総理大臣

クリントン米国務長官による野田総理大臣表敬(概要)

平成24年9月8日

  • (写真)クリントン米国務長官と握手する野田総理
    (写真提供:内閣広報室)
  • (写真)クリントン米国務長官と意見交換を行う野田総理
    (写真提供:内閣広報室)

 8日午後7時30分頃(現地時間)から約55分間,APEC首脳会議出席のためロシア・ウラジオストクを訪問中の野田総理大臣は,クリントン米国務長官の表敬を受けたところ,やりとり概要以下のとおり(先方:ホーマッツ国務次官,キャンベル国務次官補,ラッセルNSCアジア上級部長,サリバン国務省政策企画部長他,当方:玄葉外務大臣,齋藤官房副長官,長島総理補佐官,別所外務審議官,西宮外務審議官他同席)。

1 アジア太平洋地域情勢

(1)総論

 両者は,クリントン国務長官の先般の訪中についての話も踏まえ,アジア太平洋地域情勢について,率直な意見交換を行った。

(2)朝鮮半島

 両者は,北朝鮮問題を含む現下の東アジアの安全保障情勢を考えた時,日韓,日米韓の協力は引き続き重要であるとの認識を共有した。その上で,野田総理からは,日韓間では難しい問題があるが,韓国側には冷静に対応するよう呼びかけている旨述べ,竹島問題については,法に則り,冷静,公正かつ平和的に解決することが重要との我が国の考えを伝えた。

2 日米関係

(1)安全保障

 両者は厳しい地域の安全保障環境の中,日米同盟が地域の安定にとって重要であるとの認識で一致した。
 また,両者は,幅広い分野における安保・防衛協力を更に推進していくことで一致するとともに,在日米軍再編に関し,今年4月の「2+2」共同発表に従って年内に所期の成果を上げることができるよう,協力を加速していくことで一致した。
オスプレイに関しては,野田総理から,安全性に対する我が国国内における懸念は引き続き極めて高く,国民,とりわけ地元の懸念に可能な限り応えることが重要である旨指摘し,引き続き米側の理解と協力を得たい旨述べた。

(2)東日本大震災に伴う洋上漂流物

 野田総理からクリントン国務長官に対し,漂流物が現在北米西海岸に接近及び漂着しつつあり,この秋にも大量漂着する可能性があることに憂慮の念を示すとともに,今般,日本政府として米国に対し,善意に基づく見舞金として総額500万米ドルの資金供与を行うこととした旨伝えた。これに対し,クリントン長官から,歓迎の意が表された。
なお,野田総理は,本件は自然災害であり,日本に国際法上の責任が生じるわけではないが,我が国からの漂流物であり,日本として,米国・カナダ両国に対し,善意に基づいて資金供与することとした旨説明した。

(3)日米経済

(ア)TPP

 両者は,日米双方の努力により,TPP交渉参加に向けた日米間の協議を更に前進させていくとの認識を共有した。

(イ)米国産牛肉輸入問題

 野田総理より,9月5日の食品安全委員会での審議において,月齢制限の見直し等についての評価結果(答申)案が了承された旨紹介した。

(4)子の親権

 クリントン長官から,ハーグ条約についての日本の国会での検討状況について関心の表明があった。

3 その他

(1)中東

 クリントン長官から,イランおよびシリアの問題について日米が緊密に協力していることに関し,米側は評価している旨述べた。

(2)エネルギー政策

 クリントン長官から,我が国のエネルギー政策に関して関心が表明され,野田総理から,現在,新たなエネルギー戦略を取りまとめているところである旨述べた。


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