総理大臣

日米首脳会談(概要)

平成23年11月18日

  • 日米首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)
  • 日米首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)

 12日午後0時過ぎ(現地時間)から約55分間,APEC首脳会議に出席するため米国・ホノルルを訪問中の野田総理大臣は,オバマ大統領との間で日米首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。

1 冒頭

 冒頭,オバマ大統領から,野田総理と以前お会いした際にその素晴らしいヴィジョンに大変印象づけられていた,日米同盟は米国のアジア太平洋地域における礎であり,その強固な関係は,アジアのみならず世界にとっても大変重要である,日本の大地震・津波災害からの復興に対して米国民は日本の人々と共にあり,自分(オバマ大統領)はいかなる支援も惜しまない旨の発言があった。
 これを受け,野田総理から,34年振りにホノルルを訪問し,今朝国立太平洋記念墓地において献花した際に市内を見渡すことができ,この美しい所でAPECの議長としてオバマ大統領におもてなしいただくことを感謝する,アジア太平洋における米国のプレゼンスが高まっていることに非常に勇気づけられている,この地域における経済のルールや安全保障秩序の構築などに日米両国が緊密に連携していきたい旨述べた。
また,オバマ大統領から,ご入院中の天皇陛下が,早くご回復されるようお見舞いの言葉があった。

2 経済

(1)APEC
 野田総理から,イノベーションやグリーン成長などで具体的な成果を目指したオバマ大統領のイニシアティブを高く評価する旨述べ,両首脳は,アジア太平洋地域の経済統合実現のため,APECを通じた協力を日米で共に進めていくことで一致した。オバマ大統領からは,昨年の横浜APEC以来の日本の取組や米国との協力に対し評価があった。

(2)環太平洋経済連携(TPP)協定
野田総理から,今般,日本政府として,TPP交渉参加に向けて,関係国との協議に入ることとした,一年前の横浜APECでの日米首脳会談以降,東日本大震災があり,慎重論も強かったが,日本を再生し,豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り拓くため,自分自身が判断した,昨年11月に決定した「包括的経済連携に関する基本方針」に基づき高いレベルの経済連携を進めていく,今後交渉参加に向けて米国をはじめとする関係国との協議を進めたく,オバマ大統領の協力を得たい旨を伝えた。
 オバマ大統領からは,日本の決定を歓迎するとともに,今後の協議の中で日本側と協力していきたい旨の発言があった。
(3)牛肉輸入問題
 オバマ大統領から,牛肉問題に進展が見られることを歓迎するとしつつ,科学に基づき解決されるべきだという従来の立場につき表明があった。
野田総理からは,今般,BSE対策全般の再評価を行うこととし,食品安全委員会への諮問の準備を開始した旨説明した。

3 安全保障

 野田総理から,アジア太平洋地域における米国のプレゼンスを維持・強化するとの強いコミットメントを高く評価している旨述べ,両首脳は,今後も安保・防衛協力を幅広い分野で着実に進めていくことで一致した。
 また,普天間飛行場の移設については,野田総理から,内閣を挙げて取り組んでおり,環境影響評価書を年内に提出する準備を進めている,米側からもグアム移転の着実な進展を含む沖縄の負担軽減について全面的な協力を得たい旨述べた。

4 アジア太平洋地域情勢

(1)EAS
 野田総理から,EASを,地域の共通理念や基本的なルールを確認し,具体的協力につなげる首脳主導のフォーラムとして発展させたい旨述べ,両首脳は,EASを地域の政治や安全保障の課題を扱う主要なフォーラムにすべきとの点で一致し,引き続き日米両国で連携していくことを確認した。

(2)北朝鮮
 野田総理から,北朝鮮による具体的行動を引き出すことこそが重要であると指摘の上,両首脳は引き続き日米韓の緊密な連携を維持すべきとの点で一致した。また,野田総理より,先般の米朝対話において拉致問題に言及いただいことに感謝する旨述べた。

5 その他の課題

子の親権
 ハーグ条約について,野田総理から,国内担保法案と共に来年の通常国会に提出することを目指し,引き続き作業を進めている旨述べた。
オバマ大統領から,日本側の取組を評価する旨の発言があった。

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