安倍総理大臣

平成25年11月17日

1 カンボジア(16日)

(1)邦人慰霊碑献花(故高田晴行警視、故中田厚仁氏及び故石山幸基記者)

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)による活動中に殉職された故高田晴行警視(文民警察官)及び故中田厚仁氏(国連ボランティア)並びに1970年代にポル・ポト派の支配地域を取材中に病死された故石山幸基氏(共同通信プノンペン支局長)の慰霊碑に対し、それぞれ献花した。
 
(2)シハモニ国王拝謁

安倍総理は、16日午後、シハモニ国王陛下を拝謁した。概要は以下のとおり。
まず、国王陛下より、今回の安倍総理の訪問に対する心からの歓迎の言葉があり、総理からは、訪問を歓迎していただいたことに対する感謝の言葉を述べた。また、国王陛下は、日本の様々な支援に対する感謝の言葉を述べられ、総理は、本日署名された保健医療分野での協力をはじめ、協力の範囲をさらに広げていきたいと述べた。
さらに国王陛下は、2010年に訪日された際の日本側の歓迎に対し、感謝の言葉を述べられた。
 
(3)医療関係セミナーでの挨拶

安倍総理から挨拶として、日本が強みとする救急救命病院をプノンペンに、海外で初めて設立することは喜ばしく、日本とカンボジアの協力のシンボルとなるであろう、また、今回の訪問では日本とカンボジアは医療の分野でも具体的な協力を進めていくことで合意したところであり、日本の高度な医療をカンボジア国内で実現することによって、カンボジアの医療の発展及び人材育成と、カンボジアの皆様の健康の向上に貢献していきたい旨述べた。
(注)本医療関連セミナーは、安倍総理のカンボジア訪問の機会を捉え、北原国際病院及び一般社団法人Medical Excellence Japanの主催により、脳卒中をテーマに開催されたもの。日本及びカンボジアから約200名のカンボジア市民、医療関係者、日本政府・民間関係者等が参加した。
 
(4)国立母子保健センターの視察

分娩室や新生児室等の院内視察中,現地医療関係者からは,緊急産科ケア等の緊急医療サービス提供のための協力に対する期待が寄せられた。
これに対し,安倍総理から,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを推進するため,今般,アジアで初の医療分野での覚書に署名したところであり,フン・セン首相との会談でも保健医療の分野において,具体的協力を一層進めていくことで一致しており,本センターが両国間の協力の先駆けとして,今後も大きな役割を発揮することを期待する旨述べた。
(注)本国立母子保健センターは「ジャパン・ホスピタル」と呼ばれ,日本型医療の海外展開の先駆けとなるもの。医療専門家として,我が国から江上由里子医師をはじめ,現在5人の女性専門家(医師,看護師)が派遣されている。

2 ラオス(17日)

チュンマリー国家主席との会談

安倍総理は、17日午前、チュンマリー国家主席と会談した。概要は以下のとおり。
安倍総理から、本年初めからのASEAN歴訪の集大成をラオスで迎えることは大変嬉しい、また、近年両国の交流が活発化しており、日ラオス間の協力関係を「包括的パートナーシップ」の下で、引き続き強化していきたい旨述べた。これに対し、チュンマリー国家主席は、安倍総理のラオス訪問を歓迎する、今回の訪問を通じて日ラオス関係がより発展していくことを期待する旨述べた。
安倍総理は、2015年のASEAN共同体発足もにらみ、ラオスのバランスのとれた発展に向け、インフラに加え、農業、教育、保健、女性等を重視した支援を引き続き行う旨述べた。また、近年、日系企業のラオスへの関心が増加していることを踏まえ、従来のODAに加え、民間の活力も得ながら、ラオスの発展に貢献していきたい旨述べた。これに対し、チュンマリー国家主席は、日本のこれまでの協力に謝意を述べるとともに、日本の協力がこれからのラオスの発展に寄与することを期待する旨述べた。
安倍総理から、人的・文化交流について、ラオスのサッカーU23代表監督を務める木村浩吉元横浜Fマリノス監督の活躍を紹介しつつ、特にスポーツ分野での交流が、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて強化されることを期待する旨述べた。これに対し、チュンマリー国家主席はスポーツ交流の強化に向けた日本との協力を期待する旨述べた。

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