平成19年2月26日
2月26日、安倍総理は、公式実務訪問賓客として来日中のモンゴル国エンフバヤル大統領と首脳会談を行ったところ概要以下のとおり。
日本・モンゴル共同声明(概要)(本文)
今後10年間の日本・モンゴル基本行動計画(概要)(本文)
冒頭、総理より、1月24日の電話会談において2008年安保理非常任理事国選挙に関し、モンゴルから示された「友好と善意の特別の証」及び大統領の決断に改めて謝意を表明。また、昨年、小泉前総理や閣僚、国会議員約80名が、モンゴルを訪問し、大統領から手厚い配慮を頂いたことに謝意を表明。
これに対し、エンフバヤル大統領より、モンゴルの民主化と市場経済改革への日本の協力に感謝している、「困ったときに本当の友達の質がわかる」という諺がモンゴルにはあるが、日本とモンゴルの関係はこの言葉を立証している旨発言。
両首脳は、両国関係が、1996年に提唱された「総合的パートナーシップ」の原則に従い、大きく進展してきたことを歓迎し、「総合的パートナーシップ」を新たな段階に発展させるために「今後10年間の日本・モンゴル基本行動計画」に従い、両国が具体的行動を通じ具体的成果を得ることの重要性につき一致。
広範な内容の計画である「今後10年間の日本・モンゴル基本行動計画」のうち、首脳会談では、特に両国間の貿易・投資の拡大等、互恵の経済関係を促進するための主な取組として以下について話し合われた。
第一に、両国の経産省間で行われていた定期協議を官民合同協議へと格上げすることで一致。
第二に、モンゴルの鉱物資源開発に関し、総理より、開発参加に関心を有する企業の投資意欲を高めるような環境整備が重要である旨指摘し、エンフバヤル大統領より、日本企業がモンゴルの鉱物資源開発分野に関心を有していることに歓迎の意を表明。両首脳は、適切なメカニズムを構築し、モンゴルの鉱物資源の総合的開発に関する議論を開始することで一致。
第三に、これまで累次モンゴル側から要請のあった租税条約についての意見交換を本年中に開始することで一致。
総理から、モンゴルの持続的発展を目指す取組を引き続き支援する、特に、経済活動促進のためのインフラ整備及び人材育成を重視する旨述べた。エンフバヤル大統領からは、モンゴルの民主化と市場経済改革への日本の協力に感謝している、モンゴルでは現在「開発総合戦略」をまとめており、自助努力もするが、日本をはじめとする諸外国からの協力も重要である旨述べた。
両首脳は、昨年の「大モンゴル建国800周年」を記念した「日本におけるモンゴル年」に続き、外交関係樹立35周年である本年、「モンゴルにおける日本年」を通じて相互理解及び相互信頼を一層強化していくことで一致。
また、総理より「21世紀東アジア青少年大交流構想」の下、今後5年の間にモンゴルの高校生を中心に、年100名程度を目処として日本に招きたい旨述べ、エンフバヤル大統領から、モンゴルでは子供が幼い頃から外国を知ることが非常に重要であるとして、深い感謝の意が示された。
エンフバヤル大統領より、総理をモンゴルに招待したい旨述べたのに対し、総理より、招待への謝意を表明し、今後検討したい旨述べた。
また、エンフバヤル大統領より、皇太子殿下及び衆・参議院議長についても招待しており総理から宜しくお伝え願いたい旨発言があり、総理より招待に感謝する、関係方面に伝達する旨述べた。
総理より、モンゴルの厚意に応えるためにも2008年安保理非常任理事国選挙での当選を目指していく、また、安保理改革の早期実現を目指す旨述べ、モンゴルの積極的な協力を要請したのに対し、エンフバヤル大統領は、日本の安保理非常任理事国及び安保理常任理事国入りを今後も支持する旨表明。
両首脳は、六者会合において北朝鮮の非核化に向けた作業が具体的に開始されたことは一定の前進であるが、北朝鮮がこの合意に沿って核の放棄に向けた具体的行動をとることが重要であるとの認識で一致。
また、総理より、拉致問題は政権の最重要課題であり、国際的連携を通じ一日も早く解決したい、モンゴルからも引き続き理解と支持を得たい旨述べたのに対し、エンフバヤル大統領から、拉致問題について、日本にとって大変重要な問題であるということを理解し、成果が早く出ることを期待する旨述べた。