松本外務大臣

日米外相会談(概要)

平成23年4月30日

(写真)日米外相共同記者会見

 29日午後5時35分(現地時間)から約35分間,ワシントンDC訪問中の松本外務大臣は,クリントン国務長官との間で日米外相会談を行ったところ,概要以下の通り(先方:キャンベル国務次官補,ラッセルNSC東アジア上級部長他,当方:藤崎駐米大使,梅本北米局長他同席)。

1 冒頭

(1)東日本大震災
 クリントン長官より,日本は非常に難しい状況に直面しているにも関わらず,松本大臣が日米関係を重視していることに関し謝意の表明があった。また,日本が国内問題に集中しなければならない時期であることはよく理解している,米国も必要な支援を行っていく旨述べた。
 これに対し,松本大臣から,震災に対するこれまでの米国の支援に改めて心からの感謝の意を表するとともに,先般のクリントン長官の訪日は日本にとって大きな助けとなったし,日本が元気に活動しているということを世界に発信する良い機会となった旨述べた。また,松本大臣からは,クリントン長官の訪日以降,米国から日本へのツーリスト数が増えた旨述べた。

(2)米国南東部における竜巻被害
 松本大臣から,米国南東部における竜巻被害についてのお悔やみの気持ちを伝えるとともに,米国内にも日本の資材があるので,役立つなら使っていただきたい旨伝えた。
 これに対し,クリントン長官からは,思いやりのある言葉に感謝の意を表するとともに,今朝,松本大臣発のお悔やみの書簡を受け取り感激した旨述べた。

2 日米関係

(1)主要外交日程
 「2+2」及び総理訪米に関し,その重要性を確認し,引き続き日程調整を行うことで一致した。

(2)官民パートナーシップ
 クリントン長官訪日の際に発表した復興に関する官民パートナーシップについては,復興の青写真をも念頭に,日米間の信頼関係ひいては日本経済に対する国際社会の信頼を強化していくこと,そして,まずは風評被害を防ぎ,サプライチェーンとしての日本の役割への懸念に歯止めをかけることに焦点を当て協力を進めていくことで一致した。

(3)原発関連
 松本大臣から,日米外相会談の前に行われたチュー・エネルギー長官との会談に触れつつ,原発の事故対応に関し,米国から様々な協力を頂いており感謝する,国際的な原子力安全に関する議論についても米国と連携していきたい旨述べた。

(4)子の親権
 子の親権については,松本大臣から震災後もしっかり作業を進めている旨説明したのに対し,クリントン長官から震災後も作業が続いていることを嬉しく思う旨応答した。

3 アジア太平洋地域情勢

(1)北朝鮮
 日米韓で連携していくことの重要性について確認した。また,松本大臣から拉致問題について日本の立場を説明したのに対し,クリントン長官からも理解が示された。

(2)中国 
 クリントン長官から,近くワシントンにおいて開催される米中戦略・経済対話について北朝鮮,イラン,海上安全保障等を取り上げていく旨の説明があった。

(3)インドネシア
 クリントン長官から,ARF,EASといった地域的枠組での協力に関し,インドネシアが議長国であることも念頭に,日本ともしっかりと協力して地域の議論に参画したい旨発言があった。

4 グローバルな課題

(1)アフガニスタン
 クリントン長官から,日本がアフガニスタン・パキスタンに対し,大規模な支援を行っていることを高く評価する旨発言があった。

(2)中東・北アフリカ情勢
 松本大臣から,日本にとっても世界にとっても重要であり強い関心を有している旨発言し,クリントン長官から,リビア,チュニジア,エジプト,シリア等について話があった。

(3)国連安保理改革
 松本大臣から国連安保理改革について,米国からは従来より日本の常任理事国入りを支持いただいているが,引き続き支持をお願いしたい旨述べた。

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