平成23年10月25日
25日(火曜日)午後15時20分より約45分間,玄葉外務大臣は,来日中のパネッタ米国防長官と会談し,日米同盟深化,在日米軍再編,地域情勢等について意見交換したところ,概要は以下のとおりです。
冒頭,玄葉大臣から,東日本大震災に際しての米国からの支援に謝意を表明し,多くの国民が改めて日米同盟の重要性を認識した旨述べるとともに,日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを踏まえれば,日米同盟の役割は一層重要になっているところ,在日米軍再編のみならず,計画検討,ミサイル防衛,拡大抑止,宇宙,サイバー,情報保全等幅広く安保・防衛協力を進めていきたい旨述べた。パネッタ長官からは,米国は今後とも太平洋国家として,アジア太平洋地域における米軍のプレゼンスを維持・強化し,地域の平和と安定に貢献する考えであるとの発言があった。
これに対し,玄葉大臣から,日本と同様米国も財政事情が厳しい中でのアジア太平洋地域に対する米国の強いコミットメントを心強く思うと述べた。
両大臣は,普天間飛行場の移設及び在沖縄海兵隊のグアム移転をはじめとする在日米軍再編について,日米合意に基づいて,着実に進めていくことで一致した。
玄葉大臣からは,沖縄の状況は厳しいが,年内に環境影響評価書を提出できるよう準備をしている,同時に抑止力を維持しつつ,嘉手納以南の土地返還の具体化を含む沖縄の負担軽減のパッケージを作ることが必要である,その中で在沖縄海兵隊のグアム移転についても日米合意に沿って着実に実施してほしい旨述べた。パネッタ長官からは,米国内における議会の圧力が高まっており,外務大臣から発言のあった内容を評価する,米国としても日米合意にコミットしており,また,沖縄の負担を軽減するためにできる限りの努力をする旨の発言があった。
両大臣は,宇宙,サイバー,情報保全に関する日米協力について意見交換を行った。パネッタ長官から,米国が直面する国際的な課題の解決にとって,同盟国であり地域の友人である日本の協力が不可欠であり,引き続き日本と力を合わせ公正な国際社会の構築に努めたい旨の発言があった。玄葉大臣からは,日米同盟は地域の公共財であり,米国と緊密に協力していきたい旨述べた。
両大臣は,関連する国際法の遵守等を通じ,多国間で航行の自由の原則を確保し,紛争を平和的に解決することが重要との認識で一致した。
両大臣は,中国の軍事上の近代化及び活動に関する透明性を高めることが重要との認識で一致した。パネッタ長官から,軍事交流を進めて誤解が生じないようにしていきたいとの話があった。これに対し,玄葉大臣からは,Win-Winの関係を求める日中戦略的互恵関係の構築を進めていきたい旨述べた。