本15日(木曜日)16時50分から約10分間,野田佳彦内閣総理大臣は,総理大臣官邸において,我が国を訪問中のパスカル・ラミー世界貿易機関(WTO)事務局長(H.E. Mr. Pascal Lamy, Director General of WTO)の表敬訪問を受けたところ,概要は以下のとおりです(先方:ワンWTO事務局長官房参事官他,日本側:長浜官房副長官,長島総理補佐官他同席)。
- WTO体制へのコミットメント
冒頭,野田総理より,ラミー事務局長の来日を歓迎するとともに,WTOドーハ・ラウンド交渉(DDA)が膠着する等、WTO体制は困難に直面しているが、その重要性は不変であり,我が国の同体制への強いコミットメントは揺らがない旨述べました。
これに対しラミー事務局長より,これまで我が国がWTO体制において果たした役割を高く評価するとともに,現在WTOにおいて行われている様々な取組において,我が国に引き続き積極的な役割を果たしてほしい旨,また,現在,様々な場で進められている国際貿易に関するルール作りにおいては,我が国がいかなる姿勢を示すかが極めて重要であり,注目している旨述べました。
これに対し野田総理より,大震災で多くの国から支援をいただき,我が国が国際社会で行ってきたことは正しかったと再認識した,今後とも,貿易に関するルール作りを含め,国際社会においてイニシアティブを発揮していきたい旨述べました。 - 風評被害
野田総理より,震災から1年,我が国は,科学的根拠に基づいて食品の安全性を確保しているが,依然として,我が国食品に対する厳しい輸入制限を実施している国も多い旨指摘し,ラミー事務局長に対し,ルールに則った公正な取扱いを呼びかけるよう要請しました。これに対し,同事務局長からは,WTOはまさにそのような問題を解決する場であり,積極的に活用してほしい,もしそのプロセス等に問題があれば,事務局長としても役割を果たしたい旨述べました。