地球環境
松本外務大臣政務官の第3回国連海洋会議出席
6月10日及び11日、松本外務大臣政務官は、フランス・ニースで開催されている第3回国連海洋会議(「持続可能な開発目標(SDG)14」実施支援・国連会議)に出席したところ、概要は以下のとおりです。
1 全体会合におけるステートメント

11日、松本政務官は、全体会合においてステートメントを行いました。
松本政務官は、日本は海洋国家として海洋に関する国際協力に強くコミットしている旨を述べた上で、海洋の保全及び持続可能な利用を目指すSDG14の達成に向け、国際社会の更なる行動が必要な点として以下の3点を強調し、取組の拡大を呼びかけました。
- 国際約束の策定・実施に向けた協力:国連公海生物多様性協定(BBNJ 協定)について、国会による承認に続き、可能な限り迅速に本協定の締約国となるべく国内手続きに取り組んでいる旨を紹介した上で、本協定の発効・実施に向け、さらに多くの国の参加を呼びかけました。また、違法・無報告・無規制(IUU)漁業撲滅のため、日本は、違法漁業防止寄港国措置協定(PSMA)及びWTO漁業補助金協定を重視している旨を述べ、未締結国に対し早期の受諾を呼びかけました。
- 先進的な取組の実施と国際社会への普及:ブルーカーボン生態系による吸収量の算定、海洋生物ビッグデータの活用など、日本の先進的な取組を紹介し、これらの取組を国際社会に普及させることを目指している旨述べました。
- 開発協力の推進:日本は、海洋汚染防止のための廃棄物管理支援、JICAによる新たな「水産ブルーエコノミー振興」戦略の打ち出しなどといった途上国支援を通じ、持続可能な海洋実現へ貢献している旨を強調し、今次会議の機会に計24件(約84百万米ドル)の自主的取組を登録した旨を紹介しました。
2 オーシャン・アクション・パネルにおける発言

10日、松本政務官は、「特に陸上活動によるものを含む、あらゆる種類の海洋汚染の防止及び大幅な削減」をテーマに行われたオーシャン・アクション・パネル4に出席し、発言を行いました。
松本政務官は、海洋汚染の中でも、プラスチックによる海洋汚染は最も差し迫った深刻な汚染であるとして、この問題に対処するために重要な点として、(1)日本国内におけるプラスチック汚染に関するガバナンス及び国内法の実施強化、(2)海洋生分解性プラスチックの開発などといった民間セクターの取組、(3)現在交渉中のプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)策定に向けた国際協調について述べました。
オーシャン・アクション・パネル4における松本外務大臣政務官発言(和文)(PDF)
オーシャン・アクション・パネル4における松本外務大臣政務官発言(英文)(PDF)
3 各国・国際機関の要人との会談等





松本政務官は、第3回国連海洋会議に出席した以下の各国・国際機関の要人との間で会談を行い、海洋に関する協力、二国間関係等について意見を交わし、協力関係を強化していくことで一致しました。
- マラぺ・パプアニューギニア首相
- トカチェンコ・パプアニューギニア外務大臣
- カルメット・バヌアツ漁業・海洋・海事問題大臣
- ハファス・インドネシア外務副大臣
- ラムディン米州機構(OAS)事務総長
- ヘルゲセン政府間海洋学委員会(IOC)事務局長

また、11日、松本政務官は、第3回国連海洋会議のサイドイベント「持続可能な海洋の実現に向けた社会協働と国際連携 – ニースから世界へ向けた戦略提言」(主催:笹川平和財団海洋政策研究所、共催:日本経済新聞社・日経BP)に出席し、挨拶を行いました。
松本政務官は、海洋に関する日本政府の国際的な取組を紹介した上で、海の豊かさを守り、「海洋立国」としての日本を次世代に引き継いでいくためには産学官の協力が不可欠である旨述べました。
(参考1)第3回国連海洋会議
日程:令和7年6月9日-13日
内容:「『持続可能な開発目標(SDG)14』実施支援・国連会議(国連海洋会議)」は、持続可能な開発目標(SDGs)のうち、目標14(SDG14:海の豊かさを守ろう)の実施促進を目的として開催。今回は2017年、2022年に続く3回目の会議であり、フランス共和国及びコスタリカ共和国が共催する。今次会議は、「海洋の保全及び持続可能な利用に向けた行動の加速及びすべての主体の動員」というメインテーマの下、さらなる緊急の行動を支援し、SDG14の実施を支援するための方法と手段を特定することを主な目的とする。
(参考2)我が国が登録した24件の自主的取組(Voluntary Commitment)
- 海洋と人間の安全保障
- ブルーカーボンによるCO2吸収の促進
- 廃棄物から富へ:パキスタンの循環型経済に向けた中小企業主導のプラスチックリサイクル
- 水及び衛生危機への対応のための、ナイジェリアと南スーダンにおける線形プラスチック経済及び汚染の悪影響対処
- 生活と健康の危機からの回復のためのプラスチック汚染の削減と管理(タイ及びフィジー)
- SDGs14に向けた海洋観測網の拡充のための取組
- 離島における持続的水産開発促進プロジェクト
- 島嶼国型ブルーエコノミーの優良事例形成プロジェクト
- 太平洋島嶼国のSDG14「海の豊かさを守ろう」プロジェクト
- ブルーエコノミーを通じた、小規模漁業者の生計向上および持続可能な地域経済発展の促進
- ブルーカーボン及び資金調達プロファイリングの強化によるブルーエコノミー成長の増幅
- 革新的なプラスチック循環経済ソリューションの促進を通じたアフリカにおける包括的で持続可能な産業開発
- 持続的漁業達成事業
- 東南アジア地域持続的水産業推進事業
- 海上保安能力強化計画(セーシェル)
- 経済社会開発計画(ジャマイカ)
- 経済社会開発計画(モーリシャス(1))
- 経済社会開発計画(モーリシャス(2))
- ショゼール漁港改善計画
- 持続的海洋水産資源利用体制確立事業
- 国際漁業振興協力事業
- スイラケディマ新世代漁港整備計画
- ジョアール・ファデュトゥにおける水産物付加価値向上のための改良型水揚場整備計画
- アフリカのきれいな街プラットフォーム