人道支援
飢饉予防・対応に関するハイレベル会合
平成29年9月22日
- 梨田外務省国際協力局長は,9月21日(木曜日)(現地時間),国連本部において,グテーレス国連事務総長及びキム世界銀行総裁の共催で開催された「飢饉予防・対応に関するハイレベル会合」に出席しました。
- 本会合は,世界各地の食料不足,特に飢饉の影響と脅威が拡大する南スーダン,ソマリア,イエメン及びナイジェリアにおける飢饉の予防・対応について,国際社会の包括的な対応を促進する目的で行われたものです。
- グテーレス事務総長からは,引き続きニーズが多くドナー国,国際機関等との間で飢饉対応の調整がなされるべきであること,及び長期的な解決のためには紛争の終結が不可欠であることを強調し,キム世界銀行総裁からは,新たなパートナーシップを構築する重要性とともに,飢饉と紛争は密接な関係にある旨を述べました。この他,マウラー赤十字国際委員会(ICRC)総裁,シュタイナー国連開発計画(UNDP)総裁等国際機関の代表に加え,ソマリア首相,米国国際開発庁長官,ドイツ外相等関係国やNGOの代表が発言しました。
- 日本を代表し,梨田局長からは,飢饉への対応は人道支援のみでなく,飢饉の主な要因である紛争の根本原因に対処するため,「人道と開発と平和の連携」の考え方を重視すること,具体的には,人道支援と開発協力を連携させて実施し,人道危機の収束後は平和構築・紛争予防支援を継ぎ目なく展開すること,この考え方を飢饉対応に活用する第一歩として,南スーダン,ソマリア,イエメン及びナイジェリアに新たに1,100万ドルの支援を行うことを決定したこと,平和の持続の達成に貢献していくこと等を表明しました。
- 各国・機関からは,飢饉は紛争に起因する人災であり,根本原因に対処すべきこと,国際人道法の遵守,女性・子どもの保護,人道アクセスの確保,一層の資金支援の重要性などが指摘され,人道支援のみならず長期的な開発の支援も含めた解決や様々な機関と連携して対応していく必要性について確認されました。