7月24日)

(1) セントルシア政府要人との会談

ア フロッド=ボブラン財務・経済成長・雇用創出・外務・公共サービス省付大臣との会談

フロッド

(ア)薗浦副大臣は,現シャスネ政権下で日本の政務として初めてセントルシアを訪問し,サラ・フロッド=ボブラン財務・経済成長・雇用創出・外務・公共サービス省付大臣(Hon. Sarah Flood-Beaubrun, Minister in the Ministry of Finance, Economic Growth, Job Creation, External Affairs and Public Service)と会談しました。
(イ)会談では,薗浦副大臣は防災・環境分野における開発協力をはじめとする二国間関係や,国連安保理改革,捕鯨問題等の国際場裏における協力の強化について意見交換を行うとともに,現下のアジア情勢について我が国の立場を説明し支持を求めました。
(ウ)フロッド=ボブラン大臣からは,カリブ諸国の脆弱性の克服のための日本からの協力に謝意が表明されるとともに,引き続き,友好国として日本と様々な分野での交流・協力を深化させていきたい旨の発言がありました。

イ ウォルターズIWCコミッショナーとの会談

IWC

(ア)薗浦副大臣はホリス・ウォルターズ国際捕鯨委員会(IWC)コミッショナー(Mr. Horace Walters, IWC Commissioner)と会談し, IWCでの連携を含む水産分野や,同じ島国として脆弱性を有する気候変動等の分野において,更なる連携の強化を求めました。
(イ)ウォルターズIWCコミッショナーからも,IWCにおける日本との協力関係の深化や,インフラを含めた防災分野での日本の貢献につき要請がありました。

[参考]国際捕鯨委員会(IWC)
国際取締条約に基づき鯨資源の保存及び捕鯨産業の秩序ある発展を目的として設立された国際機関。日本の条約加入は1951年であり,現在の加盟国は88か国。日本を含むアジア,アフリカ,オセアニア地域では捕鯨支持国が多いが,加盟国の7割が反捕鯨国。

(2) JICA関係者との懇談会

JICA

薗浦副大臣はJICAセントルシア事務所を訪問し,JICA関係者との意見交換を行いました。

3 スリナム(7月26日)

(1)スリナム政府要人との会談

ア ボータッセ・スリナム大統領表敬

ボータッセ

(ア)薗浦副大臣は日本政府の政務レベルとして初めてスリナム共和国を訪問し,デシレ・デラーノ・ボータッセ大統領(H.E. Desire Delano Bouterse, President)を表敬しました。
(イ)薗浦副大臣は,気候変動,環境・防災や水産分野での人材育成を始めとする開発協力を含む二国間関係や,国連安保理改革,捕鯨問題等の国際場裏における協力の強化について意見交換を行うとともに,現下の北朝鮮情勢について我が国の立場を説明し支持を求めました。
(ウ)ボータッセ大統領からは,気候変動や水産分野において,日本のような経済大国による支援に期待を表明し,これまでの良好な二国間関係を深化させたい旨,安保理改革や捕鯨についても日本と協力していく旨発言がありました。

イ ポラック=ビゲリ外務大臣及びアルゴ農業・畜産・水産大臣との会談

ポラック

(ア)薗浦副大臣はイエルズ・D・ポラック=ビゲリ外務大臣(H.E. Yldiz D. Pollack-Beighle, Minister of Foreign Affairs)及びソーレシュ・アルゴ農業・畜産・水産大臣(H.E. Soeresh Algoe, Minister of Agriculture, Animal Husbandry and Fisheries)と会談しました。
(イ)会談で,薗浦副大臣は,基本的価値を共有する海洋国家であるスリナムと,気候変動,環境,防災等の分野における連携を一層強化し,水産等の分野でも協力し,人材育成・人物交流を活発化させたい旨述べるとともに,国連安保理改革,捕鯨問題等の国際場裏における協力の強化について意見交換を行いました。
(ウ)ポラック=ビゲリ大臣からは,薗浦副大臣の訪問は両国の新たなパートナーシップを築くものとして歓迎の意を表し,日本の対スリナム開発協力に謝意が表明され,また,農業や漁業,気候変動等の分野において引き続き協力をしていきたい旨発言がありました。
(エ)アルゴ大臣からは,鯨類を含む海洋生物資源の持続可能な利用及び水産分野等の日本の支援に期待が表明されました。

(2) コモウェイナ水産無償施設の視察

水産視察1 水産視察2

薗浦副大臣は,日本の経済協力で建てられたコモウェイナ水産無償施設をアルゴ大臣の案内で視察し,スリナムにおける水産業の実態及び問題点に関して意見交換を行いました。

4 ジャマイカ(7月27日)

(1)ジャマイカ政府要人との会談

ア ジョンソン=スミス外務・貿易大臣との会談

ジョンソン

(ア)薗浦副大臣はカミナ・ジョンソン=スミス外務・貿易大臣(Senator Hon. Kamina Johnson Smith, Minister of Foreign Affairs and Foreign Trade)と会談しました。
(イ)薗浦副大臣は,日・ジャマイカ間の要人往来の活発化を機に,気候変動,環境,防災等の分野での経済協力を継続し,国連安保理改革や捕鯨問題等の国際場裡での協力を一層強化していきたい旨述べました。また,現下の北朝鮮情勢について我が国の立場を説明し支持を求めました。
(ウ)ジョンソン=スミス大臣からは,薗浦副大臣の来訪を歓迎するとともに,同じ島国として気候変動への脆弱性に対する日本の理解と支援に謝意を表明し,安保理改革や海洋資源の持続可能な利用等について国際場裏においても日本と協力を深化させていきたい旨の発言がありました。

イ リード教育・青年・情報大臣との会談

リード

(ア)薗浦副大臣はルエル・B・リード教育・青年・情報大臣(Hon. Ruel B. Reid, Minister of Education, Youth and Information)と会談しました。
(イ)薗浦副大臣は,「日・ジャマイカ・パートナーシップ(J-Jパートナーシップ)」に沿った協力を継続していきたい旨述べ,防災,教育,観光,学術及びスポーツ分野の協力に関して意見交換を行いました。
(ウ)リード大臣からは,本年7月上旬に実りある訪日が出来たことに謝意を表明し,訪日の経験から,防災や科学分野の教育,インフラにおける連結性について,日本の取組を取り入れるような協力を拡大させていきたい旨の発言がありました。

ウ グランジ娯楽・スポーツ・文化・ジェンダー大臣との会談

グランジ

(ア)薗浦副大臣はオリビア・グランジ娯楽・スポーツ・文化・ジェンダー大臣(Hon. Olivia Grange, Minister of Entertainment, Sport, Culture and Gender)と会談しました。
(イ)薗浦副大臣は,スポーツや文化における人物交流を拡大していきたい旨述べました。
(ウ)グランジ大臣からは,陸上競技やボブスレーといったスポーツ分野における日本の様々な協力と交流に謝意を表明し,音楽及びエンターテイメントの分野においても日本と協力をしていきたい旨の発言がありました。

(2)ジャマイカ知的障害協会(JAID)・チュプス(Chups)視察

JAID

薗浦副大臣はジャマイカ知的障害協会(1955年に設立されたNPOで、知的障害者等に対する支援を実施している。)の,特殊支援学校の卒業生に対してアクセサリーのデザインと作成に必要な技能を教える,知的障害者の社会参加を推進するプログラム(チュプス)を視察しました。

(3)日本人会との懇談

薗浦副大臣は,現地日本人会を招いて,現地での日常生活及び社会状況等について懇談を行いました。

5 評価

(1)今回薗浦副大臣が訪問したトリニダード・トバゴ,セントルシア,スリナム及びジャマイカはカリコムに加盟しています。カリコムは14のカリブ諸国からなる地域枠組であり,国連を始めとする国際場裏における一大勢力(国連加盟国の7%)であり,カリコム加盟諸国の首脳,外相及び高級実務者との対話の実施を通じ,相互理解及び多岐にわたる協力を進展させ,信頼関係を構築したことは,今後の二国間関係及び日・カリコム関係においても大変意義があります。

(2)特にスリナムは我が国政務初の訪問であり,ボータッセ大統領を始めとして訪問を歓迎されたほか,カリコムにおける有力国である,トリニダード・トバゴ,セントルシア及びジャマイカでは,最近の政権交代後初の政務訪問となり,それぞれの新政権との間で二国間関係及び多国間の重要な外交課題につきハイレベルでの対話が実施されたことは,「地球儀を俯瞰する外交」を展開する上でも極めて有意義なものとなりました。 

(3)各国からはこれまでの日本の支援,特に脆弱性に着目した支援に対し謝意が表明されるとともに,各国の更なる発展に向けた日本の協力について期待が表明され,今後とも,二国間関係を一層の強化することで一致しました。

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