安倍総理大臣
アルタンホヤグ・モンゴル国首相の訪日(概要)
平成25年9月18日
ノロブ・アルタンホヤグ・モンゴル国首相は、9月11日から14日まで、公式実務訪問賓客として我が国を訪問したところ、概要は以下のとおり。
I.日程
11日(水曜日)
アルタンホヤグ首相が20年前に外務省招へいで訪日した際のホームステイ家族との再会、モンゴル友好諸団体の歓迎レセプション
12日(木曜日)
日モンゴル経済委員会主催朝食会、奥田国際協力銀行(JBIC)代表取締役総裁による表敬、自民党日モンゴル議連及び自民党幹部との昼食会、自民党本部での講演会、田中JICA理事長による表敬、米倉経団連会長による表敬、JETRO・在京モンゴル大共催講演会、在日モンゴル人との懇談
13日(金曜日)
民間外交推進協会(FEC)主催朝食会、天皇皇后両陛下による御引見、伊吹衆議院議長との会談、山崎参議院議長との会談、岸田外務大臣による表敬、海江田民主党代表による表敬、民間企業との面談、日モンゴル首脳会談、「共同声明」署名式、総理主催晩餐会
14日(土曜日)
プレスによる個別インタビュー
II.概要(主な個別行事)
1.日・モンゴル首脳会談(13日17:45~18:30)
(1)首脳会談
ア 総論
冒頭、安倍総理は訪日を歓迎するとともに、半年のうちに両国首相が相互訪問することは、日モンゴル関係を新たな段階に推し進めるものと述べた上で、首脳会談後発出される「共同声明」及び「中期行動計画」を通じ、「戦略的パートナーシップ」を更に高いレベルに引き上げ、互恵的・相互補完的な関係を一層強化したい旨述べた。これに対し、アルタンホヤグ首相は、首相就任後の初外遊として今次訪日を重視している、日本側の歓待に感謝する旨述べた。
イ 政治・安全保障
安倍総理から、多層的で戦略的な対話や防衛交流を含む各種交流を実施、一層拡大していきたい旨述べ、双方は、両国が地域・国際社会の平和と繁栄に共に貢献することで一致した。また、安倍総理から、北朝鮮の核・ミサイル開発について、北朝鮮側が諸懸案の解決に向けた真摯な姿勢を示すことが重要である旨述べ、拉致問題に関する我が国の立場について改めて理解を求めた。アルタンホヤグ首相からは、拉致問題に対する日本の立場を支持するとの発言があった。更にアルタンホヤグ首相からは、日本の国連安保理常任理事国入りへの支持が改めて表明された。
ウ 経済分野
両首脳は、本年3月に安倍総理から提案した「エルチ・イニシアティブ」につき具体的な進展が見られていることを歓迎するとともに、「中期行動計画」の実施を通じ、投資・ ビジネス環境の整備、モンゴルの持続可能な経済発展への協力を幅広い分野において推進していくことで一致した。その一環として、両首脳は、経済連携協定(EPA)交渉の早期妥結に向け引き続き精力的に交渉を進めていくことを確認するとともに、鉱物資源開発に関し、安倍総理から日本企業の参画の促進を期待する旨述べ、アルタンホヤグ首相からは、鉱物資源開発についても日本と協力していきたい旨発言があった。
エ 人的交流
両首脳は、議会間・議員交流や青少年交流といった人的交流を促進することが重要であるとの認識で一致した。また、アルタンホヤグ首相から、2020年東京オリンピック開催の決定に祝意が表され、安倍総理から謝意を述べた。
(2)署名式及び総理主催晩餐会
首脳会談後、「『戦略的パートナーシップ』の強化に関する日本国とモンゴル国との共同声明」への署名式が行われた。この後、日モンゴル関係者を招いた晩餐会が催され、晩餐会は非常に和やかな雰囲気で行われた。
2.岸田外務大臣による表敬(13日13:30~13:50)
(1)冒頭、岸田外務大臣から、アルタンホヤグ首相の訪日を歓迎し、3月の安倍総理のモンゴル訪問以降、両国ハイレベルの往来が続き、日・モンゴル関係が活発化していることに歓迎の意を表した。また、両国間の「戦略的パートナーシップ」を更に強化するために、幅広い分野で戦略的な議論を深めていきたい旨述べた。
(2)アルタンホヤグ首相からは、今回の訪日及び今次発出予定の「中期行動計画」を通じて、政治、経済、文化の各分野で協力を一層強化していきたい旨述べた。
(3)また、双方は、地域情勢や国際場裡での協力についても意見交換を行った。
3.その他
(1)13日、アルタンホヤグ首相は国会において、伊吹衆議院議長及び山崎参議院議長とそれぞれ会談をし、両国間の議会間、議員間の交流の強化等について意見交換を行った。
(2)12日昼の自民党本部で開催された講演会には高村副総裁、自民党日モンゴル友好促進議員連盟幹部をはじめ、国会議員及び支持者等計800名を越す聴衆が訪れ、アルタンホヤグ首相は、日モンゴル関係とモンゴル経済の展望に関する講演を行った。
(3)12日午後のJETRO・在京モンゴル大共催の講演会にはビジネス関係社を中心に約170名が参加し、アルタンホヤグ首相からは日本からモンゴルへの投資増加についての期待が述べられた。