総理大臣

菅総理とバイデン米副大統領の会談(概要)

平成23年8月23日

  • (写真)菅総理とバイデン米副大統領の会談
    (写真提供: 内閣広報室)
  • (写真)菅総理とバイデン米副大統領の会談
    (写真提供: 内閣広報室)

 23日(火曜日)11時15分から約1時間,菅総理大臣は,来日中のバイデン米副大統領との間で会談を行ったところ,概要以下のとおり。(米側:ルース駐日大使,ブリンケン副大統領補佐官,ラッセルNSCアジア上級部長ほか,日本側:枝野官房長官,松本外務大臣,福山官房副長官,藤崎駐米大使ほか同席)。

1.冒頭発言・復興支援

 冒頭,菅総理から,バイデン副大統領の来日を心から歓迎する,特に3月11日以降の米国による「トモダチ作戦」等を通じた支援を頂いたことに日本国民を代表して御礼を言いたい,午後に予定される副大統領の仙台訪問は,米国をはじめとする諸外国からの支援により被災地も元気になっており,経済や観光の面でも正常に戻っていることを内外に示す絶好の機会であり感謝したい旨述べた。
 これに対し,バイデン副大統領から,日本側のもてなしに感謝する,今次訪日の目的は2つある,一つ目は日本国民に東日本大震災のお見舞いを申し上げることであり,震災に直面した日本国民の態度に感銘を受けた,日本国民が示した決意や勇気は世界の模範である,日本は米国に謝意を示す必要はない,なぜなら米国で同じことが起きれば日本は米国と同じように支援するからである,一つ後悔していることがあるとすれば,もっと日本を支援できなかったかということである旨述べた。続いて,二つ目の目的は,今回は中国の胡錦濤国家主席と習近平副主席から招待を受け訪中し,習副主席との関係を深めることができた一方で,日本は米国と共にアジア太平洋国家であると同時に同盟国であり,日本の経済力,政治力は大変に価値があるものであることを示すことである旨述べた。

2.日米関係

(1)総論
  菅総理から,1年2ヶ月の総理就任期間にオバマ大統領と計4回の首脳会談を実施し,日米関係の重要性を確認することができた,本年5月のフランス・ドーヴィルでの首脳会談では9月前半の訪米招待を頂き有り難く思った,その後日本国内の政治情勢を踏まえ,訪米できなくなったことは残念である旨述べた。
(2)経済
  菅総理から,米国内で債務上限引上げ法案が成立したことを歓迎する,バイデン副大統領は本法案成立に向け中心的な役割を果たしたと承知しており,世界経済が安定することを期待する旨述べた。 また,菅総理から,TPPについては震災の影響により検討が遅れたが,総合的に検討の上,できるだけ早期に判断したいというのが政府の方針である旨述べるとともに,APECにつき,昨年議長を務めた我が国の経験を生かし米国APECの成功に向けて緊密に協力していきたい旨述べた。
(3)安全保障
  菅総理から,先般の「2+2」では,新たな共通の戦略目標や具体的な安保・防衛協力の方向性など日米同盟の強固さを内外に示すことができた,在日米軍の再編について日米合意に従って,しっかりやっていきたい旨述べた。 これに対し,バイデン副大統領から,米軍再編は日米合意に沿ってしっかりやっていくことが重要である旨述べた。
(4)震災復興
  菅総理から,現在は復旧から復興の段階にあり,政府としては米国をはじめ諸外国の活力も取り込みながら「世界に開かれた復興」を進めていきたい,日米間では4月に発表した官民パートナーシップの下で日本経済の信認強化に繋がる取組が進んでおり,副大統領におかれても日本の復活を内外にアピールしていただければ有り難い旨述べた。
(5)文化・人材交流
  菅総理から,今後の日米同盟の基盤を支える若者の交流や来年の日米桜寄贈100周年事業を通じた日米交流にしっかりと取り組んでいきたい旨述べた。

3.アジア太平洋地域情勢

(1)中国
  菅総理から,日中関係は改善の軌道にある,来年の国交正常化40周年もうまく活用し「戦略的互恵関係」を深めていきたい旨述べた。
  これに対し,バイデン副大統領から,今次訪中の紹介があり,中国側指導者と良い会談ができたと説明があった。
(2)EAS
  菅総理から,本年11月の東アジア首脳会議(EAS)へのオバマ大統領の初参加を歓迎する,こうした場でも日米間で連携し協力につなげていきたい旨述べた。
(3)北朝鮮
  菅総理から,北朝鮮問題については日米韓で引き続き緊密に連携して対応したい,拉致問題に対する米国の支持に感謝し,また,今後も支持の継続をお願いしたい,同時にウラン濃縮活動の停止を含め北朝鮮による具体的行動を引き続き求めていきたい旨述べた。
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