国際保健

令和4年9月23日
新型コロナ対策(グローバル行動計画)に関する外相会合で発言する、林外務大臣の様子
新型コロナ対策(グローバル行動計画)に関する外相会合の様子(会議室全体の様子)

 現地時間9月23日午後1時00分(日本時間24日午前2時00分)から、国連総会出席のため米国・ニューヨークを訪問中の林芳正外務大臣は、米国及びスペイン、バングラデシュ、ボツワナ政府共催による、新型コロナ対策(グローバル行動計画)に関する外相会合に出席したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、急遽参加できなくなったブリンケン国務長官の代理としてトーマス・グリーンフィールド国連大使から、低中所得国におけるワクチン接種率の向上など「グローバル行動計画」を通じた取組の成果を紹介しつつ、米国政府は特に新型コロナを含む感染症の検査・治療体制の強化、医療酸素へのアクセス改善、医療物資のサプライチェーン強化の面で具体的な取組を進める旨述べました。
  2. 林大臣は、新型コロナは終わっておらず、世界全体で新型コロナ・ワクチンの接種率は上がってきているが、十分ではないと述べ、ワクチン接種を促進する取組の方法の一つとして、日本が実施している定期予防接種との連携や医療従事者への能力強化支援等を紹介しました。また、グローバルヘルス・アーキテクチャの強化に向けて、来年のG7広島サミットに向けた議論と効果的に連携させ、積極的に議論を主導するとともに、引き続き、UHCの達成に向けてリーダーシップを発揮していくと述べました。
  3. 本会合には、林外務大臣のほか、グリーンフィールド米国国連大使(ブリンケン米国国務長官の代理)、アルバレス・スペイン外務・EU・協力大臣、クワペ・ボツワナ外務国際協力大臣、モメン・バングラデシュ外務大臣等の外務大臣等の他、テドロスWHO事務局長や欧州連合、アフリカ連合といった地域機関の代表が出席し、関係国・機関の連携を通じた取組の強化に向け、活発な意見交換が行われました。

[参考]グローバル行動計画(Global Action Plan for Enhanced Engagement

  1. 目的
     2022年中に新型コロナを収束させ、将来のパンデミックへの備えを強化するために、各国の具体的な取組を促進。
  2. 行動計画の柱:以下の6つの取組から構成
  • (1)ワクチン接種の推進:
     ワクチン供与量の増加、政治的紐づけがなく十分な消費期限のあるワクチンの供給(COVAX経由)、ワクチン接種体制の整備、紛争地等人道的危機のある地域へのワクチン供与など
  • (2)サプライチェーンの強靱性の強化:
     医療物資の需給ギャップの是正、サージキャパシティの強化、重要物資をめぐる問題にかかる早期警戒システムの整備など
  • (3)情報格差への対応:
     誤情報や偽情報の撲滅、ワクチンへの信頼の向上など
  • (4)医療従事者の支援:
     十分かつ質の高い個人用防護服(PPE)の提供やワクチン接種を含む医療従事者の環境改善、専門分野にかかる医療従事者のキャパビルなど
  • (5)ワクチン以外のインターベンションの推進:
     検査体制の改善、治療薬へのアクセスの改善など
  • (6)世界健康安全保障枠組みの強化:
     世銀、IMF、WHOの取組への支援、新たな基金や枠組みの設立など

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