安倍総理大臣
日・ベトナム首脳会談(概要)
平成25年10月7日


APEC関連首脳会議への出席のためインドネシア・バリを訪問中の安倍晋三総理大臣は、10月7日午前11時50分から12時半(現地時間)まで,ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席と会談を行ったところ,概要以下のとおりです。
1 冒頭発言
(1) 冒頭安倍総理より、1月に就任後初の外遊先としてベトナムを訪問した時以来のサン国家主席との再会、及び日越外交関係樹立40周年に当たる本年、両国の交流・協力が深化していることを嬉しく思う旨述べました。また、安倍総理から、10月4日にヴォー・グエン・ザップ将軍(元副首相兼国防大臣)が逝去したことに対し、日本国民及び日本政府を代表し哀悼の意を表明しました。
(2) これに対し、サン国家主席からは、ザップ将軍逝去に対するお悔やみの言葉に対し、感謝の言葉が述べられ、また、安倍総理が就任後初の外遊先にベトナムを選んだことを高く評価するとの発言がありました。
2 日越経済関係
(1) サン国家主席から、日本とベトナムは良い関係にあり喜ばしい、日本の協力もあり,ベトナムは発展しており、引き続き越日間のレベルの高い友好関係が続くことを希望する旨発言がありました。また、日本のベトナムに対するODA支援に対し感謝の意が述べられると共に、日本企業の対越投資の継続を希望しており、越としても投資環境の整備を行っていくとの発言がありました。また、サン国家主席から、日本のTPP交渉への参加を歓迎する旨述べました。
(2) これに対し、安倍総理から、日本は原発、高速道路及び空港等のインフラ案件を官民あげて支援していきたいとの発言がありました。
3 オリンピック・パラリンピック開催への祝意
サン国家主席から2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催につき祝意が表明され、安倍総理はこれに感謝すると共に、Jリーグで活躍するベトナム人選手(J2コンサドーレ札幌のレー・コン・ヴィン選手)を例に挙げ、両国のスポーツ交流をこれからも進めていきたいと述べました。
4 我が国の安全保障政策
安倍総理は、国連総会でも表明した地域・国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していくという日本の安全保障政策について説明を行い、サン国家主席は地域の平和と安定のための日本による貢献を歓迎しました。
5 地域情勢
(1) サン国家主席からは、南シナ海問題は国際法に従って解決していくことが重要である旨発言があり、安倍総理からは、ASEANの一体性が何より重要であり、日本としてもASEANの取り組みを支持する旨述べました。
(2) 安倍総理から、中国に関する日本の基本的姿勢につき説明しました。
(3) 安倍総理から、北朝鮮に対して非核化に向けた具体的行動を求めていくべきであり、また、拉致問題に関してベトナムの理解と協力を求めました。サン国家主席からは、ベトナムとしても非核化が重要と考えていること、また拉致問題について日本の立場を支持している旨発言がありました。