主な要人の来日日程

グリアOECD事務総長の訪日
(概要と評価)

平成18年7月23日

 グリアOECD事務総長は、7月19~23日、外務省賓客として訪日したところ、同訪日の概要と評価は以下のとおり。

ポイント

  • 事務総長(本年6月1日就任)として初の訪問。小泉総理、角田参議院副議長を表敬したほか、主要閣僚、産業界との会談等を通じ、我が国とOECDの関係強化に努めた。(総理との会談では、郵政改革についても意見交換。)
  • 滞在中、20日にOECD対日経済審査の結果を公表。日本経済は構造改革の結果、不況を脱したと評価し、財政再建、格差等の課題に言及。
  • 麻生外務大臣は、OECD東京政策フォーラムでの基調講演及び事務総長との会談を通じ、OECDに期待する役割(OECDが比較優位を持つ活動、対アジア活動、新興経済の国際ルールへの取り込みの強化等)を指摘。グリア事務総長は、これまでの我が国の人的・財政的な支援に謝意を示すとともに、今後特に「水」「保健」「移民」等に注力したいとの考えを示した。

1.概要

(1)アンヘル・グリアOECD(経済協力開発機構)事務総長は、7月19日(水曜日)から7月23日(日曜日)までの間、外務省賓客として来日した。同氏が6月1日にOECD事務総長に就任後、初の来日となった。

(2)グリア事務総長は、今次訪日の機会をとらえ、小泉総理、角田参議院副議長を表敬したほか、麻生太郎外務大臣との会談、我が国政府要人及び経済関係者等との間で意見交換を行った(意見交換をした閣僚等:与謝野金融・経済財政政策担当大臣、猪口少子化・男女共同参画担当大臣、谷垣財務大臣、川崎厚生労働大臣、中川農林水産大臣、二階経済産業大臣、舛添参議院外交防衛委員長。)。

(3)産業界との関係では、御手洗・日本経団連会長との懇談等を行ったほか、日本-OECD経済諮問委員会(BIAC)年次総会に出席し、意見交換を行った。

(4)また、訪日の機会に、OECD東京センターと外務省、経産省他が共同主催してOECD東京政策フォーラムを開催。開会セッションにて基調講演を行った。同じセッションで、麻生外務大臣も基調講演をした。

2.評価

(1)既にグリア氏が有する我が国における人脈に加え、政府要人、国会、経済関係者等との関係を更に強化した。

(2)我が国としてOECDに期待する役割(OECDが比較優位を持つ活動の強化、対アジア活動の強化、新興経済の国際ルールへの取り込み等)について事務総長の理解を深めることができた。

(3)OECDの活動に関するフォーラムや記者会見等を開催し、OECDの活動やグリア新事務総長の考え方について産業界、学術界、マスコミ関係者等に対して情報発信することにより、OECDについての国内における理解を高める一助となった。とりわけ、グリア事務総長が出席して行った「OECD東京政策フォーラム」には、麻生外務大臣、二階経産大臣も出席するなど、国内関係者の関心を改めて喚起する契機となった。

(4)同事務総長の訪日に合わせOECD対日経済審査報告書が公表され、その中で、(イ)バブル崩壊後の負の遺産を克服し、10年に及ぶ不況から脱した、景気回復は2007年も継続、との評価があり、(ロ)他方、新たな課題(新たな金融政策の実行、財政健全化、所得格差問題、イノベーションの促進、世界経済への更なる統合)に直面しているとの指摘があった。関係各方面との会談においては、同報告の内容を踏まえた意見交換がなされた。

(5)総理との会談では、総理より郵政改革の経緯を説明し、グリア事務総長からは、郵政改革は政治的意志と良い政策の組合せの事例だと述べた。

(6)OECDが扱っている諸活動のうち、産業界の関心が高い分野(例えば税制、イノベーション、非加盟国のビジネス環境改善、知財権保護、贈賄、環境等)について、わが国産業界の考え方を事務総長に伝えることができた。

(参考)グリア事務総長訪日の主要日程

グリア事務総長訪日の主要日程
日付 時間 予定
7月20日 午前 記者会見
OECD東京政策フォーラム第一部「開発のための投資」
午後 与謝野金融経済財政政策担当大臣との会談
小泉総理表敬
御手洗経団連会長表敬、日本経団連OECD諮問委員会との懇談
中川農林水産大臣との会談
OECDフレンズ・レセプション
7月21日 午前 角田参議院副議長表敬
舛添参議院外交防衛委員長・同理事との懇談
日本外国特派員協会との懇談、記者会見
午後 OECD東京政策フォーラム第二部「グローバル化における先進国の役割」
二階経済産業大臣との会談
川崎厚生労働大臣との会談
谷垣財務大臣との会談
猪口少子化・男女共同参画担当大臣との会談
麻生大臣との会談、麻生大臣主催夕食会
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