野田佳彦総理は,4月29日(日曜日)18時15分頃から19時頃まで,駐米大使公邸内において開催された総理を囲む懇談において,東日本大震災に際して日本を支援して下さった方々も含めこれまで日米関係の強化に尽力してきた功労者の方々と懇談を行ったところ,冒頭の野田総理による挨拶の概要は以下のとおりです。
なお,本行事への主な被招待者は,震災に際して日本で活動したフェアファックス郡捜索救助隊や国防脅威削減庁の隊員,米軍関係者,震災の犠牲になったJET参加者テイラー・アンダーソンさんのご家族,ホワイトハウス・国務省・国防省を始めとする米政府関係者,米議会関係者,日米桜寄贈百周年事業関係者,日系人関係者,その他日米関係強化への功労者です。
<野田総理による挨拶(概要)>
- この場に立ち,何よりも光栄に感じることがある。それは,太平洋の向こう側にいる「真のトモダチ」の姿を実際にこの目で拝見できたこと。
- 皆様に何よりお伝えしたいことは,東日本大震災に際して米国から寄せられた支援に対する,日本の「感謝の心」。この場を借り,皆様にその強い思いをきちんとお伝えしたい。
- 類を見ない大規模な「トモダチ作戦」を展開してくれた米軍が被災地に届けてくれたのは,「支援による温もり」だけでなく,「困難に立ち向かう勇気」。
- 原子力規制委員会やエネルギー省,国防脅威削減庁,さらに24時間体制で関係機関の調整役を担った国務省のチーム,そしてフェアファックス郡とロサンゼルス市のレスキュー隊。支援に立ち上がった関係者は枚挙に暇がない。
- 被災地への惜しみない支援の輪は,全米各地の市民に広がった。これは,草の根で育んできた日米の市民レベルでの絆の賜。
- 官民共同の「トモダチ・イニシアティブ」によって,先日,震災で家族と家を失った一人の女子高校生が米国に留学することが決まった。彼女は「今度は自分が誰かにチャンスを与えるようになりたい」と述べている。「感謝」が「恩返し」となり,より強く結びついていく日米関係の未来を予兆しているように思える。
- 大震災の犠牲者に,日本滞在中の米国人もいることを忘れてはならない。JETプログラムで英語指導助手として訪日し,日米の「懸け橋」として,多くの子供たちを愛し,愛されていた二人の先生も犠牲になった。石巻市で教えていたテイラー・アンダーソンさんもその一人。日米の心と心を繋ぐ彼らの遺志は,教え子達に引き継がれ,永遠に生き続けると確信。
- 今年は,ポトマック河畔に桜が寄贈されて百周年の節目。以来,日米は太平洋を挟んで美しい「春」の訪れを共有してきた。国と国の関係は,ときに「ガーデニング」に例えられる。美しい花を咲かせるためには,日々の「土作り」や「水やり」が欠かせない。私としても,日米関係により美しい花を咲かせるため,先頭に立って「土作り」や「水やり」に努力していくことを誓い,感謝の言葉とさせていただく。