町村外務大臣

安保理改革に関するG4外相会合及びG4+ガーナ外相会合(概要)

平成17年7月9日

<ポイント>

  • 7月8日、ロンドンにおいて、G4外相会合、引き続きG4とガーナ外相の会合が開催された。G4外相会合においては、AU及びカリコム首脳会合の結果は良い方向の決定であること、今後G4の結束が重要であることで一致した。また、枠組み決議案について7月20日前後の採択を目指していくこととなり、印の提案により、17日、NYにおいて次回のG4外相会合を開催すること、また、アフリカの外相会合が参加できれば、参加も得ることが合意された。
  • G4+ガーナ外相会合においては、G4より、AUの決定は拒否権の問題及び非常任理事国の数について違いがあるが、総じて前向きな決定である旨述べ、ガーナ側より、相違点はあるがお互いが合意出来るフォーミュラを作っていきたいとの言及があった。アフリカなしでは安保理改革は成り立たないことから、G4とアフリカが共通のポジションを作ることの重要性について双方が理解を共有した。

 7月8日、ロンドンの伯大使公邸において、G4外相会合(日本から町村外相、伯からアモリン外相、印からシン外相、独からフィッシャー外相出席)が開催され、また同会合に引き続きG4とアクフォ=アドウ・ガーナ外相(同外相は安保理改革に関するアフリカ諸国コア・グループの一人)との会合が開催されたところ、概要以下のとおり。(一連の会合終了後、発出された「G4ロンドン宣言」。)

1. G4外相会合(8日午後7時から約1時間)

(1)AU(アフリカ連合)首脳会合(7月4-5日)、カリコム首脳会合(7月3―6日)の結果に関する意見交換を行い、同結果はよい方向での決定であること、また、今後の取り進め方としてG4の結束が重要であることで一致した。

(2)枠組み決議案については、11日から国連総会において正式の審議が始まるが、これに向けてモメンタムが高まっている一方で、国連総会の議事日程では、9月の首脳会合成果文書の第二次案の審議が25日から始まることから、G4のタイムテーブルとしてはそれほど悠長なものではなく、G4としては、20日前後の採択を目指して進めていくこととなった。その際、各国からの支持に関し、特に53ヵ国を有するアフリカ諸国を取り入れた形で、全体の3分の2以上の票を集めることが重要であるとの認識で一致した。

(3)印外相より、次回のG4外相会合をニューヨークにて開催したい旨の提案があり、今月17日に行う方向で日程を調整することになった。

2. G4+ガーナ外相会合(同日午後8時から約1時間20分間)

(1)ガーナ外相より、アフリカの決定の詳細に関して説明があり、これまでの「エズルウィニ・コンセンサス」が今回のリビアのAU首脳会合を経て、アフリカの首脳の正式な合意となった旨の言及があった。

(2)G4外相より、今回のアフリカの決定は、G4案と大体方向性は一緒である、相違点として拒否権と非常任理事国の数の問題があるが、総じて前向きな決定である旨述べた。さらに、アフリカ側への意見として、非常に多くの国が新常任理事国への拒否権付与に消極的である、アフリカの非常任議席を1議席増やすと他の地域とのバランスの問題が出てくるのではないか旨指摘した。

(3)これに対し、ガーナ外相より、相違点はあるが、重要なことはお互いが合意できるようなフォーミュラを如何にして作っていくかである、そのためにナイジェリア外相はニューヨークに向かおうとしており、自分も行く考えである、仮に17日にG4で外相会合が設定されるのであれば、もう一度G4との会合を行いたい旨述べた。さらに、アフリカの53カ国の結束を保つ形で進めていきたい、アフリカとしては、G4のタイムスケジュールを念頭に置くが、7月中に第1段階の枠組みが作られ、8月には新常任理事国の選出プロセスの会議が開催されるので、そうしたプロセスを念頭に置いたタイムフレームにしてほしいと考える旨の言及があった。

(4)アフリカの見解を聞き、アフリカを取り込んでいくことが極めて重要であり、アフリカなしでは安保理改革は成り立たないことから、G4とアフリカが共通のポジションを作る努力をしていくことの重要性について双方が理解を共有した。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る