麻生外務大臣

麻生外務大臣とナジブ・マレーシア副首相兼国防大臣との会談
(概要)

平成19年3月6日

 3月5日午後、麻生外務大臣は、外務省飯倉公館において、ナジブ・マレーシア副首相兼国防大臣と会談を行ったところ、概要以下のとおり(日本側:渥美南部アジア部長他同席。マレーシア側:オン・カティン住宅・地方自治大臣、ジャマルディン科学技術革新大臣、カレド企業家共同組合開発大臣、ラスタム・マラッカ州首席大臣、リプ貿易産業副大臣他同席)。

1.日・マレーシア関係

(1)日本・マレーシア友好年

 麻生大臣より、本年は、外交関係開設50周年であり、「日本・マレーシア友好年」の名にふさわしい年となるよう、各種文化行事の実施等について協力していきたいと述べた。これに対し、ナジブ副首相より、外交関係開設50周年である本年はマレーシアにとっても重要な機会であり、両国の関係により大きな活力を与えたい旨述べた。

(2)マレーシア日本国際工科大学(MJIUT)構想

 麻生大臣より、2009年の開校を目指して準備が着実に進展しているマレーシア日本国際工科大学構想について、マレーシア政府内において、今後大学の設立・運営に係る予算措置が講じられると承知しており、貴国政府及び大学関係者の一層の尽力を期待する旨述べた。これに対し、ナジブ副首相より、2005年12月のマレーシア日本国際工科大学準備センターの設立は喜ばしく、両国が緊密に協力し、同大学をASEANのハブとなるような国際的な工科大学に発展させたい旨述べた。

(3)日・マレーシア経済連携協定

 麻生大臣より、昨年7月の日マレーシア経済連携協定の発効は、両国関係の一層の促進に大いに資するものであり、今後は、協定の円滑な実施に向けて、日マレーシア両国で協力していきたい旨述べた。これに対し、ナジブ副首相より、投資の増加等、協定の効果は既に現れており、今後も投資・貿易が増加することを期待する旨、また、協定の下で、日本からの技術移転、特に自動車産業における技術移転に期待する旨述べた。

(4)日・マレーシア経済協力

 ナジブ副首相より、日本からの長期にわたるODAの供与に対する謝意が表された。同副首相は、特に、高等教育借款基金計画(円借款事業)等による日本への留学生派遣は、1982年からの累計訪日留学生数が約11,000名に達しており、大きな成果があり感謝したい旨述べた。また、パハン・スランゴール導水事業計画(円借款事業)の早期実施への期待を表明した。

 同副首相はさらに、情報通信技術、バイオテクノロジー、バイオ燃料の分野における日本からの投資の拡大及び日本からの観光客の増大への期待を表明した。

2.地域情勢等

(1)ミンダナオ和平

 ナジブ副首相より、地域をより安全で平和で安定したものとするためにマレーシアとしても最大限の努力を行っており、フィリピン南部のミンダナオの国際監視団(IMT)にも人員を派遣してリーダーシップをとっている、最近、日本がIMTに人員を派遣して、ミンダナオの経済・社会開発のために貢献していることを評価している旨述べた。

(2)マラッカ海峡の安全

 ナジブ副首相より、日本にとっても重要なシーレーンであるマラッカ海峡の安全性はかなり改善されてきているが、これは、マレーシア等の努力の成果が現れているものと考えている旨述べた。

 これに対し、麻生大臣より、マラッカ海峡は、日本だけではなく多くの国のエネルギー輸送にとって重要な国際海峡であり、海峡の沿岸国としてマレーシアが一層大きな役割を果たすことを期待する旨述べた。麻生大臣はさらに、アジア海賊対策地域協力協定の実効性の確保のためには海峡沿岸国であるマレーシアの参加が不可欠であり、ナジブ副首相の尽力をお願いしたい旨述べた。

(3)北朝鮮情勢

 麻生大臣より、六者会合に関連して、「日朝国交正常化のための作業部会」が7日よりベトナムのハノイで開催されること、同作業部会では拉致問題についても取り上げる予定であること等を紹介した。

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