麻生外務大臣

麻生大臣によるカンポス沖油田視察(ブラジル訪問)

平成19年8月19日

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 8月19日、11時30分から13時45分頃(現地時間)まで、麻生大臣は、カンポス沖に位置するバラクーダ油田のFPSO(Floating Production, Storage and Offloading:浮遊式海洋石油生産貯蔵搬出システム)を視察したところ、概要以下のとおり。

  1. ペトロブラス社(ブラジル国営石油会社)幹部の案内により、同社のオレンジ色の作業服に着替えた上で、冒頭、同社より以下の説明を受けた。

    (1) ペトロブラス社は、ブラジル国内を中心に米国(メキシコ湾)、西アフリカ等世界各国でも生産活動を行っている世界で14番目の規模の石油会社である。また、現在、水深約2,000メートルの深海にて油田を掘削する技術を有している。

    (2) カンポス沖の油田は1974年に発見され、1977年から商業ベースでの生産を開始した。現在ブラジル国内の原油生産の約9割を生産している。

    (3) なかでも、バラクーダ及びカラチンガ油田は、ブラジル国内生産の約20%、具体的には、1日当たり約32万バーレルを生産している。バラクーダ油田は約800メートルの、カラチンガ油田は約1040メートルの海底で原油を掘削している。

    (4) バラクーダFPSOには、JBIC(国際協力銀行)及び日本の商社の協力を得ている。

  2. その後、FPSO内の原油精製システムや原油を海底から汲み上げているパイプ等を視察した。また、麻生大臣は、FPSO上より周囲に見られる油井が多いことや、バラクーダ油田と対になっている15キロメートル離れた海上に位置するカラチンガ油田のFPSOが大変大きく見え、その設備の巨大さが伺えることから、この油田の規模の大きさが実感できる旨述べた。
  3. その後、FPSO内の従業員食堂の中で、ペトロブラス社幹部と簡単な昼食懇談を行った。その中で、麻生大臣は、ブラジルが最先端の技術を有して日本のパートナーとなりうる国であることが実感でき、日ブラジル間の協力が一層進むことを期待したい旨述べた。

(参考)カンポス沖油田は、ブラジル国内原油生産の約85%を産出する海底油田群の総称。リオデジャネイロ州の沖合に約100キロメートル前後に位置する。現在は、大陸棚より深い400メートル以深での深海油田開発が主になっている。中でも、バラクーダ油田はブラジルの原油生産の約1割(1日当たり約17万バーレル)を生産する。日本企業は、バラクーダ油田及び近接するカラチンガ油田の開発について、JBICによる11億4千万ドルの融資及び商社団(伊藤忠、三菱商事、三井物産、丸紅)による浮遊式海洋石油生産貯蔵搬出システム(FPSO)のリースという形で参加している。

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