高村外務大臣

東アジア首脳会議(EAS)参加国外相非公式協議(概要)

平成20年7月22日

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 7月22日16:25から約1時間40分、EAS参加国外相非公式協議が開催されたところ、概要は以下のとおり。なお、同協議は今回初めて昼食会以外の形式で行われた。

1. 地域国際情勢

(1)食料安全保障、エネルギー安全保障

 高村大臣より、北海道洞爺湖サミットでの議論の概要を紹介するとともに、これらの問題が東アジア地域においても社会的弱者を直撃していることを踏まえ、我が国として積極的に取り組む意向を表明した。

 各国からは、これらは東アジア地域が直面する大きな課題であり、相互に関連する課題として包括的な取組が必要であること、食料生産の増大やエネルギー安全保障に関する研究を促進するべきとの発言があった。

(2)気候変動問題

 高村大臣より、温室効果ガスの排出削減の長期目標及び中期目標に関する北海道洞爺湖サミットの議論の概要を紹介するとともに、本年第4四半期にベトナムが主催予定の第1回EAS環境大臣会合の場も活用しEAS各国との協力を進め、実効的な2013年以降の枠組の構築に向けて協力していくことを呼びかけた。

 各国からは、途上国への技術移転、資金協力が重要であるとの発言があった。

(3)北朝鮮問題

 高村大臣より、六者会合共同声明の完全な実施を通じ、北朝鮮の核放棄と共に拉致問題の解決を含めた日朝国交正常化を実現させたい、非核化については、先般検証メカニズムの設置に合意したが、重要なことは早期に検証の具体的在り方に合意し、検証を開始することである、日朝関係については、6月の日朝協議で、北朝鮮は拉致問題の再調査実施等を表明し日本側も一定の措置の解除を表明したが、まだ「言葉対言葉」の段階であり、これを「行動対行動」に移していくことが必要である、拉致問題を含む北朝鮮の人道・人権状況についても引き続き働きかけていきたいと述べ、各国の理解を得た。

 各国からは、非核化に関する六者協議プロセスの最近の進展や、今回のASEAN関連外相会議の機会に六者外相による閣僚非公式会合が開催されることを歓迎する発言もあった。

(4)ミャンマー

 各国より、サイクロン・ナルギスの災害援助におけるASEANの役割を評価するとの発言や、ガンバリ国連特別顧問が本年8月にミャンマーを再度訪問することを歓迎する発言があった。

(5)その他

(イ)EAS、ASEAN+3、ARF等、この地域で進化する枠組に関し、各国より、相互補完的に発展することが重要であるとの発言があった。

(ロ)タイとカンボジアの国境付近のプレアビヒア寺院問題に関し、両国より各々の立場の説明があり、各国より最大限の自制を通じ、平和的解決を目指すべきであるとの発言があった。

2. EAS協力のフォローアップと将来の方向性

(1)高村大臣より、エネルギー安全保障、環境、青少年交流、東アジアASEAN経済研究センター(ERIA)、東アジア包括的経済連携(CEPEA)構想、防災、鳥インフルエンザといった分野において、日本がEASの下で着実に協力を進めていることを紹介するとともに、5月のスピーチで福田総理が表明した、「アジア防災・防疫ネットワーク」の構築や大学間交流の飛躍的拡大のためのアジア版「エラスムス計画」の実現に向け、EAS各国と緊密に協力していきたい旨述べた。

(2)各国からも、EASの下での具体的協力が順調に進展していることを歓迎する旨の発言があった。

(3)EASの将来の方向性に関し、首脳主導という特色を有するEASの更なる発展に向けた方策に関して、意見交換を行った。

3.第4回EASの準備

 次期議長国のタイより、本年12月に開催予定の第4回EASでは、人々の幸福及び生活に関連した、食料安全保障、エネルギー安全保障、防災といった事項に焦点を当てることを検討したいとの発言があった。

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