国際保健
国連総会結核ハイレベル会合(概要と評価)
平成30年10月5日
1 概要
- (1)9月26日,ニューヨークの国連本部において,結核ハイレベル会合が開催された。同会合は,持続可能な開発目標(SDGs)3.3の「2030年までに結核を終息させる」を達成するために,各国から首脳級,閣僚級及び国際機関の長が参加し,対策を促進させる政治的なコミットメントを確認した。
- (2)開会式において,政治宣言が了承され,結核対策の強化,対策資金の確保(2022年までに予防・検査・治療等に年間130億ドルの動員を目指す),研究開発の強化(22年までに新薬などの研究開発に年間20億ドルを投じる),進捗を確認する仕組みを強化することが明記された。
2 評価
- (1)同会合に,我が国からは,加藤厚生労働大臣が出席し,スピーチを行った。
加藤厚労大臣は,我が国が,戦後,結核死亡率を劇的に減少させた実績を,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の成功例として説明した。また,日本が,長年にわたり結核に対する国際的な技術協力を行い,また国際機関に対して資金支援してきた実績を紹介しつつ,我が国が,今後も同分野において貢献していく意思を表明した。なお,日本の企業が,多剤耐性結核治療薬や検査法等の技術面で,世界の結核対策に大きく貢献していることも紹介した。 - (2)同会合の特に政治宣言交渉プロセスにおいては,我が国の別所浩郎日本国連日本政府代表部大使が,共同ファシリテーターを務め,交渉を促進し宣言の了承に導いた。この点について,多くの国々から謝意が示された。