地球環境
皇太子殿下の第8回世界水フォーラム御臨席(概要)
平成30年4月2日
(「ブラジル外務省」より提供)
(「ブラジル外務省」より提供)
(「朝日新聞社」より提供)
皇太子殿下におかれては,今般,ブラジルのブラジリアにおいて開催された第8回世界水フォーラムに御臨席されたところ,概要以下1及び2のとおり。
皇太子殿下の本フォーラム御臨席は,今回で,2003年の第3回(京都ほか),2006年の第4回(メキシコシティ),2009年の第5回(イスタンブール)に続き,通算4回目。
1 第8回フォーラム概要
- (1)3月18日~23日,ブラジルのブラジリアにおいて本フォーラムが開催された。「世界水フォーラム」は,マルセイユに本部をおく国際NPO「世界水会議」がホスト国と共催して3年毎に開催する水に関する世界会議である。本年は,7月の国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)で持続可能な開発のための2030アジェンダの水分野の目標であるSDG6が取り上げられる予定であるとともに,3月22日から「持続可能な開発のための水の10年」が始まる重要な節目に当たる。そうした中で迎えた8回目の本フォーラムは,「水を分かち合う」(Sharing Water)を主要テーマとして,世界水会議及びブラジル政府の共催により開催され,世界各国より,首脳・閣僚を含む政府関係者,地方自治体関係者,国会議員,多数の国際機関,水関連NPO,民間企業,学識者等約3万5千人が参加した(事務局発表)。
- (2)我が国からは,皇太子殿下が御臨席され,政府から国土交通省,外務省,環境省,農林水産省などの関係者が参加したほか,JICA,日本水フォーラムなど政府以外の関係者も多数参加した。また,展示(Water Expo)の日本パビリオンにおいて,国土交通省,環境省,農林水産省,東京都,滋賀県,複数の水関連企業等が出展を行った。
2 皇太子殿下の御臨席行事等
- (1)皇太子殿下は,19日午前の開会式に御臨席され,テメル大統領を始めとする5名の大統領に続いてお言葉を述べられ,19日午後,「水と災害」ハイレベルパネルにおいて,立ち見を含む300名を超える聴衆を前に,「繁栄・平和・幸福のための水」と題する基調講演を行われた。基調講演において,水と災害の問題を含めて,水の果たす役割や水を分かち合うことによる繁栄と平和の歩みについて,歴史やその教訓,人々の経験を振り返りながら,貧困や教育,ジェンダーの問題などの開発目標に関わる横断的課題の解決に向け包括的な取組を行うことの重要性について述べられ,21世紀が「水の世紀」と呼ばれるにとどまらず,水による繁栄,平和そして幸福の世紀であったと後世の人々に呼ばれるようになることを祈っている旨述べられ,引き続き強い関心を持って見守っていくとの思いを示された。
- (2)皇太子殿下は,20日には,秋本国土交通大臣政務官の案内により日本パビリオンの展示を視察されたほか,「ブラジルの水危機」ハイレベルパネル及び「ステークホルダー」ハイレベルパネルにおいて,水に関するそれぞれのテーマに沿った最新動向の議論を聴講された。
- (3)皇太子殿下のブラジルでのその他の御日程
- ア 皇太子殿下は,「世界水フォーラム」開幕式の前日に,ブラジリア郊外の「セラード農牧研究センター」を訪問され,広大な大豆やコーヒーなどの実験農場を視察された。ブラジル中央部のセラードと呼ばれる熱帯サバンナ地域は1970年代に日本との官民合同事業などで農地開発が進み,世界に誇る穀倉地帯となった。皇太子殿下が同センターを訪れるのは82年以来の36年ぶりであった。
また,ブラジル各地の日系社会代表者と懇談された。本2018年はブラジルへの日本人移住110周年に当たる。 - イ 皇太子殿下は,ブラジリア滞在中,「世界水フォーラム」に参加したテメル・ブラジル大統領,フォンセカ・カーボヴェルデ大統領,アーデル・ハンガリー大統領と御懇談をされた。テメル大統領からは,殿下に「世界水フォーラム」に御出席いただけることは意義深いと述べ,日本人移住110周年やセラード開発を始めとする農業分野における日本の技術協力及び日本人移住者の貢献,また,更なる日伯関係の発展に言及があった。
- ア 皇太子殿下は,「世界水フォーラム」開幕式の前日に,ブラジリア郊外の「セラード農牧研究センター」を訪問され,広大な大豆やコーヒーなどの実験農場を視察された。ブラジル中央部のセラードと呼ばれる熱帯サバンナ地域は1970年代に日本との官民合同事業などで農地開発が進み,世界に誇る穀倉地帯となった。皇太子殿下が同センターを訪れるのは82年以来の36年ぶりであった。