国際社会における法の支配

国際刑事裁判所(ICC)第13回締約国会議(ASP)

平成26年12月26日

 12月8日から17日にニューヨークにて開催された国際刑事裁判所(ICC)第13回締約国会議(ASP)の概要は,以下のとおり。なお,今次ASPの初日,セネガルのカバ司法大臣がASP新議長に選出された。

1 一般討議等

  • (1)要人挨拶では,潘基文国連事務総長(ソアレス国連法律顧問代読),サンバ・パンザ・中央アフリカ暫定政府大統領,ンジャイ・セネガル外相等から,ICCが不処罰との闘いを進めていく上で,裁判の実効性の向上や各国によるICCへの協力・支援が重要であることを強調し,この関連で,ICCと国連(特に安保理)の協力関係強化の必要性を指摘した。
  • (2)各国から,ICCの活動(捜査,逮捕,訴追等)への国家の協力の重要性,「非協力」問題への対応について言及があり,この関連で,ICCと国連(特に安保理)の協力関係の強化の重要性が指摘された。また,重大犯罪の不処罰を根絶するためには各国の刑事司法制度を強化し(補完性原則の促進),ICC加盟国(現在122カ国)を増やしてICCの普遍性を促進することが重要であるとの指摘がなされた。さらに,被害者保護や裁判の実効性・効率性向上などに関するステートメントが行われたほか, 侵略犯罪改正の締結促進を各国に呼びかける発言もあり,いかなる方法で正義,和平,安定,和解を達成するかに関して活発な意見交換が行われた。
  • (3)我が国から,ローマ規程起草段階から、ICCを実効的,効率的,普遍的で、財政的に持続可能な法廷とするために貢献するとの政策を維持していることを紹介し,2014年に初めて被害者信託基金に拠出するなど,被害者支援のための取組を強化していく考えを示した。また,ICCの財政的持続可能性について締約国が共通の認識を持つべきである旨指摘するとともに,ICC加盟国数が伸び悩んでいる現状を踏まえ,ICCの普遍性促進に向けて他の加盟国とともにさらに努力する考えを表明した。

2 協力

 全体会合において協力に関するパネルディスカッションが行われ,我が国を含む各国から,国際社会の関心である最も重大な犯罪を行った者を訴追・処罰するためには,各国の協力が不可欠であるとの前向きな認識が表明された。こうした議論も踏まえ,各国のICCへの協力の強化等を内容とする決議が採択された。

3 裁判官選挙

 9日~16日,来年3月に任期が満了する6名の裁判官の後任を選出する裁判官選挙が実施され,韓国,ポーランド,独,仏,コンゴ民主共和国,ハンガリーの候補が選出された。任期は,2015年3月から2024年3月までの9年間。

4 予算財務委員会(CBF)委員の選出

 来年4月に任期が終了する6名のCBF委員の後任を決定するCBF委員の選出が行われ,全ての地域グループの議席につきスレートが成立していたことから,無投票にて,我が国の小嵜仁史候補(在イラク大使館一等書記官)を含む新しい委員が選出された。任期は,2015年4月から2018年4月までの3年間。

5 2015年の予算

 10月に提出された書記局予算案は前年度比約15%増であったが(約1億3900万ユーロ),CBF勧告含む削減交渉の結果,コンセンサスにて2015年予算が採択された(約1億3000万ユーロ)。

6 第14回ASPの日程

 次回の日程を2015年11月18日~26日(於:ハーグ)とすることが決定された。


このページのトップへ戻る
国際社会における法の支配へ戻る