地球環境
砂漠化対処条約(UNCCD)第13回締約国会議(COP13)
平成29年9月26日
【会議の主要成果】
- 2018~2030年新戦略枠組の最終案を採択した。
- 干魃に対する取組を新戦略の戦略目標の1つに位置づけた。
- ジェンダーに関する行動計画が採択され,砂嵐に対処するための政策アドボカシーを含む取組が了承された。
- 新たなイシューとして移民問題が議論され,砂漠化・土地劣化・干ばつは移民を引き起こす要因の一つであるとした上で,移民問題とUNCCDとの関係につき研究を行うこととした。
1 期間
平成29年9月6日~16日
2 場所
中国・内蒙古自治区オルドス
3 参加者
- 締約国,国際機関,市民社会団体(CSO)等より多数が出席。
- 我が国からは,外務省・環境省担当官及び有識者が出席。
4 主な内容及び成果
- (1)現行の10年戦略が2018年で終了することを踏まえ,COP12で設置された政府間ワーキンググループが作成した2018~2030年新戦略枠組の最終案を採択した(COP決議18)。新戦略は,5つの戦略目標,10の進捗指標,17の期待される成果で構成され,国家レベルにおける条約実施の取組に活用されることが期待されている。
- (2)干魃に対する取組について,新戦略の戦略目標の1つに位置づけた上で,干魃に関する政策アドボカシーを定め,具体的なプロジェクトとして総額60万ユーロの干魃に関するイニシアチブが採択された(COP決議20)。
- (3)ジェンダーに関する行動計画が採択され(COP決議23),砂嵐に対処するための政策アドボカシーを含む取組が了承された(COP決議26)。
- (4)新たなイシューとして,EU,アフリカ・中東諸国より移民問題に関する決議案が提出され,移民問題をUNCCDにおいてどのように位置づけるのかが議論となったところ,砂漠化・土地劣化・干ばつは移民を引き起こす要因の一つであるとした上で,移民問題とUNCCDとの関係について事務局等において研究を行うこととした(COP決議25)。
- (5)新戦略の採択を踏まえて実施体制のレビューが行われ,条約実施レビュー委員会のTORが改定され(COP決議17),COP12の懸案となっていたGEFとUNCCDとの協力関係を定めるMOUの改定案が了承された(COP決議11)。
- (6)2018~2019年事務局コア予算を事務局提案のZNG(Zero Nomiinal Growth)案とし,我が国分担金は,カナダが条約に復帰したため分担率が下がった結果として1,431,276ユーロとなり,前期に比して200,365ユーロ減額(12.1%減)となった。また,2018~2019年予算においてワーキング・キャピタル・リザーブを10%から12%に引き上げることが了承された。