本4日(水曜日)午後6時頃から約30分間,菅直人総理大臣は,潘基文(パン・ギムン)国際連合事務総長と会談を行い,引き続き約20分間,共同記者発表を行ったところ,概要は以下のとおりです。
- 冒頭,菅総理から,潘事務総長が国連事務総長として初めて,広島平和記念式典に出席するとともに,長崎を訪問することについて,国民を代表して心からの歓迎の意を伝えました。潘事務総長からは,今回の広島平和記念式典への出席で,世界に向けて強力なメッセージを発信し,核兵器のない世界を実現するための後押しをしたいとの発言がありました。
- 開発問題について,潘事務総長より,本年9月の国連総会の際に開催されるミレニアム開発目標(MDGs)に関する首脳会合への出席を要請したのに対し,菅総理から,国内政治上の問題はあるが,できる限り出席したい旨述べました。また,潘事務総長より,日本のODAや国連に対する支援に感謝の意が伝えられるとともに,今後も継続してほしいとの希望及び世界基金の第三次増資への拠出の要望が表明されたのに対し,財政状況は厳しいが,日本の繁栄は世界の平和の中で維持されるものであり,できるだけの協力をしていきたい,世界基金の増資についても検討したい旨述べました。
- PKOについて,潘事務総長より,ハイチPKOへの派遣に対する感謝の意とともに,他の地域へのヘリコプターの派遣に対する期待が表明されたのに対し,菅総理からは,難しい地域もあり,できないことはあるが,今後検討したい旨述べました。
- 北朝鮮について,菅総理より,韓国の哨戒艦事件について潘事務総長の協力に感謝を伝えるとともに,核と拉致の問題についても解決に向けて協力を求めたところ,潘事務総長からは,国際社会でもこれらの問題について十分な認識があること,北朝鮮と日本の関係改善がこの地域の平和につながることについて説明がありました。