安倍総理大臣

平成25年9月25日
日仏首脳会談(写真提供:内閣広報室) (写真提供:内閣広報室)

 9月24日(火曜日)午後6時15分(日本時間25日(水曜日)午前7時15分)から約30分間,国連総会出席のためニューヨークを訪問中の安倍内閣総理大臣は,フランスのオランド大統領 (H.E..Mr.François HOLLANDE, President of the French Republic) と会談したところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭

(1)2020年東京オリンピック・パラリンピックについてオランド大統領から祝意表明があり,安倍総理からフランスの支援に対して感謝の意を述べました。

(2)安倍総理より,ナイロビのテロ事件でフランス人2名が犠牲になったことに心から哀悼の意を表しました。

2 中東情勢

(1)シリア情勢について安倍総理から,以下の点を述べました。

(ア)国連調査団の報告書がシリアにおいて化学兵器が使用されたと結論づけたが,改めて化学兵器の使用を強く非難する。
(イ)シリアにおける化学兵器使用の問題は,北朝鮮や他の大量破壊兵器を有している国へも波及するものであり,日本にとっても他人事ではない。シリア政府の真摯な対応の有無等を注視している。化学兵器禁止機関(OPCW)の決定を補強する強力な安保理決議が採択されるべきである。
(ウ)シリア問題の解決に向けたフランス政府の取り組みに敬意を表する。オランド大統領がテレビインタビューで述べたとおり,米ロ合意は重要なステップであるが,この問題のゴールではない。
(エ)シリア情勢悪化の責任は,人道状況の悪化を顧みないアサド政権にあるのは明らかであり,日本としてシリアにおける暴力の停止と政治対話の開始,劣悪な人道状況改善のための国際社会の努力に貢献し,難民支援や支援国支援にも積極的に取り組んでいく。

(2)これに対して,オランド大統領から,シリア問題に対する日本の立場に感謝の意が述べられ,これから米ロ合意を実行に移していけるかが重要である旨,シリアの人道状況は危機的であり,その改善のために引き続き日本との連携を重視していく旨述べました。

(3)両首脳は,強力な国連安保理決議が必要との認識で一致しました。

(4)また,イラン情勢について,オランド大統領より,イランのローハニ大統領との会談について説明があり,安倍総理からは,高村自民党副総裁が総理特使としてイランを訪問したこと等について紹介しました。

3 福島第一原発

 安倍総理より,福島第一原発の廃炉に向けて全力で取り組んでいくという姿勢を示しました。また,正しい情報発信を行うとともに,世界に開かれた形で,世界の技術や叡智を結集し,解決に取り組んでいきたい旨,フランスと今後も緊密に連携していきたい旨述べました。これに対してオランド大統領から,フランスとして,いつでも日本を支援する用意がある旨述べました。

4 経済成長戦略

 経済に関して,安倍総理より,6月に新たな成長戦略「日本再興戦略」を発表し,これを全力で実行に移しているところであり,その過程では,技術大国・イノベーション大国であるフランスとの協力を重視している旨述べました。 これに対してオランド大統領から,国際競争力を高める上で,日仏間の協力が有益である旨,またフランスは日EU・EPAを支持している旨発言がありました。

5   最後に,オランド大統領から,フランス訪問の招待があり,安倍総理からこれに感謝しつつ,できるだけ早期に訪問したい旨述べました。


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