ハンブルク、2007年5月28日
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1.V4+1外相会合は2007年5月28日にドイツ、ハンブルクにて開催された。この会合には、ヴィシェグラード・グループ現議長としてのヤン・クビシュ・スロバキア共和国外務大臣による招待により、麻生太郎日本国外務大臣、カレル・シュワルツェンベルグ・チェコ共和国外務大臣、キンガ・ゲンツ・ハンガリー共和国外務大臣、アンナ・フォティガ・ポーランド共和国外務大臣が出席した。
2.外相は、日・EU関係のさらなる強化、並びに日本の外交の新機軸としての「自由と繁栄の弧」の具体化に貢献することとなるV4グループと日本との間の協力を一層促進させる希望を表明した。
3.外相は、民主主義、人権の尊重、法の支配、市場経済等の価値を共有するパートナーとしての関係を強化する目的を達成しつつ、V4+1協力が成功裡に進展しているという共通の認識に基づき、以下のテーマにつき協議した。
4.外相は、以下の様々な領域でのV4+1協力の実績を満足をもって評価し、日・EU間協力の一環としての本協力の意義を再確認した。
地域・国際問題
貿易・投資
観光
5.外相は、政治的対話を強化し優先分野におけるV4+1協力の成果を確認するために、ASEM・FMM、国連総会等の多国間フォーラムの機会を活用して、隔年ごとに会合を行う意思を表明した。外相会合を促進するために、政策又は地域担当局長会合、課長および専門家レベルのテーマ別の会合が毎年開かれることが奨励される。
6.また、外相は、各国の政府開発援助政策に関する相互理解をさらに深め、この分野における協力を促進する意思を表明した。日本側は、V4諸国の職員のための政府開発援助に関するワークショップを開催することを提案し、V4諸国は同ワークショップ開催への支持を表明した。さらに、中央アジア、西バルカン、モルドバ、ウクライナ、ベラルーシにおける日本との協力促進についてV4が関心を示していることが留意された。
7.日本及びV4は、貿易・投資協力をさらに促進するとの決意を確認した。外相は、既存の日・EUビジネス振興スキームの潜在力を活用することにより、中小企業支援の可能性をさらに探ることに同意した。V4の外相は、2007年3月の投資セミナーの成功に続き、付加価値(ICT、電子工学、ロボット工学、生物工学、ナノテクノロジー)を伴う日本の投資を誘致し、基礎科学・応用化学の学問分野およびイノベーションアプローチにおける協力を増進するために、引き続きビジネスセミナーを行うことでフォローアップすることに強い関心を表明した。
8.外相は、各種の現在の地域問題および国際情勢に関する意見交換を率直かつオープンに行い、この観点からV4諸国と日本の間の対話強化の重要性を強調した。
9.地球規模の課題がある世界において、世界各地における安全と繁栄は、効果的な多国間システムへの依存を一層深めている。外相は、国連をその中核とし、国連憲章を国際関係の基礎的な枠組みとする、公正かつ規則に基づいた国際システムに対する支持を再確認した。国連を強化し、その責任を全うできるようにすることは、共通の優先事項とみなされている。外相は、進行中の国連改革プロセス、特に安保理改革に対する継続的な支持を再確認した。この文脈において、V4外相は、安保理常任理事国になるという日本の十分に根拠ある願望に対する支持を表明した。
10.外相は、環境保護及びエネルギー安全保障の分野における共通利益及び共同責任を認識し、他の多国間諸フォーラムにおける努力を補完する、気候変動、持続可能なエネルギー、及び安定的、実効的かつ透明性のある地球規模のエネルギー市場の構築に向けた多国間アプローチにおけるより緊密な協力を奨励した。さらに、外相は、ポスト京都議定書の「モントリオールプロセス」への積極的な参加の必要性、および、国連気候変動枠組条約および京都議定書のより効果的な履行を促進することを目的としたさらなる決断の必要性を強調し、地球規模で包括的な2012年以後の気候レジームに関する交渉に向けた素地を整えた。
11.外相は、北朝鮮の核問題の平和的解決の強い必要性を強調し、朝鮮半島の非核化が引き続き国際的な優先事項であることを再確認した。外相は、すべての関係者、特に北朝鮮に対し、2005年9月19日の六者会合共同声明及び2007年2月13日に到達した合意の完全実施に向けて努力することを促した。また、外相は、国連安保理決議第1695号及び第1718号を着実に実施することの重要性を強調した。外相は、日朝間の問題に関する日本と北朝鮮との間の協議において進展が得られることへの期待を表明し、拉致問題をできる限り速やかに解決することの重要性を強調した。V4の外相は、この問題の解決に向けた継続的な支援を繰り返し述べた。
12.外相は、平和で繁栄した生活を送るという正当な希求を持つアフガニスタン国民を支援するために、アフガニスタン・コンパクトの枠組みの内で、薬物に関連した違法活動の削減を含み、アフガニスタンに平和、安定、及び繁栄をもたらすため同国を支援するという各国の長期的な決意を確認した。
13.外相は、中央アジアにおける同方向の目標-独立した地位への支持、域内諸国の民主的及び改革志向の発展-を共有しつつ、中央アジアにおいて、より幅広い協力を行うための共通の基盤が存在することを確認し、当該地域全般の状況を議論した。V4の外相は、現在策定中のEUの対中央アジア戦略について日本側に説明した。