平成17年12月14日
10日夕刻、ASEAN+3外相会議等へ出席のためマレーシアを訪問した麻生外務大臣は、ニャン・ウイン・ミャンマー外相と約30分間にわたり会談したところ、概要以下のとおり。
麻生大臣から、日緬両国は伝統的友好関係があると述べ、ニャン・ウイン外相から、日本とミャンマーは歴史的に友好国であり、これまで日本がミャンマーに与えてきた支援に感謝をしていると述べた。
(1)麻生大臣より、以下のとおり述べた。
(イ)ミャンマーの民主化問題について注目しており、憲法の基本原則を決める国民会議の動向を注視している。
(ロ)最近、国際社会のミャンマーに対する目は大変に厳しくなっている。日本は対話を通じて民主化の問題ついて話し合おうという立場であるが、ミャンマー側に改善が見られない場合、ミャンマーに配慮することも難しくなってくる。
(ハ)ミャンマーは、アウン・サン・スー・チー女史の問題で国際社会から厳しく批判されているが、国際社会からの信頼を回復する上で、同女史の問題を解決することが非常に重要である。
(2)これに対し、ニャン・ウィン外相は以下のとおり述べた。
(イ)国際的な場において、日本がミャンマーに対して率直かつ適切に助言をしてくれることに感謝する。
(ロ)麻生大臣の懸念はよく理解できる。自分たちとしても良い状況を作るように最善を尽くしたい。国民会議が再開されたので、こうした場で今後憲法の問題を議論していきたい。但し、ミャンマーでは大変少数民族が多く、またかつて少数民族勢力は武器をもって中央政府に対し反乱を起こした経緯もあるところ、少数民族との関係は極めて慎重に進めなければならない。憲法の基本原則を作る上でも少数民族の理解を得なければならない。
(3)最後に、麻生大臣より、是非国民会議のプロセスを早く進めて憲法を制定し、民主手的な体制を整えて欲しい旨再度申し入れ、ミャンマー側は、麻生大臣の発言の趣旨は理解したと述べた。