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高村総理大臣特使の国連総会ハイレベル会合出席(概要)

平成20年11月17日

 11月12日、13日の両日、高村総理大臣特使は国連総会議題45「平和の文化」の下で開催されたハイレベル会合に出席した。概要以下のとおり。

1.ハイレベル会合

(1)この会合は、中庸や寛容という人類共通の普遍的価値観を強化し、世界の異なる宗教・文明間の相互理解を進めるべきとするアブドッラー・サウジアラビア国王のイニシアティブにより国連総会の一環として開催され、67ヶ国からブッシュ米大統領、ブラウン英首相をはじめとする各国元首・閣僚級が参加した。同会合は、対話を通じた寛容の文化と相互理解の推進をよびかける国連総会決議を採択して終了した。

(2)高村特使は、13日に演説を行い、アブドッラー・サウジアラビア国王のイニシアティブを評価し、紛争の解決の手段としての対話の要素の重要性、グローバル化の中での許容性の高い社会づくり、社会的弱者の支援や個人のエンパワーメントの重要性を踏まえた教育支援や人材育成等の我が国のこれまでの取組み、ならびに我が国のイスラム世界との文明間対話等へのコミットメントを表明した。

2.高村特使は、上記会合の際にカルザイ・アフガニスタン大統領、サバーハ・クウェート首長とそれぞれ会談した。

(写真)

(1)カルザイ・アフガニスタン大統領との会談では、高村特使より、麻生総理宛親書も踏まえ、補給支援活動継続に向け努力している旨述べたのに対し、カルザイ大統領は、活動継続に向けた日本政府の努力を大変うれしく思う。日本は常にアフガニスタン支援の最前線にいる。カブール空港竣工式への緒方総理特使派遣に感謝すると述べた。また、高村特使より、アフガニスタンの復興支援につき実施済みの14.5億ドルに加え、追加の5.5億ドルの着実な実施の意向を伝達した。更に、来年のアフガニスタン大統領選挙をはじめとする一連の選挙を成功裡に実施することが課題であり、我が国としても積極的に支援していきたいと述べた。これに対し、カルザイ大統領は、我が国の支援に対する期待を表明した。更に高村特使より、アフガニスタン政府による和解の取組への支持を表明したのに対し、カルザイ大統領より、和解については、タリバーンを説得して普通の生活に戻す国内プロセスを実施している。パキスタンとは、ザルダリ大統領就任後、非常にスムーズな関係であるとの発言があった。

(写真)

(2)サバーハ・クウェート首長との会談では、高村特使より、イラク人道復興支援に従事する我が国航空自衛隊へのクウェート支援への謝意を表明したのに対し、サバーハ首長より、我が国の対イラク支援に謝意を表するとともに国際社会全体がイラクを支えていく重要性を強調した。また、我が国による環境分野をはじめとする対クウェート支援に対する謝意が表明された。また、クウェートが次回の我が国とイスラム世界との文明間対話セミナーを主催することから、両国の間で緊密に協議して同セミナーを進めていくことが確認された。

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