(写真提供:内閣広報室)
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本22日(木曜日)午後5時半から約30分間,野田佳彦総理大臣は総理官邸において,国賓として来日中のシェイク・サバーハ・アル・アハマド・アル・ジャービル・アル・サバーハ・クウェート国首長(H.H. Sheikh Sabah Al-Ahmad Al-Jaber AL-SABAH, Amir of the State of Kuwait)と会談しました。引き続き,野田総理大臣とサバーハ首長は日クウェート投資協定の署名に立ち会い,その後,野田総理大臣は,同首長を招いて夕食会を開催したところ,概要は以下のとおりです。なお,日本側から,枝野経済産業大臣,長浜内閣官房副長官,山根外務副大臣,長島総理補佐官,小溝駐クウェート大使ほか,クウェート側から,サバーハ・アル・ハーリド副首相兼外務大臣兼内閣担当国務大臣,シマーリ副首相兼財務大臣,サーレハ商工大臣,フセイン石油大臣,オタイビ駐日大使ほかが同席しました。
- 二国間関係
(1)冒頭,野田総理大臣から,東日本大震災に際し,サバーハ首長自身のイニシアティブにより,500万バレルの原油を無償供与いただいたこと,アクアマリンふくしまに300万ドル,日本赤十字社に200万ドルの寄付を表明いただいたことに感謝する,クウェートからの支援は,岩手,福島,宮城の三県の復興支援に有効に役立てられている旨述べました。また,野田総理大臣は,昨年は,日クウェート外交関係樹立50周年であったことから,これを機に,幅広い分野で二国間関係を重層的に発展させたい旨述べました。
これに対し,サバーハ首長から,東日本大震災の被災者に改めてお見舞い申し上げる,一刻も早い復興を願う,クウェートとイラクとの戦争時の日本の貢献に改めて感謝する,日クウェート関係を政治,経済,文化等の様々な分野で発展させたい旨述べました。
(2)野田総理大臣から,クウェートが,独立後,他の湾岸諸国に先駆けて,湾岸地域の民主化に主導的な役割を果たしてきたことを高く評価する旨述べ,双方は,共に中東地域の民主化,平和及び安定に向けて貢献することで一致しました。
(3)野田総理大臣から,クウェートによる原油の長期にわたる安定供給に感謝する,引き続き,日本が必要とする原油の供給をお願いしたい旨述べたところ,サバーハ首長から,クウェートの原油輸出は全ての国のためのものであり,原油を巡る情勢の安定のためにも引き続き原油を供給していく旨述べました。
双方は,太陽熱複合発電を含め,省エネルギーや再生可能エネルギー分野での二国間協力をより一層拡大することで一致しました。
(4)双方は,日クウェート投資協定の署名を機に両国間の投資がより一層活発になることを希望することで一致し,租税条約については,サバーハ首長より,早期発効に向け努力していく旨述べました。また,双方は,日GCC・FTA交渉の早期妥結の必要性を共有しました。
野田総理大臣から,クウェートでは,大規模なインフラ需要があるため,電力や水等,日本企業が有する高い技術・ノウハウを御活用いただきたい旨述べたところ,サバーハ首長は,クウェートにおける日本企業の活動・貢献を評価している旨述べました。
また,野田総理大臣から,日本企業参入の障壁となっているオフセット・プログラムの見直しを求めたところ,サバーハ首長からは,その見直しを検討する旨述べました。
(5)双方は,福島第一原発事故の経験・教訓をクウェートとも共有することで一致しました。また,双方は,地域の安全保障環境が大きく変化する中,今後は,海上安全保障を含む安全保障分野での対話を行い,また,教育,ナノテクノロジー等の科学研究,環境保全,国際医療交流等の分野でも関係を発展させることで一致しました。 - 地域情勢
野田総理大臣とサバーハ首長は,会談に引き続いての夕食会において,イランの核問題,シリア情勢など,中東・北アフリカ情勢等について率直な意見交換を行いました。